マックトミネイ

飛躍するマックトミネイ

スコット・マックトミネイのマンチェスター・ユナイテッドでの成長ぶりを振り返ったとき、いつも思い出されるのは、あるひとつの試合だ。

その試合でリザーブチームのウォーレン・ジョイス監督は、このミッドフィールダーを1トップで起用した。3年ほど前の、ランカシャー・シニアカップでのブラックプール戦でのことだ。ピッチの状態は最悪で、試合内容もそれと同様に、下部リーグに典型的なフィジカル勝負だった。

それは、チャンピオンズリーグの準々決勝で、リオネル・メッシら芸術的な選手たちを擁するバルセロナとの対戦とは、対極にあったといえるような試合だった。

しかしそこでスコットは決勝点をあげた。

マックトミネイ
ブラックプール戦でリザーブチーム初ゴールをマークしたマックトミネイ

試合のあと彼はこう話してくれた。

「自分のプレーについてはそれほど満足していない。タフな試合だったし相手は大柄でパワーのある選手が多かった。だからこの試合は、自分の現在地を見極めるテストだったけれど、実際トップでプレーするのはきつかった。どうやって走ったら良いか、どのようにボールを呼び込めばいいのかもよくわかっていなかったから」

ジョイス監督はマックトミネイのこの反応に手応えを感じ、マックトミネイがユナイテッドで活躍できるチャンスがあるなら、自分自身のいつものポジションで勝負できると確信した。トレーニングで、素早いドリルの中でボールを動かす練習のときも、マックトミネイのボール使いの巧さは際立っていた。

あのブラックプール戦の直後に、スコットがバルセロナ戦でも活躍する選手になると言ってもにわかには信じ難かったかもしれないが、あの試合でチームのためにやるべきことをしようと奔走していた彼の姿は、彼のキャラクターを存分に物語っていた。そしてその後も彼と話すことで、それは彼のかけがえのな長所であると実感した。

仮にネマニャ・マチィッチがプレーできる状態だったとしても、マックトミネイをベンチに座らせるのは難しかっただろう。直近のプレミアリーグのウルヴズ戦も、試合全体の出来は良くなかったが、マックトミネイ個人のパフォーマンスは傑出していた。そこで彼が見せた勝利への意志こそ、バルセロナ戦で必要とされるものだった。

オールド・トラッフォードでのリヴァプール戦でも、怪我人が多発した中、先発で出場し、その状況に的確に対応できていた。そしてパリ・サンジェルマン戦でも、年齢以上の落ち着いたプレーで、2点ダウンのハンディを覆す逆転勝利に貢献した。とくに、終盤のアディショナルタイム、あの極限状態の緊張の中で、冷静さを保ってきっちりボールキープしたパフォーマンスは、彼の経験値をはるかに超えたものだった。

スター選手が集結したバルセロナ戦での中盤での攻防でも、冷静さを保ちつつ、ときにフィジカルなチャレンジも繰り出す。そしてボールを落ち着かせる。彼のパフォーマンスは、この試合での最大の収穫だったとも言える。中盤で組んだフレッジの働きも良かったが、マックトミネイのプレーは、この試合の重要さという状況を見ても、トップレベルだった。

マックトミネイ
パリ・サンジェルマン戦で3-1勝利に貢献したマックトミネイ

その選手の性格や気質は、大きなものがかかったビッグマッチでこそ試される。その意味で、マックトミネイはこの試合でまたひとつ、オーディションを通過したと言える。オーレ・グンナー・スールシャール監督を含むクラブの全員が、彼のプレーに満足したことだろう。指揮官も試合後、22歳のマックトミネイは、試合をこなすごとに成長していると話した。

「彼は毎日の練習に臨む姿勢が素晴らしい。それこそが成長できる方法だ。試合をこなすごとに彼は成長している。今日の試合でも、彼は真っ先にボールを奪い取り、チームを落ち着かせた」

アカデミー卒業生には、十分な称賛が与えられていないという現実もある。彼らの成長を望む一方で、人々の関心は、移籍マーケットに行きがちで、世界のビッグチームとやりあうには、生え抜きをじっくり育てるよりも、大物選手を獲得することだという方に意識がいきがちだ。

MOMはマクトミネイ article

スコット・マクトミネイがバルセロナ戦のユナイテッド・マン・オブ・ザ・マッチに選出された。

この先スコットがどう成長していくかは彼自身にかかっている。しかし私の意見では、現在の様子を見る限り、彼はオーレの先発メンバーに定着する有力な候補者だ。

港町のブラックプールから、同じく港町のバルセロナへ。

彼が次の試合でもポジションをキープできるかはまだわからないが、監督はすでにそれを匂わせていた。彼の眼前には、魅惑的な航海が待っていることだろう。

 

この記事の内容は、著者の見解を記したものであり、マンチェスター・ユナイテッドの意見を反映したものではありません。

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