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アーセナル 1-3 ユナイテッド

エミレーツ・スタジアムでの一戦は、ポール・ポグバが一発レッドカードで退場処分を受け、ダビド・デ・ヘアがスーパーセーブを連続する展開となった末、マンチェスター・ユナイテッドが3年ぶりに同スタジアムで勝利をあげた。

アントニオ・バレンシアのゴールで口火を切ると、好調を維持しているジェシー・リンガードが追加点を決めて勝ち点3を獲得。今年の1月以降ホームで敗れていなかったアーセナルに土をつけたが、まばゆいばかりの光を放っているデ・ヘアのビッグセーブ抜きで勝利を収めることはできなかっただろう。唯一ネガティブな結果は、ポグバの退場処分だ。これにより、同選手は来週の日曜日に行なわれるマンチェスターダービーを含め、今後3試合の出場停止となる。

両チームともにミッドウィークの試合からメンバーを変更せずに臨んだ。ワトフォード戦で負傷交代したネマニャ・マティッチの状態が心配されたものの、マティッチは出場。アーセナルも股関節を痛めたアレクサンドル・ラカゼットが出場した。

ホーム12連勝中のアーセナルだったが、試合序盤から思わぬ展開に発展。ローラン・コシェルニーからセアド・コラシナツへのパスをバレンシアがインターセプトすると、ポグバとのワンツーからバレンシアがGKペトル・チェフの股を抜くシュートを決め、ユナイテッドが先制に成功する。

その7分後、再びポゼッションを失ったアーセナルに対し、ユナイテッドがカウンターアタックを仕掛ける。リンガードがシュコドラン・ムスタフィから奪ったボールをルカクにフリック。ルカクからアントニー・マルシャルを経由しボールを受けたリンガードが落ち着いてシュートを蹴り込み、リードを2点に拡大する。

ユナイテッドの攻撃はアンストッパブルのようにも見えたが、デ・ヘアのセーブに助けられる場面も多々見られた。ラカゼットのシュートがディフレクトしてバーに直撃すると、グラニト・ジャカにもシュートを打たれたが、これはワイドに外れた。

デ・ヘアは、メズート・エジルのボレーに対応後、エクトル・ベジェリンとコラシナツのシュートを続けて阻んだ。

前半最大のセーブは、あわやオウンゴールとなる場面を防いだシーンだろう。アレクシス・サンチェスのフリーキックがゴール前に流れ、ルカクの足に当たり枠内に飛んだボールをデ・ヘアが弾き返して難を逃れた。

前半を無失点で凌いだユナイテッドだったが、後半開始から4分後の場面ではどうすることもできなかった。サンチェスのクロスを受けたアーロン・ラムジーがゴール前でパスを選択。これを受けたラカゼットのシュートには流石のデ・ヘアも対応できず、ホームのガナーズが1点を返す。

失点直後、ユナイテッドはリンガードがゴール前でシュートもチェフに対応されたボールはポストに直撃し、マルシャルのシュートも決まらない。

勝負どころと判断したアーセナルの怒涛の猛攻に対応したのはデ・ヘア。55分にはラカゼットのシュートを片手で防ぐと、セカンドボールに詰めたサンチェスのシュートと足で弾き返した。

ユナイテッドも停滞することなく攻め続け、再びリードを2点に広げる。ルカクからのパスを受けたリンガードがポグバにボールを預けると、ポグバはペナルティエリア内の深い位置にまで侵入して相手を引き付けてから折り返し、これをリンガードが蹴り込んだ。

このままユナイテッドが勝ちきれるかに思われたが、74分の判定で流れはわからなくなってしまう。ベジェリンへのファウルでポグバにレッドカードが出され、1人少ない状況に。ポグバには3試合の出場停止処分が科されることが濃厚なため、マンチェスターダービーに出られない事態となってしまった。

その後もデ・ヘアのセーブでアーセナルの攻撃を防ぎ続けた他、終盤にはアーセナルがPKを主張する場面も見られたが、ユナイテッドがリードを守り抜いた。次節、いよいよダービーを迎える。

ラインナップ

 アーセナル:チェフ、コシェルニー(キャプテン)、ムスタフィ(15分にイウォビと交代)、モンレアル、ベジェリン、ラムジー、ジャカ(70分にウェルベックと交代)、コラシナツ(77分にジルーと交代)、エジル、サンチェス、ラカゼット

イエローカード:ベジェリン、コシェルニー、サンチェス

出場機会の無かったサブ:オスピナ、メルテザッカー、コクラン、ウィルシャー

ユナイテッド:デ・ヘア、バレンシア(キャプテン)、リンデロフ、スモーリング、ロホ、ヤング(90分にラッシュフォードと交代)、マティッチ、ポグバ、リンガード(76分にダルミアンと交代)、マルシャル(67分にエレーラと交代)、ルカク

イエローカード:ロホ、エレーラ

退場処分:ポグバ

出場機会の無かったサブ:ロメロ、ブリント、マクトミネイ、マタ

リンガードが2ゴール
ミッドウィークでの試合に続いてリンガードが得点を決めた。2ゴールともにチームが連動してのゴールで、特に1点目は素晴らしい連携からのゴールだった。試合を通じてアーセナルDFにかけ続けたプレッシャーは、勝利を掴んだ要因の一つだろう。1点目に繋がったポゼッションは、リンガードが自ら奪ったものだった。

Dave Saves
仮にセーブに失敗していたとしても、デ・ヘアが原因ではないことは明らかな場面も多かったが、素晴らしいセーブの連続で勝利に貢献した。失点シーンは対応ができないものだったが、アーセナルの攻撃陣は、どうして追加点が取れなかったか不思議に思っているはずだ。この日のベストセーブは、ルカクのオウンゴールを防いだ場面だろう。

マティッチの全力プレー
試合開始前、ジョゼ・モウリーニョ監督は、マティッチについて「彼はプレーを希望している」とコメント。監督はマティッチのコンディションが完璧ではないと感じていたのだが、パフォーマンスを見るまでは誰にもわからないことだ。決定的な場面でのブロック、特に前半ラカゼットのシュートを防いだシーンは見事の一言に尽きる。ポグバが退場後も、ユナイテッドの最終ラインに落ち着きを与えた。

マンチェスターダービー
プレミアリーグ次節は、今季最大の大一番。アーセナル戦の勝利により、ユナイテッドは首位シティーとの勝ち点差を暫定的に5に縮めた。日曜にウェストハムと対戦するブルーズが勝利すれば、その差は再び8に広がる。もしそうなれば、来週の日曜にオールド・トラッフォードで行なわれるダービーは、ユナイテッドにとって必勝の一戦になる。