マーカス

ロングインタビュー:マンチェスター産のラッシュフォード

水曜日 09 5月 2018 18:41

マーカス・ラッシュフォードであるということは、いったいどんな気分なのだろう? Inside United マガジンは、この地元のヒーローを招いて、すでに出場試合数100を超え、4つのトロフィや印象的なゴールに彩られたキャリアを語ってもらった。

今シーズン、ユナイテッドでの出場試合数が100を超えた。まだ20歳になったばかりだと思うけれど、これほど早く節目を超えるというのはどんな気分だい?

正直、あまり考えていなかったんだ。あまりにあっという間の出来事だったから。ただひたすら毎回勝つためにプレーしていた。だから100試合目や100回目の先発とかも、あっという間だった気がするんだ。だって最初にプレーした試合のことだってまだ昨日のことのように覚えているんだからね。

今シーズンが始まるときには、出場試合数とか、ゴール数とか、今季の具体的な目標を立てたりしたのかな?今季も終わりが近いけれど、その目標にはどれくらい近づけた?

それは目標というのとはちょっと違うかな。というのも、そこにはいろいろな要素が関わってくるだ。たとえば目標を立てたとしても、怪我をしたり、不調になったりすれば、すぐにそれは達成不可能なものになってしまう。もちろん頭の片隅には目標は常に持っている。だけどそれが中心であってはならない。だってあらゆることをコントロールするなんて不可能だから。だから僕にとっては試合でプレーして、チームができるだけ多くの試合を勝てる助けになることが一番大切なことなんだ。それができていれば、十中八九頭の中にある目標も達成できているものだから。

リヴァプール戦でゴールを決めたときはどんな気分だった?

彼らとの対戦ではいつだって試合は速いテンポで進むけれど、あの試合もまさにそうだった。プレッシングがかなり強烈だったから、僕らも自分たちのゲームプランどおりにプレーしたらうまくいった。最初のゴールは一瞬の出来事で、何が起こったのか考える間もないくらいだった。自分の動きが頭の中にイメージできていて、その通りに動いたら決まった。2点目はもっと余裕があって、ボールが自分のところに戻ってくるところもキーパーが走ってくるところも見えていた。だから彼の逆をつけばいいとわかった。あのときの会場の唸り声はすごかった。まあ彼らが相手のときはいつもそうだけどね。ズラタンが去年のリヴァプール戦でゴールしたときも、みんなものすごく興奮してたよね。

君の友人、ジェシー・リンガードも今年は好調だったね

ようやく形になったな、という感じだ。彼はいつだってトッププレーヤーで、オフ・ザ・ボールの動きも素晴らしかった。でも今はそれがしっかり結果という形になっている。ゴールでもアシストでもね。前に僕らでそのことについて話したことがあったんだ。いま彼にはそれがちゃんとひとつになっている。僕も本当にうれしい。だって、一生懸命がんばったのに、最後のところでゴールが決まらなかったり、良いパスにならなかったりすると本当にがっかりするからね。でもいまは、それがきちんと結果になっている。

友人としては彼はどんな感じ?

いつも元気だよ。見てのとおりさ。試合に勝ったときも負けたときも、彼のような人と一緒にいたいと思う。励ましてくれたり、逆に忘れさせて、次の試合に集中できるようにしてくれる。チーム内には彼のようなマインドをもった人が必要だ。でないと、結果をずるずるとひきずってしまうからね。

動画
ラッシュフォードは2-1でユナイテッドが勝利した今季のリヴァプール戦で2点をマーク

マンチェスター出身者であることは君にとって特別な誇りを与えてくれている?

そう思うよ。ここでは多くの人が抱いている夢でもある。だから自分一人のためにやっているんじゃない。まったく知らない人も含めた、多くの人たちのためにやっているんだって思える。子供の頃、地元のクラブでプレーしたいという夢を抱く人は多いからね。だから、自分だけのためじゃなく、クラブと、そして僕を通して自分の夢を生きている人たちのためにプレーしていると僕は思っているんだ。

マーカス・ラッシュフォード 言う

「ジェシーはいつも元気だ。試合に勝ったときも負けたときも、彼のような人と一緒にいたいと思う。いつでも支えになってくれるから」

フットボール以外で熱中していることは?シーズン中のプレッシャーから解放させてくれるものはある?

僕はけっこうのんびり過ごすのが好きなタイプなんだけど、でも友達から誘われたら一緒にやるよ。スヌーカーとかね。でも毎日やるって感じじゃない。

スヌーカーはいつから?

けっこう若い時からプールは好きだったんだけど、本格的なスヌーカーを始めたのは最近かな。プールは簡単すぎちゃって、そろそろスヌーカーに昇格しようぜ!ってなったんだ(笑)。

これまででブレークの最高点は?

