大舞台に強いジェシー・リンガードの決勝ゴールにより、マンチェスター・ユナイテッドは昨季プレミアリーグ王者チェルシーを下し、リーグ2位を死守した。
後半に交代出場したリンガードは、75分、前半に同点ゴールを決めたロメル・ルカクからのクロスを頭で押し込んだ。FAカップ、EFLカップ決勝でゴールを決めたリンガードを投入したジョゼ・モウリーニョ監督の采配は大当たり。リンガードは、ピッチに入ってからわずか12分後に大仕事をやってのけた。
もし敗れれば勝ち点で並んでいた両チームだったが、ウィリアンのゴールで先制されるも、リーグで長年培ったユナイテッドのパフォーマンスが再び見られた。
両チームともにミッドウィークにはチャンピオンズリーグの試合を消化。ユナイテッドはアウェイでセビージャと引き分け、チェルシーはスタンフォード・ブリッジでバルセロナと分けた。
チェルシーの方が1日長く準備期間を得られた中、試合開始から4分後、アロンソのクロスにアルバロ・モラタがダイレクトで合わせる決定機が見られた。幸いにもこのシュートはクロスバーを叩いて助かったが、セビージャ戦でビッグセーブを連発したダビド・デ・ヘアは、モラタのシュートが弾かれたボールに反応したエデン・アザールのシュートに対応。
徐々にペースを掴み始めたユナイテッドに対し、チェルシーが31分に均衡を破る。自陣から攻め上がったウィリアンが強烈なシュートを叩き込み、チェルシーが先制。アザールからのリターンパスに右足を合わせてデ・ヘアからゴールを奪った。
なかなかペナルティエリアでインパクトを残せなかったユナイテッドは、限られたチャンスをルカクがものにする。
ネマニャ・マティッチのボール奪取からカウンターを仕掛けたユナイテッドは、アレクシス・サンチェスがエリア内のアントニー・マルシャルにボールを通すと、マルシャルがルカクの足元にパス。これを右足でトラップしたルカクが左足で蹴り込み、古巣相手に同点ゴールをもぎ取る。
モウリーニョ監督就任後ちょうど100ゴール、そしてルカクにとって2月の4ゴール目となったゴールが最高のタイミングで生まれ、同点に追いつき前半を折り返した。
後半もチェルシーが攻める場面が多く見られ、ユナイテッドはアザールとウィリアンの対応に追われた。
その後チェルシーはダニー・ドリンクウォーターがミドルシュートを選択。デ・ヘアがボールをこぼしかけたが、なんとかクリアーする。そして63分、まずモウリーニョ監督が交代カードを切り、マルシャルに代えてリンガードを投入。この交代が見事に的中する。
試合のペースを握り始めたユナイテッドは、67分にルカクがアクロバティックなボレーを左足で見せたが、ティボー・クルトワに阻まれる。
すると75分、ルカクが再び得点に絡む。ルカクからの寸分違わぬクロスがアンドレアス・クリステンセンの頭上を超えると、リンガードが頭で押し込み、ついに逆転。
最高の形でリードを奪ったユナイテッドがそのまま逃げ切り、大きな勝ち点3を獲得した。
ユナイテッド:デ・ヘア、バレンシア(キャプテン)、リンデロフ、スモーリング、ヤング、マクトミネイ、マティッチ、ポグバ、アレクシス(81分にバイリーと交代)、ルカク、マルシャル(64分にリンガードと交代)
出場機会のなかったサブ:ペレイラ、ショー、キャリック、マタ、ラッシュフォード
イエローカード:バレンシア、マティッチ
チェルシー:クルトワ、アスピリクエタ(キャプテン)、クリステンセン、リュディガー、モーゼス(78分にジルーと交代)、ドリンク���ォーター(81分にファブレガスと交代)、カンテ、アロンソ、ウィリアン、モラタ、アザール(73分にペドロと交代)
出場機会のなかったサブ:カバジェロ、ケーヒル、ザッパコスタ、エメルソン
イエローカード:カンテ、モラタ
注目ポイント
マクトミネイが出場機会をゲット
欠場したアンデル・エレーラに代わって出場したマクトミネイは、チェルシーの司令塔アザールに張り付いた。どれだけ経験豊富なマンマーカーにとっても難しいタスクだったが、マクトミネイは監督の期待に応える働きだった。アントニオ・コンテ監督が73分に10番を下げたことが、マクトミネイのパフォーマンスを物語っている。
ルカクはオールラウンド型ストライカー
ゴールも奪えるルカクは、前線での起点にもなれる。同点ゴールを決めたほか、リンガードの決勝弾をもアシスト。この日は、昨夏チェルシーに加入したモラタは大きなインパクトを残せなかった。
チェルシーとのトップ4争いを制す
スパーズとリヴァプールが勝利したことで、来季のチャンピオンズリーグ出場権をかけた争いは、より熾烈なものになった。もしユナイテッドがオールド・トラッフォードでの今節で敗れていたら、勝ち点56でチェルシーと並んでいた。だが
、ユナイテッドが勝利を収め、2位の座を死守し、チェルシーとの勝ち点差も6に広げた。