ナニ「もしあのときレアルに勝っていたら‥‥」
元マンチェスター・ユナイテッドの背番号17、ナニは、彼がレアル・マドリー戦で退場処分になっていなければ、ユナイテッドは2013年のチャンピオンズリーグに優勝できていたと、当時のサー・アレックス・ファーガソン監督は確信していたと話した。
ポルトガル人ウィンガーは、レアルの右サイドバック、アルバロ・アルベロアへのチャレンジが危険行為だったとみなされ、レッドカードを突きつけられた。それはオールド・トラッフォードで行われたラウンド16の第2戦で、そのときユナイテッドは合計で2-1でリードしていた。
数的有利を得たレアルは一気に攻撃に転じると、ルカ・モドリッチとクリスティアーノ・ロナウドのゴールで逆転し、サー・アレックスの最後のシーズンだったユナイテッドをコンペティションから締め出した。
この処分については議論が巻き起こった。そしてもちろん、7年たった今でもナニの心にひっかかっている。
「あのシーズンは特別だった。僕らは絶好調で、リーグでもチャンピオンズリーグでも善戦を重ねていた」最新のUTD Podcastでそう語った現在33歳のナニ。
UTD Podcast:ナニ「レアル戦での退場はいまでも悔しい」
2012-13シーズンのCLレアル戦で退場処分になったナニは、いまでも「あの退場がなかったら」と思い出す
モウリーニョでさえ、試合のあと「ベストチームが敗れた」と最大級の賞賛を送り、自陣のチャンスは、ナニが退場した後になって訪れたと話した。
ナニはその試合のあと、サー・アレックスだけでなく、のちにユナイテッドの指揮官となるモウリーニョからも励ましの言葉をもらったと明かした。
「あれは退場処分になるようなものじゃなかった。モウリーニョもファーガソンも、僕のところへきて、僕の過ちではないと言ってくれた。
自分でもそう思っていたけれど、チームにも謝った。僕はちゃんとボールを見ていたし、飛び上がってジダン並のコントロールをした。
でも相手は、自分たちにとって有利になるようなきっかけを探していたんだ」。
そのときはまだ誰も知らなかったが、この敗戦が、サー・アレックスにとって、レッズでの最後の欧州カップ戦になった。このシーズンを最後に、我らが伝説の監督はユナイテッドでの26年間のキャリアに別れを告げた。
ナニは、彼の引退したことで、ユナイテッドを去る気持ちが固まった、と語った。そして翌シーズンにスポルティングに期限付き移籍したあと、2015年にフェネルバフチェに完全移籍した。
「彼が去ったとき、僕自身も動きたいという気持ちになった。すでに長いあいだプレーしていたし、新しい監督が来て、自分にとっても違うチームで別のチャレンジをするときが来た、と。
そのあと大きな怪我を負ってしまったけれど、回復してW杯に出ることができた。大会が終わってからは、もう心が決まっていたよ。ここを離れよう、ってね」。
14-15シーズンには少年時代からの心のクラブ、スポルティングに期限付きで戻ったが、彼のクラブでのキャリアは、ユナイテッドでのそれに勝るものはないとナニは語った。
「正直言って、マンチェスター・ユナイテッドを離れたあとは、ほかのどこへ行っても、同じようなものは得られなかった。クラブの組織だったり、質だったり、あらゆるものだ。みんなもそれはわかってると思う。誰かを攻撃したいわけじゃなく、現実的なことで、もうこれは周知のことだ。マンUTDはマンUTDなんだ。
スポルティングに戻ったときはうれしかった。ふるさとだからね。家族や友達も周りにいたし、新鮮な空気を味わって、新しいチャレンジに向かうためのエネルギーを充填することができた。
だからあの年、スポルティングに行ったのは僕にとってはとても良いことだった。チャンピオンズリーグにも出てゴールも決めたしね。心からフットボールをプレーすることを楽しめたよ」。
ユナイテッドの新旧プレーヤーが登場するポドキャストはこちらから。