リンガード

快勝に貢献したリンガードとヤング

月曜日 25 6月 2018 09:24

ハリー・ケインのハットトリックが見出しに掲載されるかもしれない。しかし、6-1で完勝したパナマ戦のピッチで間違いなくベストプレーヤーだったのは、ジェシー・リンガードだ。

マンチェスター・ユナイテッドのリンガードはパナマ戦で先発に起用され、開始90秒にはパナマの選手に顎を叩かれた。だが、それで腰が引けるリンガードではない。スリーライオンズの中盤ですべてを担い、代表史に残るワールドカップ戦の勝利に貢献した。

2-1で勝利したチュニジア戦で決定機を生かせなかったリンガードは、力を証明する必要があったと感じていたのかもしれない。もしそうだとすれば、彼はユナイテッドのユニホーム姿で何度となく決めている素晴らしいゴールをマークし、実力を証明してみせた。

ジョン・ストーンズの得点で先制し、ケインのPKで2点をリードしていたイングランドは、リンガードがラヒーム・スターリングとの連携から36分に美しい弧を描く軌道のシュートを見事にトップコーナーに蹴り込んだ。

リンガードも、そしてイングランドも、パナマ戦では記憶に残るパフォーマンスを披露したと言っていいだろう。同国史上ワールドカップでの1試合最多ゴール記録を更新し、ベスト16進出を決めた。

リンガードは、昨季ユナイテッドでのキャリアで過去最多となる13ゴールを記録し、自身初の大舞台に挑んでいる。

ここまで終えたワールドカップ2試合では、ガレス・サウスゲート監督に与えられた自由度の高い役割で躍動。サウスゲート監督とリンガードは、U-21時代から一緒に仕事をしている間柄で、ユナイテッドでのプレーを代表レベルで、しかも世界最大の舞台で発揮している。

パナマ戦は気温の高いニジニ・ノヴゴロドでの一戦だったが、それ以上に燃えていたのはリンガードだった。誰よりも影響力のあるプレーを見せ、パナマの守備陣を思うままに打開し、ワールドカップ初出場国を苦しめた。

「ゴールは最高」

ロシアで違いを生み出しているリンガードは、パナマ戦でも実力を発揮。彼の得点シーンは、今大会のベストゴールの一つに数えられるだろう。

ジェシー・リンガード 言う

ゴールを決められて嬉しかった。チームが勝ったから尚更だね。グループ首位だし、自信を持ってベルギー戦に臨める。

BBC Sportからワールドカップでの2試合目で代表での2ゴール目を決めた感想を求められたリンガードは「ゴールを決められて嬉しかった。チームが勝ったから尚更だね。グループ首位だし、自信を持ってベルギー戦に臨める。このチームでやれて嬉しい。今はチームスピリットに満ちている」と語った。

「今のメンバーでなら、もちろん(イングランドは勝ち進める)。チーム内の自信もあるし、できない理由が見当たらない。それでも、目の前の試合に集中してやっていく」

「今日の試合は出場したいと思う類のもの」

リンガードと同様にワールドカップでの2試合目を終えたアシュリー・ヤングは、今大会に出場している代表で最年長の32歳だ。

グループステージ第1節のチュニジア戦で左ウィングバックとして先発起用されたヤングは、懇切でもサウスゲート監督の信頼に応えた。後半残り20分にキーラン・トリッピアーに代わりダニー・ローズが出場すると、ヤングは右サイドに移ってプレーした。

以前ワールドカップに出場する夢を語ってくれたヤングは、イングランドのユニホームを着て立った大舞台で、そして代表記録を打ち立てた試合で興奮している様子だった。

BBC Sportとのインタビューでは「今日の試合は出場したいと思う類のもの」とコメント。「大事なのはチームの勝利で、素晴らしい形でやれた。失点は残念だったけれど、それでチームのパフォーマンスの評価が下がるわけではない。歴史を作れた。これは始まり」と続けた。

アシュリー・ヤング 言う

今日の試合は出場したいと思う類のもの。大事なのはチームの勝利で、素晴らしい形でやれた。歴史を作れた。これは始まり。

出場機会を得たリンガードとヤング、パナマ戦では起用されなかったフィル・ジョーンズとマーカス・ラッシュフォードは、木曜にカリーニングラードで行われるベルギーとのグループ首位決定戦への出場を望んでいるだろう。

だがヤングは、チーム内の競争が激しい方こそ健全と言う。

「監督が次の試合に出場するメンバーを選ぶ。でも、選手たちは練習からやる気を出しているよ。皆プレーしたいからね。この流れが続くと思う。試合前の自信をしっかり示せたと思う。ほぼ完璧と言える試合になっていた可能性だってあった」

「前にも話した通り、このチームの一体感は素晴らしいよ。チーム全員が出場したがっていて、全員がボールに触れたがっている。躊躇う選手なんていない。これからも努力が必要だけれど、良い時代の始まりじゃないかな」