ユナイテッド

ピッチ外でのデ・ヘア

火曜日 29 6月 2021 11:29

2020-21シーズンの初め、ダビド・デ・ヘアは30歳の誕生日を迎え、マンチェスターでの10シーズン目を迎えた。20歳の頃のダビドが関心を持っていたことを振り返り、彼が年々どのように変化してきたのか(あるいは変わっていないか!)について、幅広いインタビューを敢行した。

音楽

Inside Unitedとの独占インタビューで、ダビドはフットボール以外の大きな関心事のひとつである音楽について語った。ヘビーロックやメタルが好きな一方、少し年齢を重ねた今は多彩な趣味を持つようになったという。

「休暇にはよくスペインの地中海沿岸にあるアリカンテに行っていた。いつも外で友達と遊んでいたのだけれど、そこでスペインのロックを聴いている男性がいたんだ。それをきっかけに夢中になっていった。当時、14歳か15歳だったと思う。今と同じように、常に新しいバンドを探していたね。最初に好きになったのはSaratogaというバンドで、そこから始まった。

「アベンジド・セヴンフォールドにも夢中だったけれど、今はあらゆるタイプの音楽を聴いているよ。ロックだけじゃない。ロックが一番好きだけれど、何でも聴くよ。昔ながらのスペイン音楽から、スペインのラップやヒップホップまで。スペインのロックやスペインのポップスも大好き。とにかく何でも聴くよ。プレイリストにいろいろな種類の音楽を入れて、流れてくる音楽を聴いている感じかな。

「幸運にも、ロック好きのスタッフと一緒に何度かライブにも足を運べた。用具係、プレス関連のスタッフ、チームメートにもロックが好きがいる。何人かと一緒にライブに行った。スリップノットとアベンジド・セヴンフォールドを見ることができたんだ。子供の頃から聴いていたから、彼らに会ってバックステージで一緒に過ごせるなんて夢のようだった。そして、コンサート自体も素晴らしかった。

「懐かしいけど、今は気をつけないとね。自分自身のためだけでなく、コロナウイルスを伝染してしまうかもしれないから。でも、コンサートや劇場など、みんなが好きなものに行けないのはつらいよね」

IU:ドラムを叩いているというのは本当ですか?
「本当だよ。数年前にガールフレンドがドラムキットを買ってくれたので、少しずつドラムを叩いて、練習しているんだ。少しずつ上達しているよ。子供の頃に始めれば簡単だと思うけれどね。変なリズムを拾ってしまうこともあるけれど、楽しんでやっている。とても楽しいよ」

友人

ダビドにとって友人は大切な存在だ。ユナイテッドでの友人だけではなく、幼少期からの友人たちを今でも大切にしている。

「僕にとって、まず第一に、友人は人生で最も重要なものの一つ。家族のような存在。彼らを心から愛しているよ。21歳のときからの友人というだけでなく、5歳のときから知っている仲間。小学校の同級生で、長い間一緒に過ごしてきた」

「今でも大切な友人。これからもずっと友達だし、休日には一緒に出かける。本当に兄弟のような存在」

「マンチェスターでも、チームメートを中心に新しい友人ができた。一緒に過ごす時間が多いので、みんなと友達になれる。僕はみんなと仲良くなるのが簡単だと思うよ。特にフアン(マタ)とは何年も一緒にいるので仲が良い。お互いにスペイン人で、U-21スペイン代表としてプレーしていた頃に出会い、何年も一緒に過ごしてきたから、素晴らしい関係を築けているんだ」

「クラブには友人と呼べる人たちがいる。用具係、フィジオを含めて、家族のような関係性だし、プレス担当者も僕にとって良い友人。良い関係を築けている。僕は、このクラブで働く人たちが大好きなんだ。ここに来て彼らに会うと、いつも一日が明るくなる。彼らは、僕にとってもクラブにとっても、人生をかけてこのクラブのために働いてくれている大切な存在」

「毎日ここにいて、キャリントンで多くの時間を過ごし、一緒に多くの旅をしていると、先ほども言ったように、キットマン、フィジオ、マッサージ師、プレスチームは、このチームとクラブの重要な一員なのがわかる。言い忘れていたけれど、シェフたちも一緒だね。僕たちは新しいことを要求していつも困らせているけれど、彼らは本当に良い人たち。一流の人間。僕たちは、小さな家族のようなもの」

(IU: あなたが今の地位を確立するまでに助けてくれた身近な人は誰ですか?)

