奴隷およびヒューマントラフィッキング(人身売買)に関して

奴隷およびヒューマントラフィッキング(人身売買)に関して

奴隷およびヒューマントラフィッキング(人身売買)に関して

本書は、マンチェスターユナイテッド・フットボール・クラブが、自ら、英国親会社およびその子会社(以下、総称で「当グループ」と言う)に代わって作成するものです。

マンチェスターユナイテッドについて

マンチェスターユナイテッドは、地球上で最もファンの多いスポーツの1つをプレーする、世界で最も人気が高く成功しているスポーツチームの1つです。 141年間のチームの歴史の中で、マンチェスターユナイテッドは67個のトロフィーを獲得し、世界中に熱狂的なファン層を持つ世界屈指のスポーツブランドの1つに成長しました。 

マンチェスターユナイテッドでは、最高水準の企業倫理に基づいて事業を行っています。 私たちは、従業員、株主、顧客、サプライヤー、コミュニティの代表者、およびその他のビジネス関係者に対して、正直かつ公正、率直に事業活動を行う義務があります。私たちは、倫理面から、当社組織またはサプライチェーンにおける現代奴隷やトラフィッキング(人身売買)を一切容認しません。

当社の事業


当社は、1つの報告セグメントとして運営、管理するプロスポーツチームです。 当社の主な収入源は、コマーシャル、放送、マッチデーの3つの区分です。

コマーシャル区分において、スポンサー料、小売業、アパレルおよび製品のライセンス料、モバイルおよびコンテンツ料の3つから収益を得ています。 

当社は、サッカーコンテンツの生配信および中継を通じて、その直接的な収益を得ており、商業パートナーに対する世界的な注目の高まりにより間接的に収益を得ています。 放送料は、プレミアリーグ、UEFAチャンピオンズリーグ、およびその他の大会について、国内外のテレビ局やラジオ局と中央で取り決めた権利から発生するものです。 また、当社が全権を所有するグローバルテレビチャンネルの「MUTV」では、世界90以上の国と地域にマンチェスターユナイテッドの番組をお届けしています。

オールド・トラッフォード・スタジアムは、世界的に有名なスポーツ競技場です。 現在の客席数は7万5000席を超え、英国サッカークラブ最大のスタジアムになっています。 当社は、過去18年間のプレミアリーグの試合において、平均99%以上の集客率を達成しました。

当グループの組織の一番上は、米国で上場している公開有限会社で、グループ企業の大半はイングランドおよびウェールズ地方の会社組織です。 

当社のサプラインチェーン

当社のサプライチェーンには、当社のコマーシャル、放送およびマッチデー業務で必要な製品/サービスのサードパーティサプライヤが含まれます。  これらには、以下の製品/サービスのサプライヤが含まれます。

サッカー事業
視聴覚機器/サービス
放送(制作および編集を含む)サービス
ケータリング製品およびサービス
コンサルタントサービス
配達事業
教育およびトレーニングサービス
エンターテインメント
金融サービス
料理と飲み物
保険サービス
IT機器/ソフトウェア/ハードウェア
装備と装置
保守点検サービス
マーケティング/広告/デザインサービス
医療/医療用品
物販
写真
サッカースタジアム関係の商品およびサービス
専門サービス
財産管理サービス
雇用サービス
セキュリティサービス
旅行およびホテルサービス
公益事業
事務用品およびその他の雑貨

当社は、いかなる形においても、現代奴隷およびヒューマン・トラフィッキング(人身売買)に反対します。

当社は、現代奴隷およびヒューマン・トラフィッキングに一切妥協のない姿勢で臨み、倫理的で法律に則った手法で事業を行うべく、さまざまな取り組みを行っています。  倫理的行動に対する当社の取り組みは、企業倫理・行動規範(以下、「本規範」と言う)に規定されています。本規範は、次のリンクからご覧いただけます。

https://ir.manutd.com/~/media/Files/M/Manutd-IR/Governance%20Document/code-of-business-conduct-and-ethics.pdf

当社の全従業員は、雇用規定の一環として、本規範を順守した振る舞いが義務付けられています。

当社は、法務および商務部門、金融およびオペれテーション部門の上級会員で構成される、リスク委員会を設立しました。  この委員会に与えられた権限には、現代奴隷法の順守が含まれます。この委員会への報告は、現代奴隷法2015への当社の順守に特定の責任を持つ、法務および業務部門の上級メンバーに義務があります。

