ユナイテッド 1-0 ウェストハム(エクストラタイム)
マンチェスター・ユナイテッドは、オールド・トラッフォードで行われたエミレーツFAカップ5回戦において、エクストラタイムにスコット・マクトミネイが決めたゴールでウェストハムを下し、準々決勝進出を決めた。
ノーマルタイムの90分間には、それほど多くのチャンスもなく、テレビの前の視聴者や、スタジアム内の数人の観衆を沸かせる展開ではなかった。
しかし、氷点下の中で行われた試合の温度を一気に上げたのは、途中出場のマクトミネイだった。
73分、ネマニャ・マティッチと交代してピッチに登場したスコットランド代表MFは、97分に決勝点をマーク。サウザンプトン戦、エヴァートン戦に続き、これで3試合で3得点だ。1-0で勝利をおさめたレッズはベスト8進出が決定。準々決勝のドローは木曜夜に行われる。
前半ー拮抗した展開
穏やかな序盤戦となったが、ボールポゼッションを制していたのはユナイテッド。そして試合開始後まもなく2度のチャンスを得た。
11分、アントニー・マルシャルが至近距離から打ったシュートはアンジェロ・オグボンナにブロックされた。しかしこのアクションでハマーズのディフェンダーは負傷。デヴィッド・モイーズ監督は、さっそく1枚目の交代カードを切らざるを得なくなった。
16分にはメイソン・グリーンウッドもシュートを放ったが、これも防がれる。
27分には、アレックス・テレスが、彼のトレードマークとも言える危険なコーナーキックを上げ、これにビクトル・リンデロフがきっちりヘッドで合わせる。ボールはクレイグ・ドーソンに当たってGKウーカシュ・ファビアンスキの予測を裏切る方向へと飛び、レッズ陣営には祝福ムードが漂いかけたが、ファビアンスキのグローブはボールをとらえ、間一髪でポストの外へと弾き出した。
その直後にふたたびテレスがドニー・ファン・デ・ベークにチャンスをお膳立てしたが、彼のシュートは枠外に逸れた。
39分には、マルシャルとイサ・ディオプの頭が衝突したが、2人ともプレーを続行。ウェストハムは、レッズのゴールを守るディーン・ヘンダーソンを脅かすチャンスは得ないまま、前半戦を終えた。
後半ー突破口を見つけられず
ファビアンスキは後半戦もがっちりとゴールを守り、53分のマーカス・ラッシュフォードのシュートもクリア。
さらに後半戦に入ってハマーズの勢いが増し、68分には3対2の数的有利を得てゴール前まで攻め込んできたが、パブロ・フォルナルスはこのチャンスをものにできず。
その直後、アーロン・ワン・ビサカの不用意なクリアがあわやオウンゴールの危機を招いたが、これはヘンダーソンがクロスバーの上に弾き出した。膠着した展開の突破口を見つけるべく、オーレは73分、マティッチとファン・デ・ベークに替えてブルーノ・フェルナンデスとスコット・マクトミネイを送り出した。
さっそくブルーノは80分にゴールを狙ったが、これはデフレクトしてバーの上へ。なんとかノーマルタイムで決着をつけたいレッズは奮闘したが、マルシャルのヘディングシュートも枠を逸れた。
残り時間が4分となったタイミングで、延長を避けたいオーレは、切り札のエディンソン・カバーニを投入。モイーズも5人目のサブ、サイード・ベンラーマを送りこんだ。
しかし両軍の交代策は、延長戦突入を避けることはできなかった。
延長戦ースコットが決勝点
延長戦に入って、オーレは両サイドバックを交代。テレスとワン・ビサカに替えて、ルーク・ショーとブランドン・ウィリアムズを送り出した。
そして97分、ついに均衡が破られる。
スピーディーに攻め上がるレッズは、フレッジが絶妙なクロスで相手を慌てさせると、受けたラッシュフォードが走り込んできたマクトミネイめがけてパス。これをマクトミネイが見事ゴールに流し込んだ。
ウェストハムも、延長戦の後半戦、途中出場のサイード・ベンラーマがあわや同点打かという危険なヘッド弾を見舞ったが、ボールはヘンダーソンの真正面へ。もとよりベンラーマはオフサイドだった可能性が高い。
終盤、マルシャルが追加点に迫ったが、これはファビアンスキがセーブ。しかしレッズが逃げ切り、次ラウンド進出を決めた。
チーム情報
ユナイテッド:ヘンダーソン;ワン・ビサカ(90分にウィリアムズと交代)、リンデロフ、マグワイア、テレス(90分にショーと交代);マティッチ(73分にマクトミネイと交代)、フレッジ;グリーンウッド(86分にカバーニと交代)、ファン・デ・ベーク(73分にフェルナンデスと交代)、ラッシュフォード;マルシャル
出場機会のなかったサブ:グラント、トゥアンぜべ、アマド、ジェームズ
得点:マクトミネイ(97分)
イエローカード:マグワイア、ファン・デ・ベーク
ウェストハム:ファビアンスキ;クーファル、ドーソン、オグボンナ(16分にディオプ(45分にフレデリックスと交代)と交代)、クレスウェル、ライス、ノーブル、ソウチェク、フォルナルス(88分にベンラーマと交代)、ボーエン(45分にジョンソンと交代)、ヤルモレンコ(54分にオドゥベコ(112分にランシーニと交代)と交代)
出場機会のなかったサブ:トロット、バルブエナ、アウヴェス