UEFAスーパーカップ

スーパーカップは、アントン・ウィトカンプというリポーターの発案により誕生した。当時は、欧州のフットボール界はオランダが席巻していた（アヤックスとフェイエノールトがヨーロピアンカップ決勝で4連勝）。ウィトカンプは、1972年のヨーロピアンカップ優勝チームと、同年のカップ・ウィナーズ・カップの優勝チームを対戦させるというアイデアを提案した。

第一回目のスーパーカップは1973年1月に開催され、アヤックスとレンジャースが対戦した。ところがレンジャースは当時、1年間欧州での試合出場を禁じられていたため、UEFAの承認なしで行なわれた。このコンセプトはファンから支持され、2試合制で行われた大会には、合計10万人の観衆が詰めかけたほどだった。結果はアヤックスが合計6-3で勝利し、初代王者に輝いた。

UEFAは翌年、この対戦を公式戦として認可。2年目もアヤックスがACミランを合計6-1で下して優勝した。惜しくも敗れたミランはその後強豪へと上り詰め、今大会で最多となる4回の優勝を誇っている。

マンチェスター・ユナイテッドが初めて今大会に参加したのは1991年で、バルセロナを破りカップ・ウィナーズ・カップに優勝後、欧州王者のレッドスター・ベオグラードと対戦した。当時ユーゴスラビアは政情不安定の時期にあったため、1991年のスーパーカップは1試合制で行われることになり、ブライアン・マクレアのゴールにより1-0で勝利を収め、サー・アレックスが就任から3つ目となるトロフィを獲得した。

2回目はチャンピオンズリーグ決勝でバイエルン・ミュンヘンを試合終了間際に破って優勝した時だった。1998年以降は、スーパーカップは2試合制から1試合制に変更された。ユナイテッドは1999年8月27日、モナコのルイ2世スタジアムでラツィオと対戦し、前半マルセロ・サラスにゴールを許し、1-0で敗れた。

9年後の2008年8月29日、サー・アレックスは再び欧州王者として雪辱を期したが、またしても不可解なゴールにより2-1でゼニト・サンクトペテルスブルクに敗れた。

ストックホルムでアヤックスを破ってヨーロッパリーグ初優勝を果たしたユナイテッドは、2017年8月8日、マケドニアの首都スコピエで４度目のスーパーカップに挑み、レアル・マドリーと対戦。ロメル・ルカクがデビュー戦でゴールを決めたが、ジョゼ・モウリーニョ率いるユナイテッドは2-1で欧州チャンピオンに敗れた。