うーん、あんまりすごくない。一番最初にやったゲームが一番良くて、57。まあまあってところかな。

ふだん、休みの日とかは何をしているの?

もし2日続けて休みがあったら、1日目は街に出かけて映画を見たり食事にいったりする。で、次の日はスヌーカーをしたりする。それが2連休のときで、1日だけのときは、ほとんど何もしない。次の日のトレーニングに疲れが残るといやだからね。

街を歩くとみんなに声をかけられる?

いまは前ほど出歩かないんだ。練習のあとは疲れているし、しっかり回復しないと翌日のトレーニングがきついからね。出かけたくないわけじゃないけど、回復のために体を休めることは、それほど重要なことなんだ。でも街に出て気分転換するのも良いことだ。トラッフォード・センター(ショッピングセンター)に行ったり、スポーツショップに行ったりね。街に行くといろいろあるから、たまに行くとやりたいことがたくさんあるよ。


いまでも友人たちと公園でボールを蹴ったりしている?

うん、やってるよ!でもさすがに公園ではないかな!最近はあまり時間もないけど、自分の家にも彼らの家にも、いつでもボールがあるから。いまはみんな仕事もあるし忙しくなったからから前ほどじゃないけど、それでも時間があれば蹴ってるよ。いまだにみんな僕に股抜きしようとしてくるんだよね!(笑)

君はとても落ち着いていて謙虚だ。意識はしているの?それとも、フットボーラーでなければ普通にしていたことを、そのまましているだけ?

母や兄たちにこういうふうに育てられたんだと思う。子供の頃からこんな感じだったんだ。いまのようになるチャンスがくるだろうって思っていたから、兄たちはかなり前から僕にそのための準備をしていてくれた。それに、いま起きていることを満喫しないとね。だって最後のときがきたら、全部終わってしまうんだから、それがあるうちに満喫しなきゃと思う。

シーズンも終盤だけれど、すでに来シーズンのことを考えている?

まだだ。いまはリーグを2位で終えることとFAカップに優勝すること。それが僕らにとって大事なことだから。この2つが実現したら、その時点でようやく今シーズンの収穫を手にすることができるんだ。それが一番大事なことだ。

マーカス・ラッシュフォード 言う

「僕は自分のためだけにプレーしているんじゃない。兄弟や友達、そしてユナイテッドやイングランドでプレーすることを夢見ていた多くの人たちのためにプレーしている」

マンチェスターからモスクワへ

 

ラッシュフォードはいま、すべての意識をユナイテッドのシーズンを充実して終えることに注いでいる。しかしひとたび最後の試合の終了の笛が鳴れば、思いはモスクワ、彼にとって最初のワールドカップに飛ぶはずだ。

この夏にことだけれど、ワールドカップについてはどのくらい期待している?

イングランド代表は若いチームだ。だからみんなものすごく盛り上がっているよ。とにかく自分たちのベストを出しつくそう、って燃えている。

前回のEUROでは、君はイングランドの最年少プレーヤーとして出場した。この経験があることで、今回よりしっかり準備ができると感じている?

あれはタフな経験だった。イージーなことからもハードなことからも人は学ぶことがあるけれど、トーナメントを経験するという点ではあれはハードな方のレッスンだった。でもどちらだったにせよ、自分なりに受けて立たなくちゃならない。あとはそこか��復活するか、同じことを続けるかだ。

イングランドのシャツを着たときとユナイテッドのシャツを着たときで、気分に違いはあるもの?

どちらも強大な誇りに溢れている。僕だけのためじゃなく、友人たちや家族の夢もかかっている。プレーしているときや、試合前にいつも考えるのもそのことだ。僕は自分自身のためだけにプレーしているんじゃない。兄弟や友達、ユナイテッドやイングランドでプレーすることを夢見ていた、僕の知らない人たちの分もね。

ギャレス・サウスゲート監督がチームにもたらしたものは?

彼はフリーダムを与えてくれた。とくにフォワードの選手たちにね。もちろんチームプレーの組織の中でのことで、基本線や自分たちがやるべきことはあるし、それぞれが自分の個人としての役割を理解している。そしてそこからまだまだ学ぶことがあって、もっとよくなれることもわかっている。彼のもとでプレーするのは楽しいよ。ワールドカップでできる限り最高の成功をおさめられることを願っているよ。

ワールドカップ決勝でゴールを決めるという妄想にひたることは?

いや、さすがにそこまではまだ(笑)!あんまり先のことは考えたくない。そこに行くまでにたくさんの試合があるからね。そこに到達できることを願っている。そのためにはしっかり準備をすることが大切だ。でも一番大事なのは、クラブでしっかり結果を出して、代表に選ばれるようにすることだよね!