FAカップ準決勝プレビュー
マンチェスター・ユナイテッドは今週末、ウェンブリースタジアムへ向かう。エリック・テン・ハフが監督に着任してからこの地に挑むのは4度目だ。そして2シーズン連続のFAカップ決勝進出を目指す。
日曜に準決勝で対戦する相手はコヴェントリー・シティーだ。オールド・トラッフォードで行われた準々決勝で、宿敵リヴァプールに4-3で勝利するという忘れられない試合の成果として、ユナイテッドはこの対戦カードを手に入れた。この試合以外はすべてアウェイで、リーグ1のウィガン・アスレティック(2-0)、リーグ2のニューポート・カウンティ(4-2)、プレミアリーグのノッティンガム・フォレスト(1-0)に勝利をおさめて、ユナイテッドはここまで到達した。
ユナイテッドが1990年のFAカップ3回戦でフォレストと対戦した際に、決勝点を挙げて1-0での勝利を導き出したマーク・ロビンズは、現在、次の対戦相手の監督を務めている。チャンピオンシップ所属のコベントリーは格下といえるが、ロビンスはこの対戦で大番狂わせを起こす機会を楽しみにしていることだろう。
ここでは、この名高いナショナルスタジアムで、日曜日の15:30(日本時間23:30)にキックオフされる試合について、知っておきたい情報をまとめた。
試合はどこでフォローできる?
コヴェントリー・シティー対ユナイテッドの一戦は、日曜日の現地時間15:30(日本時間23:30)にキックオフされ、日本ではDAZNで放送される。
MUTV、ManUtd.com、ユナイテッド公式アプリでは、音声によるライブ解説が楽しめるほか、試合前と試合後は、ウェンブリーから生中継で独占番組が配信される。14:25(日本時間22:25)からは試合に向けた準備の様子など、そして試合終了のホイッスル後には、監督や選手の独占インタビューをお届けする。
ハイライトはいつ見られる?
FAカップの放映規定により、試合のハイライトは翌日の正午まで公開されない。よって、月曜日にまずは2分と20分の編集バージョンから、続いてフルバージョンが公開される予定だ。
チームニュース
火曜日の午後のトレーニングには、アントニーの姿があった。ブラジル人MFは、2-2というフラストレーションのたまる結果に終わったボーンマス戦は欠場したが、次の試合には復帰できる可能性がある。
しかしディフェンス陣では、いぜんとしてジョニー・エヴァンス、ビクトル・リンデロフ、リサンドロ・マルティネス、ラファエル・ヴァランヌらが長期離脱中だ。直近の2試合では、ハリー・マグワイアとアカデミー出身のウィリー・カンブワラがセンターバックでコンビを組んだ。
スコット・マクトミネイは先週土曜の試合には間に合わなかったが、今週末にテン・ハフが行う予定の試合前会見で、彼やその他の欠場選手について最新情報が伝えられることだろう。
コヴェントリー側は、バーミンガム・シティーとのミッドランド・ダービーに3-0と大敗した先週土曜の試合では、MFのジェイミー・アレンとウィンガー、坂元達裕を欠いてい��。準々決勝のウルヴズ戦で警告を受けたケーシー・パーマーは準決勝は出場停止となる。
対戦相手について
現在チャンピオンシップで8位につけ、プレーオフ圏内まで8ポイントに迫っているコヴェントリーは、下馬評を覆して、プレミアリーグで上位9位以上にいる3クラブと並んでFAカップ4強の一角に食い込んだ。
しかし、スカイブルーズが今回のFAカップ戦でトップリーグ勢を下したのは、アディショナルタイムの2ゴールでウルヴズを破った準々決勝の一戦のみだ。この試合では、前半をゴールレスで折り返したあと、後半戦の早い時間帯にエリス・シムズが先制点を挙げたが、83分と88分にラヤン・アイト=ヌーリとウーゴ・ブエノに立て続け2点を決められ、万事休すかと思われた。
