ユナイテッド 3-1 ハダースフィールド
マンチェスター・ユナイテッドは、ボクシングデイにオールド・トラッフォードで行われたハダースフィールド戦に3-1で勝利し、オーレ・グンナー・スールシャール暫定監督体制となってから2連勝を飾った。
ピッチに入場する選手たちがトンネル内で待機する中、オールド・トラッフォードでは大歓声が起こった。それはかつての姿のようだった。ウェールズでのカーディフ・シティー戦で5年以上なかった5ゴールを決めた影響もあっただろう。そして、クラブにとって偉大なヒーローであるスールシャールが選手に続いて入場すると、スタジアム全体から歓迎された。
サー・アレックス・ファーガソン・スタンドの2階席には20 LEGEND のバナーが掲げられ、ユナイテッドサポーターだけでなく、ハダースフィールドサポーターもスールシャールに歓声を送る特別な瞬間も見られた。試合前のボルテージが上がっていたことには、スタジアム内の全員が感じ取っていたはずだ。そして、試合開始から攻撃的なプレーが見られた。
サポーターの大歓声に背中を押されたユナイテッドに対し、ハダースフィールドは臆せずにプレー。10分にはDFテレンス・コンゴロにあわや先制ゴールを許しかけたが、シュートは枠を外れて助かった。
それでも攻勢に試合を進めたユナイテッドが自陣からカウンターアタックを仕掛けると、ハダースフィールドのエリアス・カチュンガがたまらずスピードを上げようとしたマーカス・ラッシュフォードを故意に倒し、イエローカードが出された。ハダースフィールドも最下位争いをしているチームには思えないプレーを続けたものの、17分に均衡を破ったのは、ユナイテッドだった。イーストスタンドでコーナーキックを勝ち取ったユナイテッドは、ラッシュフォードのコーナーにビクトル・リンデロフが頭で触れ、こぼれ球をマティッチが蹴り込み、試合を動かす。
オールド・トラッフォードの声援レベルも上がり、オーレを称えるアンセムを合唱。その後もラッシュフォードのチャンスメークからディオゴ・ダロトがゴール前でシュートを放ったが、これはワイドに外れてしまう。そんな中、ハダースフィールドも前半終了直前にフィリップ・ビリングがサイドネットを揺らすシュートを放ち、危うく同点に追いつかれるところだった。一瞬でも集中力を切らせば、失点を喫してしまう。そういうメッセージが感じられる場面だった。
ストレトフォード・エンドで開始した後半は、ハダースフィールドが序盤から主導権を掴み、あと少しの運さえあれば同点ゴールを決めていたような展開だった。後半のスロースタートを打開するため、スールシャール監督は、フレッジとダロトに代えて、アンデル・エレーラとアシュリー・ヤングを投入する。
プレミアリーグの降格ゾーンにいるチームとは思えないプレーを続けたハダースフィールドは、61分に決定的なチャンスを得た。ローラン・デゥポワトルのシュートが決まるかと思われた瞬間、ダビド・デ・ヘアが手を伸ばしてコーナーに逃げることに成功。
それから小康状態に陥ったものの、64分、ついにユナイテッドがリードを広げた。フアン・マタ、交代出場のエレーラがハダースフィールドの守りを崩すと、ポグバがチーム2点目となるゴールを決める。
スールシャール監督がテクニカルエリアに立つことは少なかったのだが、78分にポグバがジェシー・リンガードのパスをミドルシュートでフィニッシュさせた瞬間、興奮のあまり立ち上がる姿が見られた。その2分後、ユナイテッドは最後の交代枠を使い、アカデミー卒業生のアンヘル・ゴメスを投入。交代したマタも含め、サポーターは2選手に拍手を送った。
終了間際にはスティーヴ・ムニエのヘディングがバウンドしたボールをヨルゲンセンに蹴り込まれたものの、スールシャール監督の帰還を勝利で飾ることに成功。5日間で2勝目をあげたユナイテッドの過密日程期は、まだ続く。
ユナイテッド:デ・ヘア(c)、ダロト(53分にヤングと交代)、ジョーンズ、リンデロフ、ショー、フレッジ(53分にエレーラと交代)、マティッチ、ポグバ、マタ(80分にゴメスと交代)、リンガード、ラッシュフォード
出場機会のなかったサブ:ロメロ、バイリー、アンドレアス、フェライニ
ハダースフィールド:レッスル、ハデルジョナイ、ヨルゲンセン、シンドラー、コンゴロ、デュルム、カチュンガ(57分にレーヴェと交代)、プリチャード、ビリング、ムベンザ(63分にクアナーと交代)、デゥポワトル(74分にムニエと交代)
出場機会のなかったサブ:ヘイマー、ホッグ、バクナ、スタンコヴィッチ
得点:マティッチ(28分)、ポグバ(64、78分)|ヨルゲンセン(88分)
イエローカード:フレッジ|カチュンガ
観衆:7万4523人