エヴァートン 0-3 マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッドは、敵地の雰囲気をものともせず、グディソン・パークでエヴァートンを3-0で下した。
ホームファンは、勝ち点10減点に対する怒りを顕にしていた。また、これがユナイテッドにとって追い風になるとも。ただ、エリック・テン・ハフ監督は出場停止によりスタンドからの観戦を余儀なくされた。
アレハンドロ・ガルナチョがウェイン・ルーニーばりのオーバーヘッドキックで決めた驚愕のゴールは、わずか3分で観客を驚かせ、多くの観衆が言葉を失った。後半、ユナイテッドはマーカス・ラッシュフォードのPKと、アントニー・マルシャルの冷ややかなフィニッシュでリードを広げて勝負を決めた。
前半
エヴァートンサポーターが抗議運動を続け、ユナイテッドファンがアウェイセクションで観戦するなど、テレビで試合を見ていた数百万人のファンも、まだ試合に入れていない試合序盤のことだった。ラッシュフォードがオーバーラップしてきた右サイドバックのディオゴ・ダロトにボールを渡すと、同選手からのクロスにガルナチョがアクロバティックに反応。
ボールがエヴァートンのGKジョーダン・ピックフォードの上を弧を描いて越えた瞬間、世界中のユナイテッドサポーターは恍惚と畏怖の念に包まれたに違いない。この3分の先制点がどれほど素晴らしいものであったかを言葉に表すのは難しい。
エヴァートンがフットボール当局から制裁を受けた騒動や、ショーン・ダイチ監督が率いるチームの成長ぶりへの称賛を考えれば、ユナイテッドにとってチャレンジングなアウェイ戦になるかと思われていた。実際、ガルナチョのゴール後、前半は相手の方が優勢だったと言える。
アンドレ・オナナは、ドミニク・カルヴァート・ルーウィンのシュートを阻む2つのセーブを決め、プレミアリーグ初先発を飾ったコビー・メイヌーも、ユナイテッドアカデミー出身のジェームズ・ガーナーのシュートをゴールライン上でクリアー。イドリッサ・ゲイェが放ったシュートはバーの上を飛び、ユナイテッドにとっては厳しい前半だった。
後半
エヴァートンが同点に追いつくかもしれないという予感とともに再開されるも、VARの判定がユナイテッドに有利にはたらく。
元チームメートのアシュリー・ヤングをかわそうとしたマルシャルがエリア内で倒れた際、ジョン・ブルックス主審は当初マルシャルがダイブしたとの判定を下し、イエローカードを提示した。しかし、スクリーンに映し出された映像を確認した主審は、判定を訂正し、イエローカードを取り消した。そして、ユナイテッドにPKを与える。PKキッカーを務めたのはいつものブルーノ・フェルナンデスではなく、ラッシュフォードだった。そしてスポットに立ったラッシュフォードは、左コーナー上部にシュートを叩き込んで2-0。
前半と同様、エヴァートンはポゼッションを高めて失点に応えた。ゲイェがワンダーゴールを放つかと思われたが、飛び出したオナナが信じられないようなセーブでピンチを脱する。また、ダロトはアブドゥライェ・ドゥクレの強烈なシュートを防ぐためブロックして失点を防ぐ。
ユナイテッドも攻撃の脅威を維持し、ラッシュフォードが左サイドからクロスをファーポストに飛ばした瞬間、グディソン・パークのファンの中には、ガルナチョが伸ばした右足で再びゴールネットを揺らしたと思った人もいただろう。だがサイドネットを揺らし、これがガルナチョの最後のプレーとなった。
72分にはソフィアン・アムラバトも投入され、試合に落ち着きを与えたメイヌーに十分な休息が与えられた。右サイドでプレーしていたペリストリは、ハーフウェイライン付近でターンしたマルシャルからボールを受けると、前を向いてブルーノ・フェルナンデスにパスを送る。キャプテンは素早く針の穴を通すようなパスを通し、マルシャルがエヴァートンのセンターバックの間をすり抜け、冷静にゴールへ流し込んだ。
3-0とされあtエヴァートンは、サイドバックのヴィタリー・ミコレンコがシュートを放つが、オナナのクロスバーに当たってしまう。その後、ピックフォードがペリストリのシュートを防いだ。
チャンピオンズリーグでのガラタサライとの重要な試合を3日後に控え、アーロン・ワン・ビサカとハンニバルのフレッシュな選手が戦列に送り込まれ、ショーとマルシャルは、アウェイでの印象的な勝利に大きな役割を果たしたという安心感とともに、ベンチから終盤戦を見守った。
試合詳細
エヴァートン:ピックフォード;ヤング(73分にパターソンと交代)、ターコウスキー、ブランスウェイト、ミコレンコ;ハリソン、ガーナー、ゲイェ、ドゥクレ(90分にドビンと交代)、マクニール(73分にダンジュマと交代);カルバート・ルーイン(82分にシェルミティと交代)
出場機会のなかったサブ: ジョアン・ヴィルジニア、コールマン、ゴッドフリー、ハント、キーン
イエローカード: ヤング、ゲイェ、ドゥクレ
ユナイテッド:オナナ;ダロト、マグワイア、リンデロフ、ショー(76分にワン・ビサカと交代);マクトミネイ、メイヌー(72分にアムラバトと交代);ラッシュフォード、フェルナンデス、ガルナチョ(72分にペリストリと交代);マルシャル(84分にハンニバルと交代)
出場機会のなかったサブ:バユンドゥル、レギロン、ヴァランヌ、ファン・デ・べーク、ヒュギル
イエローカード:なし
ゴール:ガルナチョ(3分)、ラッシュフォード(56分PK)、マルシャル(75分)