「たくさんいるよ。たくさんの人が助けてくれたけれど、やっぱり両親だね。誰よりも大切な存在。父はゴールキーパーだったので、幼い頃から家でよくトレーニングをしてくれた。父はいつも僕のことを気にかけてくれていたし、友人や家族、GKコーチにも大いに助けられた。人生では、自分を高く評価してくれて、自分を愛してくれて、力になってくれる人たちに出会える」

性格

ダビドに、ユナイテッドに来たばかりの頃の自分と今の自分の性格に大きな違いがあると思うか、また、その間に人生について学んだことは何かを尋ねてみた。

「今も変わらないと思うけれど、昔より成熟したかな。クラブに来たばかりのころは子供だったので、ご想像のとおり、いろいろなことに自信がなかった。大規模なクラブに来て、言葉も文化も何もかもが違っていたからね。人として大きく成長したのは確かだし、選手としても大きく成長たと思う」

「失敗から学び、成長していくのだと思う。人生には困難な状況がつきものだけれど、もちろんそこから学べる。特に悪い時期から学べることが多い。それが人生だと思う。より多くのことを経験して、すべてにおいて経験豊富になったかな」

「たくさんのことを学んだ。特にこの世界では、困難な時期があり得ることを学んだ。それでも自分を信じて、自分のできることに自信を持って、毎回のトレーニングや試合で100%の力を発揮することが大切。毎日練習しないといけない」

「信じられないようなことばかりだよ。正直、マンチェスターでの生活に馴染んでいるよ」

ライフスタイル

スペインからイギリスに移住する際の大きな課題の一つは、ライフスタイルの変化に適応すること。2011年、ダビドはどのようにアジャストしたのだろう?

「スペインでは、もっと外に出て、友達や家族と一緒に街に出て過ごすことが多い。飲みに行ったり、タパスを食べに行ったり。外でやることが多い。そんなことができるのも、天候のおかげ。ここマンチェスターでは、正直なところ、家で過ごす時間が楽しいんだ。家で過ごす時間がとても多い。プレイステーションをやったり、映画を見たり、本を読んだりしている。リラックスできるからね。特に今は、家で過ごす時間が以前の倍になっている」

「ゲームが好きなんだ。幼い頃からビデオゲームが大好きで、趣味だし、力を入れているもの。テレビの前に座ってプレーしていると、何時間もあっという間に過ぎてしまう。何も考えず、ただプレーしていると、世界やその他のことから少し切り離されて、ただ楽しめる。友人と一緒にプレーしているので、楽しいよ」

「でも、たまには外食もする。今ではなく、それが可能だった頃の話だけれど、夕食や昼食を食べに行ったり、ちょっとした散歩をしたりしていた。僕は、家で過ごすのが好きな人間何だ」

「食事の時間はスペイン時代と同じ。スペインの時間に夕食をとり、メリエンダ(おやつ)を食べるけれど、こっちの人はあまりやらないね。スペイン時代と同じものを食べているよ」

食事

文化の違いといえば、古典的なもののひとつに「食」の違いがある。ダビドに食事について聞いてみた...。

「正直に言うと、スペインの食べ物と比べると、ここでの食事は大分違った。でも、天気に慣れるのと同じように、すぐに慣れるもの。初めてイギリスに来たとき、メニューの中から何を選んでいたかな? 覚えていない。たぶん、いろいろなものを少しずつ注文していたと思う。イギリスにも良いレストランや美味しい料理はあるけれど、自分にとってはスペイン料理に勝るものはない」

「僕は、同じものを注文することが多い。自分の好みがわかっているので、新しいものを試すのが好きじゃない。それが僕の欠点でもある」

「変なものが出てきたり、あれやこれやと混ぜられたりするのも好きじゃない。時々、ガールフレンドが『さあ、これを食べてみて!』と言うんだけれど、僕は『無理だよ!』と言ってしまう。新しいものを試すのが好きじゃないんだ。彼女は色々と試すのが好きで、それを知っているから付き合うけれど、僕はいつも一番シンプルな料理を注文する」

