プレミアリーグでかつて活躍したレジェンド選手であり、同じくモナコでプレーしたティエリ・アンリと比較されることも多いアントニー・マルシャルは、ヨーロッパで最も才能に溢れた若手の1人と言われている。
マルシャルがはじめて所属したCO Les Ulisは、アンリ、そしてオールド・トラッフォードでも愛されたパトリス・エヴラがキャリアをスタートさせたクラブでもある。14歳でリヨンに加わると、ユースのフランス代表で定位置を獲得し、周囲もその才能と将来性を高く評価。その素質は疑いようがなく、モナコが移籍金500万ユーロ(約6億7500万円)で獲得に乗り出し、仏フットボール界を震撼させた。
2015年夏にモナコからユナイテッドに移籍すると、途中出場ながらもリヴァプール戦でデビューを飾り、さらにゴールまで決めて初戦からファンからの親愛と尊敬を勝ち取った。このゴールは、後にクラブ内の年間ベストゴールに候補にあがり、マーカス・ラシュフォードらのゴールを上回る票数を得て、同賞に輝いた。
2015-16シーズンは49試合に出場し、クラブ最多となる17ゴールを記録。エヴァートンとのFAカップ準決勝では、試合終了間際に劇的な決勝点をマーク。ユナイテッドはその後も勝ち進んで決勝でクリスタル・パレスを延長戦の末2-1で下し、優勝を飾った。1年目にそのポテンシャルの高さを見せつけたマルシャルは、素晴らしいデビューシーズンを終えた。
2年目の2016-17シーズンは初年度ほどの勢いこそなかったが、42試合の出場で8ゴールをマーク。FAコミュニティシールド、EFLカップ、UEFAヨーロッパリーグ優勝に貢献している。
2017-18シーズンから11番を背負うようになると、爆発的なスピードと、ゴールを狙う直感力がチームにとって大きな武器となり、ラッシュフォードと交互に起用されることもあれば、同選手、ロメル・ルカクと一緒に攻撃を担い、1年前の得点数を上回る活躍だった。開幕から8試合で5ゴール、2018年1月からも好調を維持して11ゴールをマーク。トップギアに切り替え、2018-19シーズン開幕を迎えることを本人も望んでいるはずだ。