ユナイテッド

チェルシー 4-3 マンチェスター・ユナイテッド

木曜日 04 4月 2024 23:19

マンチェスター・ユナイテッドが再び劇的なカムバックを果たしたかと思われたが、チェルシーが後半追加タイムに挽回し、スタンフォード・ブリッジで4-3で敗れた。

2点を先行されたユナイテッドは、アカデミー出身のアレハンドロ・ガルナチョによる前後半の得点、ブルーノ・フェルナンデスの同点ゴールもあって3-2と逆転に成功した。

チームにとって絶対に必要だった勝利は、数分に及ぶVARチェックの末に元マンチェスター・シティーのFWコール・パーマーが試合2度目となるPKを決めて追いつかれ、なくなってしまった。またもや土壇場で引き分けに持ち込まれただけでなく、101分にはパーマーがハットトリックを達成し、チェルシーに逆転を許した。

パーマーは、コナー・ギャラガーの先制点に続いて試合1本目のPKを成功させ、チェルシーが2-0としていた。5日前、ウェスト・ロンドンの隣人であるブレントフォードとアディショナルタイムにゴールを奪い合い、トップ4入りを目指すユナイテッドにとってダメージが大きかった。そこにきてこの立ち上がりは不安でしかなかった。

ミッドウィークの試合でライバルのトッテナム・ホットスパーとアストン・ヴィラがそれぞれ勝ち点2と勝ち点3を落としたため、彼らとの差を縮めるビッグチャンスだった。エリック・テン・ハフ監督も合計16選手を投じ、活劇のような展開に発展。勝利までもう一息と思われたそのとき、後半追加タイムにねじ込まれ、再び苦しい立場に追いやられた。

前半

チェルシーはキックオフ直後からユナイテッド陣内に攻め込み、序盤からポゼッションを握る。右サイドバックのマロ・グストの低いクロスがラファエル・ヴァランヌのかかとをかすめ、ボールはユナイテッドのボックス内でギャラガーに渡った。

土曜日のバーンリー戦前にマスコットとのハイタッチを無視して批判を受けたチェルシーのキャプテンは、このチャンスを生かし、アンドレ・オナナが守るゴールをこじ開けた。

早々に失点したものの、ユナイテッドも即反応。ブルーノ・フェルナンデスが強烈なシュートを放ったが、マルク・ククレジャがブロックし、GKジョルジュ・ペトロヴィッチを苦しめるまでには至らなかった。その後、アントニーがトレードマークのカーブを描くシュートを放つが、これはペトロヴィッチがセーブする。

攻守が入れ替わり、ミハイロ・ムドリクのシュートがファーポストを外れたが、ホームチームがリードを2点に広げる。ククレジャがペナルティエリア内でアントニーのチャレンジを受けて倒れ、チェルシーがPKを獲得。これをパーマーが落ち着いて成功させ、今季オナナから2点目を記録した。

30分が経過する前には、さらに失点する危険もあった。センターバックのアクセル・ディサシがフリーでヘディングシュートを放つも、バーの上。ニコラス・ジャクソンが中盤でボールを奪い、カウンターアタックからムドリクもシュートを放ったが、ハリー・マグワイアに追われた位置から放たれたシュートは、サイドネットを揺らすにとどまった。

チャンスを生かせなかったチェルシーは、その代償を支払うことに。ユナイテッドが息をのむような5分間で2ゴールを決め、同点に追いついたからだ。2点のどちらにも絡んだのは、PKを献上してしまったアントニーだった。最初のゴールは、タッチライン際での彼の見事なタッチからで、結果的にモーゼス・カイセドに渡ってしまったとはいえ、プレーを切らなかった。そして、ガルナチョがカイセドからボールを奪い、冷静にフィニッシュ。

