ユナイテッド 2-1 ビジャレアル

試合終了数秒前にロナウドが決めたこの得点により、ユナイテッドはビジャレアルを2-1で下し、グループリーグで初のポイントをゲットした。

試合はビジャレアルが53分にパコ・アルカサルの得点で先制。しかしアレックス・テレスが、60分にユナイテッドでの初ゴールを決めて同点に返した。

ブラジル人DFの貴重な同点打に会場は湧いたが、ロナウドの劇的な決勝点で、スタジアムは興奮のるつぼと化した。ビジャレアルには痛恨の結果となったが、ユナイテッドにとっては、5月のヨーロッパリーグ決勝戦での雪辱を果たした形となった。

前半ー押し込むビジャレアルにユナイテッドは苦戦

強固なディフェンスで名高い相手にプレッシャーを受ける展開となったユナイテッド。前半戦はダビド・デ・ヘアの見せ場となった。

グダンスクで行われたヨーロッパリーグ決勝で、自分が蹴ったPKがセーブされて敗戦となった苦い経験をしている我らがナンバー１GKは、その思い出を払拭するかのような目覚ましい活躍を見せた。最初は6分。アルノー・ダンジュマとの一対一の場面では、元ボーンマスのフォワードが右手を狙って打ったシュートをなんなく処理した。

しかしその4分後、このオランダ代表は今度は右足から弧を描くループシュートを繰り出し、デ・ヘアにジャンピングセーブを強いた。さらにパコ・アルカセルの一撃でも、見事なセービングを披露したデ・ヘア。

ユナイテッド側の好機がロナウドが放ったヘディングシュートのみに限られている間に、ビジャレアルは果敢に攻め続け、元リヴァプールのアルベルト・モレノがストレトフォード・エンドに向かって高めのシュートを放った他、ジェレミ・ピノやアルカセルも際どいシュートを浴びせた。

ハリー・マグワイア、ルーク・ショー、アーロン・ワン・ビサカが不在というユナイテッドのディフェンスラインにとって、この序盤の30分は厳しい時間帯となったが、一方で攻撃陣は、相手GKヘロニモ・ルジにプレッシャーを与えることは叶わずフラストレーションのたまる展開となった。

ハーフタイム突入2分前、ポール・ポグバがファーポスト付近にいたメイソン・グリーンウッドを狙って放ったサイドチェンジのパスをモレノが果敢にインターセプトすると、あわやオウンゴールかと思われたが、辛くも外れてコーナーキックに。

その後デ・ヘアがピノのシュートをワンハンドでセーブし、試合は0-0のまま前半戦を終えた。

後半ーテレスの痛快な一打とロニーの決勝点

前半から果敢に攻め続けたビジャレアルの尽力は53分にようやく形となった。ダロトの裏のスペースをついたダンジュマからのクロスをアルカセルがニアポストに押し込み、先制点をゲット。

直後の攻撃チャンスでフェルナンデスがミドル弾を見舞うなど、反撃モードに入ったユナイテッド。同点打をもたらしたのは、アレックス・テレスだった。

フェルナンデスの右寄りのフリーキックを、ペナルティエリアのコーナー付近にいたテレスがとらえた。ブラジル人サイドバックが左足を振り抜いて放った稲妻ボレーは、GKルジが反応したときにはすでにゴールに突き刺さっていた。

その後両監督ともメンバーチェンジを敢行。ビジャレアルのウナイ・エメリは、勝ち点１を持ち帰る策を選択、そしてユナイテッドは、逆転勝利を目指してポグバに代えてエディンソン・カバーニを送り込んだ。ピッチに上がって4分後、さっそくカバーニは惜しいシュートを放つ。グリーンウッドの鮮やかなクロスにぴったり合わせたが、枠内におさめることはできなかった。

ビジャレアルはカウンターのチャンスを見逃さず、またしてもデ・ヘアがヒーローに。最初はモイセス・ゴメス、続いてブレイェ・ディアのシュートを防ぐと、テレスも際どいブロックで危機をかわした。

アディショナルタイムが5分に突入した頃、チャンピオンズリーグ出場178試合の新記録を打ち立てたロナウドの見せ場が訪れた。

途中出場のフレッジのクロスを頭で落とすと、受けたジェシー・リンガードがすかさず戻し、それをロナウドがふたたびパワフルなショットでネットに突き刺した。その瞬間、スタジアムは熱狂に包まれた。

試合情報

ユナイテッド：デ・ヘア；ダロト、リンデロフ、ヴァランヌ、テレス（89分にフレッジと交代）；マクトミネイ、ポグバ（75分にカバーニと交代）；グリーンウッド（89分にリンガードと交代）、フェルナンデス（キャプテン）、サンチョ（75分にマティッチと交代）；ロナウド

出場機会のなかったサブ：ヒートン、ヘンダーソン、バイリー、マタ、ファン・デ・ベーク、マルシャル、エランガ

得点：テレス（60分）、ロナウド（90+5分）

警告：グリーンウッド、テレス、ロナウド

ビジャレアル：ルジ；アルビオル（キャプテン）（73分にマンディと交代）、トーレス、パレホ、カプエ、フォイス、アルカセル（58分にディアと交代）、トリゲロス（61分にエストゥピニャンと交代）、ダンジュマ、モレノ（73分にペーニャと交代）、ピノ（71分にゴメスと交代）

出場機会のなかったサブ：アセンホ、ヨルゲンセン、ガスパール、イボラ、ペドラサ、ヨシフォフ

得点：アルカセル（53分）

警告：モレノ、ピノ、アルビオル、ペーニャ