「でもマンチェスターには素晴らしいレストランがいくつもある。何が名産かはわからないけれど、美味しい料理を出すレストランがいくつもある」

「イギリスに来たばかりの頃と同じように、今も料理が下手。ただ、料理をしないだけだよ。いつも失敗するから好きじゃないんだ。努力もしてこなかったし、下手くそなんだよ。料理は得意じゃない」

「チームメートにまともな料理人はいないと思うけれど、フアンなら何か作ってくれるんじゃないかな。僕が知っている限りでは、まともな料理をする人はいないね。ビクトル(リンデロフ)は上手かもしれない」

「僕はほとんど体型が変わらないんだよ。でも、選手は自分の体を気遣い、できるだけ健康的な食事を心がけている。でも、たまにはハンバーガーや好きなお菓子、健康に良くないものだって食べる。他の人と同じようにね。僕たちも普通の人間だから、ピザを食べたりする。でも、できるだけ気を使うようにしている」

その他の趣味

ここまで音楽の話、ゲームや家でのんびりすることについて触れてきたが、ダビドは他にどんな趣味を持っているのだろう。

「昔からスポーツ全般が好きだった。子供の頃はテニスをよくやっていて、とても楽しかったよ。よくレッスンを受けていた。学校ではバスケットボールをよくやっていた。友達と一緒にスポーツをするのが好きだったので、ほとんどがスポーツ漬けだったね」

「今はケガをしたら大変なことになるから、体調管理には十分気をつけないといけない。たまには、夏にテニスやパデルをするけれど、無理はしない」

「卓球もパデルもテニスも結構上手いよ。パデルは今、スペインでとても人気があるんだ。ダブルスでプレーしたり、とてもダイナミックなゲームで、簡単だし、とても楽しいよ」

(IU: フットボールやドラム以外で、あなたが得意とする、誰も知らない秘密の才能を教えてください)

「なんだろうね。僕はゴールキーパーになるために生まれてきた。それが一番得意なことで、それ以上に他にできることはないんだ」

デ・ヘアの1年目 動画

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マンチェスター

20歳のときに初めてマンチェスターを目にしたダビドは、どのようにしてこの街を知り、愛するようになったのか、そして街でのお気に入りの「逃避行」とは...。

「アメリカでのツアーに参加(2011年夏にアメリカでチームメートと合流)して、その後でマンチェスターに来たのだけれど、言葉や天候も違って、若さや恥ずかしさもあって、大変なこともあった。トップレベルの選手がいる環境でも、言葉も違えばリーグも違う。難しいことだったけれど、少しずつ色々なことに慣れていった」

「僕は常に自分を信じているし、今でも変わらない。友達が来ているときに出かけたり、彼女や家族と一緒に出かけたり、散歩したり、人に勧められた場所に行ったりして、だんだんと街を見て回るようになった」

「よく行っていた場所は、"Escape Room "です。コーヒーが大好きなので、素敵なカフェバーに行ったり、散歩に出かけたりする。この国の人たちはとても礼儀正しく、生活するにはとても良い場所。静かに暮らせる。だから、コーヒーを飲みに行ったり、Escape Roomに行ったり、もちろんどこかに食事に行ったりもする」

「大分時間が経ったね。人生の多くの時間をここで過ごしてきた。もちろん、マンチェスターのアクセントに関しては、アメリカの人より、マンチェスターの人の言葉の方がわかる」

「難しいアクセントもあるけれど、耳が慣れてくるから。他の地域のアクセントを持つ人の方が、僕にとっては難しいかもしれない」

マッチデールーティン

ダビドは、試合日のルーティンは変わらないものの、30歳を過ぎて経験豊富になった彼にとって、ドレッシングルームは若手の頃とは少し違うと感じているようだ。

「試合前の準備は変わっていない。いつもとてもリラックスしている。試合前には誰もが自分のやり方やゲン担ぎを持っていると思うけれど、僕の場合はただリラックスするだけ。ちょっとしたことはあるけれど、それはみんな同じ」