しかしシムズのゴールで97分に同点に追いつくと、100分にハジ・ライトがさらに追加し、ドラマチックな逆転劇でコヴェントリーが3-2で勝利。準決勝進出を手に入れた。
レッドブルのF1チーム代表クリスティアン・ホーナーや元スカイ・スポーツのTV司会者リチャード・キーズなど、セレブなファン層をもつコヴェントリーのFAカップというと、トッテナム・ホットスパーを3-2で下すという衝撃的な勝利で優勝を手にした1987年大会がフラッシュバックする。少し残念なのは、その翌年の1988年に、ウィンブルドンがリヴァプールを破って彼らのダブル優勝の望みを打ち砕くという、さらに大きな番狂わせをを出してしまったことだ。
また、この年は、コヴェントリーの現指揮官マーク・ロビンスがプロデビューした年でもある。5-0で快勝したリーグカップのロザラム・ユナイテッド戦で、途中出場したのが最初の試合だ。この試合ではブライアン・マクレアがハットトリックを達成し、後のキャプテン2人、ブライアン・ロブソンとスティーブ・ブルースもネットを揺らしている。
ユナイテッドのアカデミー卒業生であるロビンスは、在籍した4シーズンでトップチーム70試合に出場し、17得点を挙げた。そのうちのひとつが、先に挙げたフォレストとの3回戦での決勝ゴールだ。この偉業により、彼は1990年にサー・アレックス・ファーガソンを解任から救った救世主として神話化されている。この決勝弾のおかげで、伝説の監督はFAカップに生き残り、ユナイテッドでの歴史的な初トロフィーを手にしたのだった。
過去の対戦
1912年以来、両クラブは過去83回対戦しているが、2000年に入ってからは4回しか顔を合わせていない。
2000年2月、オールド・トラッフォードでアンディ・コール(2ゴール)とポール・スコールズの得点でコヴェントリーを3-2で下した後、9ヶ月後のハイフィールド・ロードでの対戦では、コールが再びネットを揺らし、デイヴィッド・ベッカムの追加点が決勝点となって、2-1の僅差でユナイテッドが勝利を収めた。
より印象的な対戦は、その後の4月。レッズがホームでスカイブルーズを4-2で倒すと、同日の遅い時間の試合で、タイトルを争っていたアーセナルがミドルズブラにホームで3-0という衝撃的な敗戦を喫したことで、ユナイテッドの2000-01シーズンの優勝が決定した。
直近の対戦は、すでに16年以上も前となる2007年9月26日のリーグカップ戦で、この日がシニアデビューとなった現レッズのDFジョニー・エヴァンスとMUTVの解説者ダニー・シンプソンにとってはほろ苦い思い出となっている。マルタ代表FWマイケル・ミフスードが両ハーフでゴールを決め、コヴェントリーがユナイテッドの本拠地で2-0で勝利をさらった。
今週末の対戦カード
チェルシーとマンチェスター・シティーが対決する土曜日のFAカップ準決勝に注目が集まるが、今週末はプレミアリーグでも重要な試合が控えている。
4月20日(土)
FAカップ準決勝
チェルシー対マンチェスター・シティー(17:15 日本時間21日1:15)
プレミアリーグ
シェフィールド・ユナイテッド対バーンリー
ルートン・タウン対ブレントフォード
ウルヴズ対アーセナル(19:30 日本時間21日3:30)
4月21日(日)
FAカップ準決勝
コヴェントリー・シティー対ユナイテッド(15:30 日本時間23:30)
プレミアリーグ
エヴァートン対ノッティンガム・フォレスト(13:30 日本時間21:30)
アストン・ヴィラ 対 ボーンマス
クリスタル・パレス対ウェストハム
フルアム対リヴァプール(16:30 日本時間22日0:30)
記載のない試合は、現地時間15:00(日本時間23:00) キックオフ。