フェライニ

試合の流れを変えるフェライニ

水曜日 04 7月 2018 15:41

ベルギー代表でマルアン・フェライニは、試合途中から出場して試合の流れを変える決定的な仕事をこなしている。しかし彼にとってそれは決して珍しいことではない。

先週、ユナイテッドとの契約を更新したばかりのMFは、彼を指導する監督たちから軒並み高評価を得ている。得意の空中戦では、セットプレー時に限らず、相手ディフェンスを不安定にさせる。

そんな彼は、単なる『プランB』的な存在ではない。グループリーグでのイングランド戦には先発出場して真価を発揮してみせた。

しかしながら、瞬時にゲームにインパクトを与えるという点は、紛れもなく彼の秀でた才能のひとつだ。フェライニは、ほとんど時間をかけずして、それまでのゲームの流れを変える糸口を見出すことができるのだ。

フェライニと元レッズ、ヤヌザイのツーショット

前評判の高いベルギー代表をW杯敗退から避けるための切り札を必要としていたロベルト・マルティネス監督にとって、フェライニは紛れもなくそのオプションだ。日本戦では、彼が投入されたとたん、相手に余裕がなくなった。フェライニはエデン・アザールのクロスをヘッドで押し込むと、スコアを2-2とイーブンに戻した。そしてインジュリータイムにナセール・チャドリが決勝点をあげて、ベルギーは準々決勝進出を勝ち取った。そして我々ユナイテッドもまた、フェライニが何をもたらしてくれるかを熟知している。彼はこれまで7度も、途中出場から貴重なゴールをあげているのだ。また、それ以外の場面でも、彼が投入されたことで流れが変わり、ゲームの進行にポジティブな影響をもたらした例はいくらでもある。

アーセナル戦では、試合終盤に決勝点をあげた。ガナーズは安穏にドローで逃げ切る姿勢を見せていたが、そこで決勝ゴールをもぎとり、エンブレムを叩きながら喜びを爆発させたフェライニの姿を見て、ジョゼ・モウリーニョは彼がオールド・トラッフォードに必要な存在であると確信した。

フェライニは試合の局面を変えられる才を持っている。それは誰にでもできることではない。彼自身も、自分がもつその能力に自信を得て、今後もその力を発揮しようと誓っているはずだ。彼が登場すると何かが起こる。しかしわかっていても、それを止められるディフェンダーは多くない。

昨シーズンのチャンピオンズリーグ初戦のバーゼル戦でヘッド弾を決めたフェライニ

途中出場からフェライニが決めたゴール

対ウェストブロム(アウェー、2-2、2014年10月20日)

フェライニのレッズでの記念すべき初ゴール。ハーフタイムにアンデル・エレーラと交代し、2点ビハインドの状況から先制点をマーク。このあとデイリー・ブリントも、移籍後初ゴールをあげた。

対QPR(アウェー、2-0、2015年1月17日)

ハーフタイムにフアン・マタと交代し、先制点をマーク。その後、やはり途中出場のジェームズ・ウィルソンが追加点をあげた。

ウェストブロム戦でのゴールがレッズでの初ゴール

対クラブ・ブルージュ(ホーム、3-1、2016年8月18日)

ウェイン・ルーニーと交代して出場、インジュリータイムにヘディングシュートを決めた。得失点差が重要なチャンピオンズリーグのグループリーグにおいて貴重な追加点。対戦相手の指揮官は、フェライニの古巣スタンダール・リエージュ時代の恩師ミシェル・プリュドムだった。彼は「もちろんフェライニのことはわかっていた。彼がこういった場面でものすごく強いということはね」と白旗を揚げた。

対ハルシティ(ホーム、2-0、2017年1月10日)

リーグカップ準決勝戦、第2節のアウェー戦に向けてリードを稼ぎたかった試合で、フアン・マタの先制点のあと攻めあぐねていたところ、79分、マタに替わってピッチに上がったフェライニが、マッテオ・ダルミアンのクロスをネット���叩き込んだ。結局この得点が効いて、その後ユナイテッドはウェンブリー・スタジアムでこの年のリーグカップを掲げることとなった。

アーセナル戦で決勝点をあげてエンブレムを叩くフェライニ

対レスター・シティー戦(ホーム、2-0、2017年8月26日)

屈強なレスターのディフェンス網をラッシュフォードがこじ開けた後、ロメル・ルカクのPKはカスパー・シュマイケルに阻まれたが、フェライニがジェシー・リンガードのクロスを膝で押し込んで、勝ち点3を確実にした。

対バーゼル戦(ホーム、3-0、2017年9月12日)

負傷したポール・ポグバに替わってピッチに上がると、アシュリー・ヤングのクロスからトレードマークのヘディングシュートを決めた。「フェライニがメンバーにいないと心もとない。ピッチ上だろうとベンチだろうとね」と指揮官は明かしている。

対アーセナル戦(ホーム、2-1、2018年4月29日)

メンバーを大きく変えてきたガナーズだったが、戦力に衰えはなく、元レッズのヘンリク・ムヒタリアンの得点で同点に追いついた。ラッシュフォードのゴールがオフサイドで無効となると、試合はドローで落ち着くかと思われたが、フェライニが終了間際にヘッド弾を叩き込み、劇的な勝利を奪った。