リンガード

バルセロナ戦を前にチームの力を信じる

水曜日 10 4月 2019 05:00

2008年、マンチェスター・ユナイテッドがモスクワで開催されるチャンピオンズリーグ決勝進出をかけてバルセロナと対戦した際、オールド・トラッフォードではファンによるモザイクメッセージが描かれた。

それは、『Believe』というシンプルなメッセージだった。当時、バルセロナに勝つのはそこまで難しいことではなかった。確かに彼らは強豪だった。リオネル・メッシが引っ張っていたチームだったが、ユナイテッドはプレミアリーグ優勝に近づいていた時期だった。その前のシーズンのチャンピオンズリーグ準決勝でACミランに敗れた1週間前には、エヴァートンを下してリーグ優勝を決められていたようなチームだった。

あれから11年が経ち、両チームを取り巻く状況は一変した。チャンピオンズリーグのベスト8は、ジェシー・リンガードを含む現在のユナイテッドの大半の選手にとって、初めての経験だ。

オールド・トラッフォードでのPSG戦

26歳のリンガードは、イングランド代表としてワールドカップの準決勝は経験済みだ。しかし、ユナイテッドが欧州最高峰の大会のこのラウンドまで勝ち残っているのは、デイヴィッド・モイーズ時代の2014年以来。

バイエルン・ミュンヘンと対戦した同年の試合には、ダビド・デ・ヘア、フィル・ジョーンズ、クリス・スモーリング、アントニオ・バレンシアガ出場。アシュリー・ヤングも交代出場し、オールド・トラッフォードでの第1戦を1-1のドローで終えた。つまり、守備陣にはこのラウンドを経験した選手がいる。

だが、攻撃陣に関しては異なる。2017年にヨーロッパリーグを制した経験は役に立つだろう。ただ、あらゆるレベルでゴールを決めているロメル・ルカクにとってすら、このステージは初めての体験だ。

経験の差が問題になるかは、試合が始まらなければわからない。プレッシャーを感じず、歴史を作り出す若い力について言われることがあるのも事実。リンガードは若手ではないが、今回の舞台が新たな経験になることを理解している。

「経験はないね」と、リンガードは公式マッチデープログラムUnited Reviewとのインタビューで語った。「より重圧も感じるし、新たな経験でもある。でも、対応する準備は整っているし、こういうビッグゲームを楽しむ準備もできている」

「これまでも、信じる力が欠けていた試合があったと思う。勝てるという自信もね。自分たちは、優れたチームにも勝ってきた。だから、100%の自信を持って毎試合に臨むべき。自分たちの力を信じないといけない。この大会で、さらに勝ち上がれるという強い気持ちを持たないといけない」

バルセロナに100%勝てると信じる力が重要と語るリンガード

「なんだって可能だよ。信じないといけない。自分たちの力を信じて、試合に勝つ気持ちが、今のチームにはある」

「僕はビッグゲームを楽しめているよ。僕たちはマンチェスター・ユナイテッドなんだ。今回のようなビッグゲームに臨むし、戦術的に相手を見て、弱点を探る。そこをつく。さっきも言ったように、僕たちはビッグゲームを楽しむ。笑顔でプレーするんだ」

今季は、ユヴェントスにも、パリ・サンジェルマンにも勝った。以前よりも選手として相当にレベルアップしたメッシを擁するリーガエスパニョーラ首位を走るバルセロナを下すことは、決して不可能ではない。

パルク・デ・プランスでの試合を振り返ってみると、勇敢だったチームに軍配が上がった。交代出場したディオゴ・ダロト、タヒス・チョン、メイソン・グリーンウッドは全員10代の選手だ。メイソンが、2014年のバイエルン戦の時には10歳未満だったのは、特筆的なことだ。

つまり、ノックアウトステージでは何が起こっても不思議ではない。今季もすでに、サプライズと言える結果が出ているではないか。

バルセロナは手強い相手だ。チャンピオンズリーグ準々��勝を戦うには、機が熟した。この舞台は、選手たちの成長にも繋がる。クラブに携わる全ての人間にとって、さらに上のラウンドに勝ち上がれる可能性を信じない理由など存在しない。

United Reviewに掲載されたリンガードのインタビュー全文は、こちらから。

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