ヴァランヌが明かすセンターバックの秘訣
一つの世代で最も偉大なセンターバックの一人になるための秘訣とは?
クラブで19のトロフィーを獲得し、ワールドカップのメダルも手中に収めたラファエル・ヴァランヌは、間違いなく今世紀、このポジションでプレーした最高の選手の一人だ。
31歳のラファエルは、この夏、3シーズン在籍したマンチェスター・ユナイテッドを去り、キャリアの次の章に踏み出す。
彼の退団が発表される前に、我々はラファと “The Art of Defending”と題した独占インタビューを行った。
元フランス代表の彼は、ポジショニングと常に警戒することの重要性を強調しながら、現代の守備の旅へと私たちを誘う。
「ディフェンダーとして感じなければならないのは、どこに危険があるか? どのスペースをカバーしなければならないのか?ということ」
「また、ストライカーの動きをどう予測するか、特にボックス内はゴールが近いので、『よし、挽回できる 』などと考えている暇はないんだ」
「ストライカーとの距離感を意識しなければならない。ゲームを読むこと、ボールを持っている選手を読むこと。その選手がパスを出せるかどうか、プレッシャーを受けているかどうか、そういったことをすべて把握しないといけない」
「適切な瞬間に適切なポジションにいることが重要で、あとはタイミングの問題だ」
「センターバックに慣れていない選手が初めてセンターバックでプレーするとき、僕は試合後に『どうだった?』と聞く」
「すると、いつも同じ答えが返ってくる。『精神的に疲れる!』とね」
「常に意識し、動き、試合を読んでいるからなんだ」
「周りより走っていないと思われるけれど、それは違う。ピッチにいる選手はみんな、より激しく、より多く走っている。その中でも危険を察知して、集中しないといけない」
2010年にレンヌでキャリアをスタートさせたヴァランヌは、センターバックが平均的な試合で最も多くタッチし、最も多くパスを出すようになり、自身のポジションが発展していくのを目の当たりにしてきた。
もはや相手を止め、タックルやクリアーするだけではなく、センターバックは後方からポゼッションの流れを作る責任がある。
ポジションに課される責任について聞かれたラファは「とても重要なこと」と答えた。
「プレッシャーがないときは、ボールを運ぶために少しドリブルをしなければならない。相手がプレスをかけないといけないようにね」
「そうすることでフリーの選手が生まれる。プレッシャーがかかっているときは、ワンタッチでボールを運ぶか、適切なスペースでボールをコントロールし、パスを出すかを理解しないといけない」
「もしくは素早くプレーするか、相手にプレスをかけさせないといけない」
ヴァランヌは、ウルヴズと対戦した今季開幕戦でゴールを決めた。
得点はディフェンダーにとって珍しいため常に特別な感覚だろうが、彼らは自陣で相手を止めることに何よりも意識を置く。
ユナイテッドのディフェンダーたちは、クリーンシートを達成するために最高のスライディングブロックやタックルを披露してきた。そうしたプレーは、土曜のエミレーツFAカップでラファやディフェンス陣に求められるものだ。
「シーズン当初に話したのは、ディフェンスを楽しみ、クリーンシートを達成しようとするエネルギーやモチベーションを生み出すことだった。それはディフェンダーとしてやりたいことでもある」
「シーズン初めにチームメイトと話し合ったことを覚えている。とても重要なことと話をした」
「僕たちにとってのベストパフォーマンスで、そうしたプレーが見られた。だから、コミュニケーションはとても重要なんだ」