「ドレッシングルームも変わったと思う。僕が来たときには、経験豊富な年配の選手がたくさんいた。リーグタイトルやその他のタイトル、チャンピオンズリーグなどをたくさん獲得した選手で、本当に経験豊富な選手で、今の選手よりも年上だった。今のドレッシングルームはもっと若い。経験も少ない」

「明らかに変化しているね。当時は、もう少し緊張感があった。ベテランも多かったけれど、今はもう少し若々しい。若い選手と年配の選手が混在している感じ。どう説明したらいいのかわからないけれど、より明るく、ドレッシングルームでの距離が縮まったのかもしれない。素晴らしい雰囲気だよ」

マンチェスター・ユナイテッドをホームのように感じているダビド・デ・ヘア

キャリアのハイライト

ダビドにとって、ユナイテッドでの長いキャリアの中で、ピッチ上で最も誇りに思う瞬間を聞いた。彼はまた、ファンとの絆や、クラブのキャプテンを務めたことも誇らしい瞬間に挙げている。

「プレミアリーグのトロフィーを掲げたことが一番だね。良い時期はたくさんあったけれど、その中でも最も特別なものだと思う」

「初日からファンが僕を支えてくれた。オールド・トラッフォードでも、アウェーでも、ファンがいないと寂しい。今はファンがいない状態でプレーしなければならないけれど、世界でも有数のファンがいることは間違いない」

「マンチェスター・ユナイテッドのような巨大なクラブにやってきたけれど、目標は、試合に出場してクラブに自分の足跡を残すこと、そしてもちろんタイトルを獲得すること、大きな賞を獲得すること、それはこのクラブの誰もが望んでいることであり、このクラブにふさわしいことでもある。何よりも、このクラブのためにたくさんの試合に出場すること。それが最も楽しいこと。トロフィーの獲得も大事」

「何年もこのクラブにいて、多くの試合に出場し、多くの経験を積んできた。今、若い選手たちを見ていると、昔とは違い。当時は逆だった」

「キャプテンであろうとなかろうと、トレーニングでは100%の力を発揮し、若い選手の手本となり、監督が決断を下すときのために常に準備をしておくことが重要であり、できる限りチームを助けたいと思っている」

代表

スペイン代表でのプレーについて、ダビドはこう語った。

「もうひとつの責任だね。インターナショナルブレークに入ると、自分の国のためにトップレベルでプレーする責任がある。代表のために戦っているわけだから、もちろんプレッシャーもある。ビッグクラブのためにここでプレーするにしても、代表チームのためにプレーするにしても、プレッシャーは常にある。でも、当然のことながら、それを楽しむこともできる。自分の国のためにプレーできることに誇りを感じるし、スペインのためにプレーすることは素晴らしいこと。幸運にも、長年にわたって代表チームに入り続けることができている」

助言

今のダビドが、もしマンチェスター・ユナイテッドで新しいキャリアをスタートさせるために飛行機に乗っていた20歳ダビドに言葉をかけるとしたら、何と言うのだろうか?

「良い時もあれば、辛い時もある。そう伝えるかな。精神的に強くなることが重要で、当時の僕が自分を信じていたように、楽しんで自分を信じることが大切。これから起こることに備えるためにね」

IU:若い頃に戻って、もう一度やり直したいと思うことはありますか?

「いや、何年も経っているからね。良い時も悪い時もあったけれど、今は上手くいっているし、とても幸せ。自分が持っているもの、達成したものすべてに満足しているし、これから先、何年も続くであろう未来を楽しみにしている。このようなクラブで、このレベルで長年にわたって活躍することは簡単なことじゃない。だからこそ、僕はそのことを誇りに思っている」

将来の展望

30歳になった今、ゴールキーパーとしてはまだ若く、選手としての経験も豊富なダビドに、今の目標を聞いてみた。

「目標は、クラブに加わったときと同じ。先ほども言ったように、このクラブのためにできるだけ多くの試合に出場すること、このバッジを胸につけるのはいつだって素晴らしいことだからね。もちろん、素晴らしい目標があるので、それを達成するためには、プレミアリーグやチャンピオンズリーグを制覇して、常勝チームに戻さないといけない。そして、将来、人々が振り返ったときに、長年クラブに在籍していたスペイン人GKのことを思い出してもらえるように、多くの試合に出場したい」

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