その5分後、エンツォ・フェルナンデスのシュートをオナナが阻むと、スコアボードは2-2に。アントニーが矢のようなボールをエリア内に送ると、左サイドのガルナチョが抜け出し、ディオゴ・ダロトがファーポストに絶妙のクロス。これをフェルナンデスがヘディングシュートで押し込んだ。ポルトガル出身デュオの連携は、今やユナイテッドにとって多くのコンビネーションのうちの一つ。ただし、ギャラガーが前半終了間際に放ったシュートが右ポストに当たった瞬間、ユナイテッドは安堵したに違いなかった。

後半

あたまからヴァランヌに代えてジョニー・エヴァンスを起用しなければならなかった状況は理想的なリスタートとは言い難かったが、熱狂的な試合で両チーム通じて5点目を決めるため、同じセンターバックのマグワイアがスリリングなプレーを見せた。エヴァンスが試合に入り落ち着きを見せると、マグワイアは左サイドを猛スピードで駆け上がり、シュートを放った。

そして相棒のエヴァンスも、投入直後に試合スピードについていける姿を披露。パーマーとの連携からフェルナンデスに危険な位置に侵入されるも、シュートを見事にブロックしたのだ。2-0のリードを崩された責任を負っていたチェルシーDF陣も勇敢さを見せ、ディサシがホイルンドに仕事をさせない。

昨シーズン対戦した際、試合終盤に同点ゴールを決めたカゼミーロがチェルシーのクロスバーを越えるヘディングシュートを放つと、攻撃に回ったチェルシーはパーマーがシュートを放つも、オナナが弾き返す。これらの攻防は後半開始から15分までにみられたもので、両チームは交互に攻め続け、まるでバスケットボールの試合を彷彿とさせるような展開が続いた。

混乱する展開を変えるにはエッジの効いたプレーが欠かせない。それを証明するかの如く、アントニーが今シーズン最高のアシストを見せた。右サイドで数人のブルーズをかわしたアントニーは、左足のアウトサイドで決定的なクロスを送る。これを前に出てきていたガルナチョが身をかがめてヘディングで合わせ、ペトロヴィッチをかわしてゴール。ついに逆転に成功する。

ガルナチョはデジボードに座る最近評判になったゴールセレブレーションを再現し、チームの逆転を喜んだ。0-2の劣勢から3-2の逆転に成功したチームは、アウェイで大きな勝利を収め、チャンピオンズリーグ出場権争いで優位に立つ上位との差を縮められると思われた。

しかし、後半追加タイムに入り、ダロトがカーニー・チュクエメカをエリア内で倒したとしてPKを与えたジャレッド・ジレット主審の判定をVARが支持すると、パーマーはこの夜2本目のスポットキックを決めた。3-3の同点のまま試合が終わると誰もが考えていた矢先だった。右サイドのコーナーキックからパスを受けたパーマーが放った一撃は、スコット・マクトミネイにディフレクトしてコースが変わり、オナナにセーブのチャンスを与えなかった。その結果、チェルシーが4-3で大逆転勝利を収めた。

試合詳細 

チェルシー:ペトロヴィッチ;グスト(75分にギルクリストと交代)、ディサシ(75分にチャロバーと交代)、バディアシル、ククレジャ;カイセド(71分にチュクエメカと交代)、ギャラガー(C 89分にマドゥエケと交代)、パーマー、フェルナンデス、ムドリク(71分にスターリングと交代);ジャクソン

出場機会のなかったサブ:ベッティネッリ、シウヴァ、カサデイ、タウリアイネン

イエローカード:グスト、フェルナンデス、カイセド

ゴール:ギャラガー(4分)、パーマー(19分 PK、90+10分 PK、90+11分)

ユナイテッド:オナナ;ダロト、ヴァランヌ(①46分にエヴァンスと交代;②66分にカンブワラと交代)、マグワイア、ワン・ビサカ;カゼミーロ(75分にマクトミネイと交代)、メイヌー;ガルナチョ(86分にマウントと交代)、フェルナンデス(c)、アントニー;ホイルンド(66分にラッシュフォードと交代)

出場機会のなかったサブ:ヒートン、アムラバト、エリクセン、アマド

イエローカード: なし

ゴール:ガルナチョ(34、67分)、フェルナンデス(39分)

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