エヴァンス「ユナイテッドで決して変わることのないもの」

北アイルランド出身のエヴァンスは、2007年にアカデミーを卒業してシニアデビューを果たし、8シーズンをユナイテッドで過ごしたのちに2015年にウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに移籍した。

そして昨夏クラブに復帰すると、センターバックの補強要員となるだけでなく、生え抜きの若手選手も多いロッカールームで経験値を提供している。その好例が、先日のアストン・ヴィラ戦（3-2）だ。この試合では、2ゴールをあげたヒーロー、アレハンドロ・ガルナチョやプレミアリーグにデビューしたダン・ゴアを含む、8人のアカデミー出身選手全員が逆転劇に貢献した。

真のプロフェッショナルであるジョニーは、先輩としての自分の役割を受け入れている。ザラ・コノリーとのロングインタビューで、1月3日に誕生日を迎えたジョニーは、ユナイテッド、そしてプロフットボール界において、何世代にもわたって若い選手たちの夢を実現する手助けをしてきたサー・アレックスと最近かわした会話について明かした。

ヴィラ戦のような試合は、プライドを呼び起こさせるものだったかという質問に対し、エヴァンスは答えた。「その通りだ。それはこのクラブの歴史でもある」。

「サー・アレックスと1、2カ月前に電話で話したんだが、そのときの短い会話の中で話題になったのが、クラブの歴史やアカデミーの選手について、若い選手にチャンスを与えることがいかにこのクラブの大きな信念であるか、ということだった。それはこれからも永遠に変わらないと思う。それがこのクラブの在り方だからね」。

エヴァンスがプロ選手になって以来、チームの顔ぶれこそ変わっているが、地元で育った才能を育てようというクラブの姿勢は根強く、指導者たちの影響力は受け継がれている。その中でジョニーも、かつてユナイテッドのレジェンドたちが自分にしてくれたことを、後輩たちにお返ししようとしているという。

「ここはいいところだよ。若い選手たちは僕を尊敬してくれていると思う。自分の意見を押し付けるようなことはしないけれど、誰かが僕にアドバイスを求めれば、いつでも喜んで与える。アカデミーの若い選手たちが成長して、トップチームの練習に参加するのを見るのがたまらなく好きなんだ」。

「アカデミー出身選手であることは本当に役立っている。若い頃、自分がトップチームに入ってきた時のことを参考にすることができるからね」。

「チームには、ポール・スコールズ、ガリー・ネヴィル、ライアン・ギグスらがいて、それからアカデミー出身の選手がいた。その当時、彼らが僕らに抱いていた感情や関係性といったものをあらためて実感している」。

「当時彼らは、ファーストチームに上がってきた若い選手たちに素晴らしい対応をしてくれた。彼らだけじゃなく、他の経験豊富なトップチームの選手たちもだ。彼らはいつも歓迎してくれて、僕らが最高のパフォーマンスを発揮できるように配慮してくれたんだ」。

前述のゴア、コビー・メイヌー、ウィリー・カンブワラの3人は、トレーニングやふだんの行動などでも好印象を与えて、今シーズン、エリック・テン・ハフのトップチームに入ってきたアカデミー選手たちだ。

エヴァンスは彼らについて称賛を惜しまない。「何よりもまず、彼らの態度が素晴らしい。感銘を受けたよ」。

「若いうちからそうした良い姿勢をもっていれば、常に成長することができるし、キャリアの中で一定の段階に達することができる。彼ら3人はそれを身につけている」。

「トレーニングに参加するたびに、彼らは素晴らしいキャラクターと応用力を見せてくれる。それが彼らにチャンスが与えられた理由だと思う。監督はそれを見て、彼らを信頼できると判断したんだ」。