マンチェスター・ユナイテッドは、ヨーロッパリーグのグループLでのパルチザン・ベオグラード戦で、以前クラブに所属したゾラン・トシッチと対戦する。
32歳になったウィンガーは、2009年1月にアデム・リャイッチと共にパルチザンからユナイテッドに移籍。リャイッチは労働許可証の問題により、結果として移籍が成立しなかった。トシッチは、オールド・トラッフォードでファーストチーム定着を目指したものの、わずか5試合に出場した後、加入から1年後にCSKAモスクワに移籍した。
CSKA時代には、2015-16シーズンにホームとアウェイでの2試合でユナイテッドと対戦している。今回も、彼は古巣との対戦を楽しみにしている。
「パルチザンの全員にとって良い経験になるね」と、トシッチはMUTVのスチュワート・ガードナーに語った。
「UEFAからペナルティを科された関係でファンがいない環境での試合も経験したけれど、もちろん今回は、みんながスタジアムでパルチザンとユナイテッドの試合を見たがっている」
「スタジアムは満員になるよ。良い雰囲気になるだろうし、楽しい試合になると思う」
トシッチは、ユナイテッドでの定着が難しかったことを認めている。だが、在籍時代にリザーブチームの監督だったオーレ・グンナー・スールシャールとは、現在も良好な関係を維持している。
「僕にとっては、まるで天国のようだった。パルチザンにそこまで長く在籍したわけではなかったし、地元の小さな町でプレーして、それから1年半後にはユナイテッドと契約していたのだから」
「自分にとっては大きなステップだった。当時はワールドクラスの選手が多かった。イングランドの王者、ヨーロッパの王者で、大きなチームだったしね。彼らのような選手と練習できて、学べたのはラッキーだった」
「ユナイテッドを退団した時、まだクラブとの契約は2年残っていたんだ。ときどき、移籍せずに、ポジションを勝ち取るために競争すべきだっただろうかと考えることもある。でも結果として、モスクワではファンタスティックな7年を過ごせた。ほぼ毎年チャンピオンズリーグでプレーできたし、トロフィーも獲得して、大事な試合で多くのゴールも決められた。だから、満足しないといけない」
「正直にならないといけないよ。10年前のユナイテッドは、今の新たなチームとは全く異なる。今のチームには、ファーストチームで力を証明しようとしている新しい選手が何人もいて、彼らは上手くやっている」
「僕は今もユナイテッドの大ファンだよ。何年か前のような強豪になってもらいたい。でも、まずは監督に仕事をさせるチャンスを与えるべきだし、監督にユナイテッドを以前のようなチームに戻せるだけの力と知識があることを証明するチャンスを与えるべき」
「オーレは、(在籍時)リザーブチームの監督だった。彼に関しては良いことを言えるし、良い経験をさせてもらった。彼は、リザーブでプレーしていた僕の力を信じてくれた」
“バンビ”
というニックネームで呼ばれているパルチザンでも経験豊富な彼は、ユナイテッド在籍時代、同胞のネマニャ・ヴィディッチに世話になったという。
「誰よりもネマニャに助けてもらった」と、トシッチは当時を振り返る。「クラブに入った時は、まだ英語が話せなかった。もちろん英語は学校で習ったけれど、マンチェスターに来てみたら、自分が知っている英語とは全く違ったんだ!」
「時間が必要だったし、ネマニャは僕にとって兄のような存在で、ピッチ内外で助けてもらった」
「彼には、感謝していると何度も伝えたよ」