マンチェスター・ユナイテッド 1-1 チェルシー
プレミアリーグのトップ4を狙うマンチェスター・ユナイテッドだったが、オールド・トラッフォードでのチェルシー戦は、1-1のドローに終わった。
この結果、オーレ・グンナー・スールシャール監督のユナイテッドは、リーグ6位にとどまったままで、4位チェルシーとの勝ち点差も4、5位アーセナルを勝ち点1差で追う状態となった。
今節を終えると残すはあと2試合となってしまうため、勝利が必須だった。ユナイテッドは、11分にこの日が誕生日だったフアン・マタの得点で先制したものの、勝負を決められなかった。
31歳になったマタの得点は、前半終了までにマルコス・アロンソに許した同点弾でかき消された。後半は、両チームともに決定機を生かすことができなかった。
4チームによる来季のチャンピオンズリーグ出場権をかけた争いは、まだ行方がわからない。
ユナイテッド、スパーズ、チェルシー、アーセナルの4チームは、いずれも集団から抜け出せていない。どのチームも、まるでロンドンマラソンでフィニッシュラインを切れずに困った愉快なランナーのように、つまづく試合が続いている。
だがユナイテッドは、来季の欧州最高峰の戦いに出場するため、気合いを入れて今節に臨んだ。
4分、ルーク・ショーのロングボールを受けたロメル・ルカクは、アントニオ・リュディガーをかわしてシュートまで行くも、GKのケパ・アリサバラガに阻まれてしまう。
ユナイテッドは、ウルヴズ戦以降、リーグ戦でオープンプレーからのゴール欠乏症に苦しんでいる。最後にゴールを決めたのはホームでのウェストハム戦だったが、その試合ではポール・ポグバのPKによる得点だった。
しかし、11分にようやくセットプレー以外の形からゴールネットを揺らすことに成功する。
先制点を生んだプレーの中心にいたのは、ルーク・ショーだった。
ポグバへのパスを通したショーは前に進み続けた。ポグバからのスルーを受けたルカクが浮き球を供給後、ショーが折り返す。これにマタが反応してシュートを決めて、ユナイテッドが先制。マタは、1月のエミレーツFAカップ(レディング戦)以来となるゴールをマークした。
この勢いのままセットプレーを続けて獲得したユナイテッドが、落ち着きを失ったチェルシーに襲いかかる。28分にはマタのコーナーキックからはリュディガーのミスを誘ったが、ルーズボールに詰める選手が見当たらず、アスピリクエタが慌ててクリアー。
直後アシュリー・ヤングが蹴ったコーナーキックにルカクが反応したが、ヘディングシュートは枠を外した。
ここ最近のパフォーマンスと比べて質と強度が高いプレーを見せたユナイテッドだったが、前半終了前にブルーズに追いつかれてしまう展開に。
リュディガーの強烈なミドルシュートを前にしては、ダビド・デ・ヘアも弾くのが精一杯。こぼれたボールをアロンソに蹴り込まれてしまい、43分に同点に追いつかれた。
オールド・トラッフォードのサポーターは、大声援でデ・ヘアを支える姿勢を見せる。
前半はユナイテッドがチェルシーを上回っていた。だが、前半終了前の失点から乱れてしまい、それまでのプレーを続けられなくなっていった。
同点ゴールにより、チェルシーの流れ、自信が戻らなかったのは幸運だったかもしれない。しかし、その後の展開は互いにミスが続く流れで、どちらも主導権を掴めなかった。
ユナイテッドは、そこから負傷者が続く。65分にマーカス・ラッシュフォードに代わってアレクシスがピッチに入ると、復帰を果たしたエリック・バイリーが残念ながら再び負傷するアクシデントに見舞われてしまう。
当初は深刻なケガのように見られたが、バイリーは用意された担架ではなく、自力でピッチを去った。だが、足を引きずり、その表情は痛みで歪んだ。
81分にはマタに代えてスコット・マクトミネイを投入。それでも試合の流れは改善されず、終盤戦に突入した。
だが、第4の審判が追加タイム7分と発表すると、オールド・トラッフォードのサポーターの歓声レベルも上がり、前に進む力を選手たちに与えた。
交代出場したマルコス・ロホが、コーナーキックからドンピシャのタイミングでヘディングシュートを合わせたものの、チェルシーのペドロにクリアーされてしまい、欲しかった決勝点が遠い。
逆に97分にはゴンサロ・イグアインにチャンスを作れられたが、デ・ヘアが身体を入れてブロック。このまま試合終了となり、勝ち点を分け合った。
試合情報
ユナイテッド:デ・ヘア、ヤング(c)、リンデロフ、バイリー(71分にロホと交代)、ショー、エレーラ、マティッチ、ポグバ、マタ(81分にマクトミネイと交代)、ルカク、ラッシュフォード(65分にアレクシスと交代)
出場機会のなかったサブ:ロメロ、ダルミアン、アンドレアス、マルシャル
得点:マタ(11分)
イエローカード:エレーラ、ロホ、ヤング
チェルシー:ケパ、アスピリクエタ、リュディガー(65分にクリステンセンと交代)、ルイス、アロンソ、カンテ、ジョルジーニョ、コヴァチッチ(76分にロフタス・チークと交代)、ウィリアン(84分にペドロと交代)、イグアイン、アザール
出場機会のなかったサブ:カバジェロ、バークリー、ジルー、ザッパコスタ
得点:アロンソ(43分)
イエローカード:ウィリアン、コヴァチッチ
観衆:7万4526人