雨模様の中、オールド・トラッフォードで行われた、ともにタイトルを競い合うトッテナム・ホットスパーズとのビッグマッチは、後半になって投入されたスーパー・サブ、アントニー・マルシャルの得点で1-0でマンチェスター・ユナイテッドが勝利を収めた。
後半も半分が経過した頃、マーカス・ラッシュフォードに代わって投入されたマルシャルは、ダビド・デ・ヘアからのロングキックを巧みに頭で落としたロメル・ルカクのボールから会心のシュートを決め、レッズに価値ある３ポイントをもたらした。
ジョゼ・モウリーニョはこの試合で３バックを採用。フィル・ジョーンズとクリス・スモーリング、エリック・バイリーがディフェンスラインを固め、週中のカラバオカップ、対スウォンジーシティ戦では温存されたアシュリー・ヤング、アントニオ・バレンシア、ヘンリク・ムヒタリアン、そしてルカクが揃って出場。一方スパーズ側はハリー・ケインが怪我のため欠場した。
スパーズを1-0で下し、オールド・トラッフォードは歓喜に満ちた
キックオフの前には、武器による争いで尊い命をなくした人々を偲び、1分間の黙祷が捧げられた。
アウェーゲームが４戦続いていたユナイテッドにとっては、久々のホームグラウンドでの試合。12:30のキックオフにもかかわらず、オールド・トラッフォードにはこの瞬間を待ちわびたファンたちの熱気が充満していた。レッズもそれに応えるかのように活気あふれるパフォーマンスでゲームをスタート。ヤングからのパスを受けてルカクが放ったクロスはウーゴ・ロリスを脅かし、続いてラッシュフォードもファーポストをかすめる惜しいクロスを浴びせた。ラッシュフォードはその後も、およそ32mの距離から強烈なフリーキックを見舞ったが、これはロリスがダイビングで弾いた。
週中のカラバオカップでウェストハムに敗れるまで、今季これまでの13試合で1敗のみと好調なスパースは、ポゼッションはキープしていたが、近距離からシュートを狙うことができない。
接触したヤングとデレ・アリが口論に及んだときには一触即発の空気も流れた。スパーズはその後ソン・フンミン、デレ・アリ、エリック・ダイアーの3人がゴールチャンスを得たが、ダビド・デ・ヘアがそつなく対応し、前半戦はスコアレスのまま終了した。
そして後半戦、モウリーニョから喝を入れられたのか、勢いを増したレッズは、まずはムヒタリアンが低めのシュートでゴールを狙い、ロリスがはじいたセカンドチャンスにラッシュフォードが迫るもすんでのところでベン・デイヴィスがクリア。ムヒタリアンはルカクに向けてグラウンダーのクロスを通したが、ロリスが足を伸ばして渾身のセーブ。
バレンシアも中距離から、エヴァートン戦でのシュートを思い起こさせる強烈ボレーを叩き込んだが、これはクロスバーを越えた。
後半はユナイテッドがポゼッションをキープ。70分にマルシャルが投入されると、新たにゴールチャンスが生まれる。フランス人FWがコントロールしたボールをマティッチがルカクに送ると、ルカクは躊躇なくゴールを狙ったが、またもロリスがファインセーブで阻止した。
逆サイドでもクリスティアン・エリクセンのチップからデル・アリがシュートを浴びせたが、デ・ヘアのゴールを破ることはできず。
その直後のプレーで、後半から投入されたジェシー・リンガードのクロスからルカクが打ったヘディングシュートはポストを直撃した。
しかしその後マルシャルが、翌日のヘッドラインを賑わすであろう会心のシュートでロリスの牙城を破った。
追加点を狙ったリンガードのシュートは枠を超え、試合は1-0で終了した。
チームラインナップ
ユナイテッド：デ・ヘア、バイリー、ジョーンズ、スモーリング、バレンシア(c)、エレーラ、マティッチ、ヤング（91分にダルミアンと交代）、ムヒタリアン（65分にリンガードと交代）、ラッシュフォード（70分にマルシャルと交代）、ルカク
出場機会のなかったサブ:ロメロ、ブリント、マクトミネイ、マタ
イエローカード：バレンシア
トッテナム：ロリス(c)、オーリエ、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、デイヴィス、ダイアー、ウィンクス、シソコ（62分にデンベレと交代）、エリクセン、デレ、ソン・フンミン（62分にジョレンテと交代）
出場機会のなかったサブ：フォルム、ローズ、サンチェス、トリッピアー、エンクドゥ
プレミアリーグで常勝路線に復活
前節は今季の昇格組ハダースフィールドに2-1で敗れたが、週中のカラバオカップでのスウォンジー戦白星に続く貴重な勝ち星を手にした。
マルシャルはまたしても途中出場から得点
今シーズン、アントニー・マルシャルは、ウェストハム戦、スウォンジー戦、エヴァートン戦と、途中出場から得点をあげる試合が続いているが、そのリストに新たにスパーズが追加された。マルシャルの決勝点は、タイトル獲得を狙うユナイテッドに貴重な勝利をもたらした。
ホーム無敗を継続
この試合での勝利で、ユナイテッドのホームでの連続無敗試合数は36に延長。2016年9月にマンチェスター・シティに2-1で敗れた一戦以降、無敗をキープしている。そして今季、ホームではいまだ無失点。欧州の５大リーグでは唯一ユナイテッドだけだ。
次のユナイテッドの試合は？
ユナイテッドの次戦はUEFAチャンピオンズリーグ戦。火曜夜、オールド・トラッフォードにベンフィカを迎える（現地時間19:45キックオフ）。ここまでの勝率100%を次の試合でも継続できれば、次ラウンド勝ち抜けはほぼ確定する。