当社は、本規範の違反の懸念がある従業員が、匿名でその懸念を報告できるように、堅牢な内部告発プロセスを構築しました。

当社のセーフガードチーム

当社は、クラブおよびマンチェスターユナイテッド財団法人全体で機能するセーフガードチームを設立しました。 マンチェスターユナイテッドは、子どもや大人がいかなる虐待を受けることも許されることではないと考え、危険にさらされているすべての子どもおよび大人の幸福を守るための取り組みにより、それを実現する責任があると認識しています。 セーフガードチームは、グループ人事チーム 内に置かれ、プレミアリーグ・ルールおよび国の法令の中で業務を行っています。  危険にさらされている子どもと大人の両方に関する特定の保護指針を規定し、定期的を見直しを行っています。 

クラブ全体のさまざまな部署には、訓練を受けた専門のセーフガード担当者がいます。 専門のセーフガード担当者は、全従業員およびすべての個人に直接リンクを作成し、報告を受けた懸念はセーフガードチームが精査します。 あらゆる懸念を報告できる堅牢な照会プロセスを策定しました。

セーフガードチームは、Project Challengerなどのグレーター・マンチェスターの法定代理人、グレーター・マンチェスター警察、現地の専門担当者と連携しています。 この共同作業から、危険にさらされている子どもや大人と直接働いている従業員には、保護の概要、安全な雇用、児童の性的搾取、インターネットセーフティ、予防策(過激派に対する意識を高める)といったテーマ別トレーニング、およびその他のさまざまなコースが実施されてきました。 昨シーズンを通じて、クラブ全体およびマンチェスターユナイテッド財団方陣から600名の従業員がトレーニングセッションに参加し、保護と搾取問題の意識を高めました。 セーフガードチームは、グレーター・マンチェスター奴隷ビジネスネットワークにマンチェスターユナイテッドを代表して参加しています。 

プレミアリーグの他のクラブのセーフガードチーム、プレミアリーグ、およびサッカー協会と連携する共同保護の取り組みがあります。 これらの提携により、ネットワークが強化され、情報共有が活発になり、トレーニングと拡大の機会を増やします。 プレミアリーグから支援訪問を受けるだけでなく、クラブおよびマンチェスター財団法人は、バーナードによる5日間のIndependent Safeguarding Audit(独立セーフガード監査)をシーズンごとに実施し、業務の観察、事例管理、危険にさらされている従業員、子ども、大人および保護者への聞き取りを行っています。これにより、Premier League Rules Safeguarding Standards(プレミアリーグのセーフガード規範)および国の法令を順守し、グループ全体にセーフガードを浸透させています。 

試合当日には、マッチデー専門のセーフガードチームがいます。 チームのスキルには、挙げられた懸念に対応できるソーシャルワーカー、ユースワーカーが含まれます。 セーフガードチームは、マッチデー管理にによって配置され、刑事事件に匹敵するレベルの懸念が挙がったときにサポートされます。 季節ごとに、マッチデーを運営するさまざまなチームが、現地セーフガード担当者、プレミアリーグおよび他のプレミアリーグクラブのセーフガード責任者によって観察されています。 これにより、法定代理人のマッチデーの運営に関する意識が高まり、その結果、試合の知識が増えると共に、試合中のベストプラクティスの共有がサポートされるようになりました。

サプライヤの適正評価プロセス

現代奴隷およびヒューマントラフィッキングに断固とした措置を取る当社の尽力の推進において、当社では、当社のサプライチェーンに次のような積極的な手順を取っています。

1.当社は、すべてのサプライヤに、以下の肯定的承認の書面化を義務付けています。(I) サプライヤ、および (ii) サプライヤの直接的なサプライチェーンは、事業内におけるヒューマントラフィッキングまたは奴隷を肯定、可能または促進しない。また、当社は、この義務を新しいサプライヤプロセスにも組み込みました。当社のすべてのサプライヤには、当社が事業を行う際に、ヒューマントラフィッキングまたは奴隷に対して断固とした措置をとる企業である旨が伝えられます。当社は、当社のサプライチェーン全体が当社の価値に即した行動を取ることを期待します。既存のサプライヤが上記の肯定承認を提供しない場合、調査の対象となり、結果的にサプライヤ契約が終了する場合があります。潜在的な新規サプライヤが肯定承認を提供しない場合、当社のサプライヤとして不適格であると見なされる場合があります。

2.サプライヤに対する当社の標準取引条件には、反奴隷および反ヒューマントラフィッキングに関する適用法に順守するという明示的な義務が含まれます。


本ステートメントは、現代奴隷法2015の第54(1)に即して策定されており、
2019年6月30日を期末とする会計年度の当グループの現代奴隷およびヒューマントラフィッキングに関する声明を制定するものです。

委員会の代表、およびマンチェスターユナイテッド・フットボール・クラブおよびその上記グループ企業を代表して署名する。



リチャード・アーノルド
グループ・マネージングディレクター


2019年10月19日