マティッチ

ウルヴズ 2-1 マンチェスター・ユナイテッド

土曜日 16 3月 2019 22:04

オーレ・グンナー・スールシャール体制でFAカップ優勝というマンチェスター・ユナイテッドの悲願は、モリニュー・スタジアムでウルヴズに敗れて連敗を喫し、砕け散った。

ウェンブリーでの準決勝進出に向かって全力を尽くしたものの、ユナイテッドは後半にウルヴズのラウール・ヒメネスとディオゴ・ジョタにゴールを決められ、惜しくも敗れた。試合終了直前には、マーカス・ラッシュフォードが1点を返したものの、国内のトロフィーを勝ち取るには不十分だった。

モリニューでは、試合開始前にショーが行なわれ、会場のボルテージもアップ。遠征した約4500人のユナイテッドサポーターも、『Ole’s at the Wheel』チャントで声をあげた。

ピッチの雰囲気にマッチする感動的な試合前の演出だったが、プレミアリーグ前節でアーセナルに敗れたユナイテッドの動きは良いとは言い切れなかった。それは、勝てばウェンブリーへの切符をゲットできるウルヴズも一緒だった。

前半の序盤はボールを保持したユナイテッドだったが、ゴールドのユニフォームを纏ったディフェンスラインを崩しきるキラーマジックは見られなかった。両チームのサポーターもなかなか試合に入り込めず、ユナイテッドファンもポール・ポグバとラッシュフォードのプレーにヤキモキさせられた。

ユナイテッドにとって残念な結果に

徐々に前を向き始めたウルヴズは、28分にジョアン・モウチーニョがチャンスに顔を出し、続けてジョタにも決定機が訪れるも、セルヒオ・ロメロが落ち着いて対応。

ディオゴ・ダロトは、ウルヴズのジョニー・オットがペナルティエリア内でハンドを犯したとアピール。VAR判定の結果、主審のマーティン・アトキンソンはユナイテッドにコーナーキックを与える判定を下し、ダロトをはじめユナイテッドの選手は困惑させられた。

ウルヴズの戦術は、カウンターアタック。42分にジョタがロメロと1対1の状況を作り出すも、FAカップでゴール前を守るGKが見事なセーブを決めて、ピンチを脱した。

ユナイテッドにしては穏やかな前半を終え、後半にはウルヴズがイニシアチブを取る展開に。

ホームチームは、モウチーニョのコーナーキックからヒメネスがヘディングシュートも、ロメロがワールドクラスのセーブで阻止。

イングランドのフットボールで最高の第2 GKであることを証明したロメロは、その数分後にも守備でチームを救う。モウチーニョが遠目から強烈なシュートを放ったものの、ロメロのセーブで失点を回避。だが、モリニューの観客は、均衡が破られる瞬間が近づいていることを感じていたに違いない。

リズムを掴めないユナイテッドに対し、ウルヴズは自信を持って攻め始め、強烈なプレッシャーをかけ始め、ヒメネスが違いを生む。失点を防ぐには十分なだけの選手が自陣内に戻っていたユナイテッドは、ヒメネスのシュートをブロック。しかし、セカンドボールを持ったヒメネスが身体を反転させながらシュートを70分に決め、ウルヴズが先制する。

攻撃陣を引っ張ったマーカス・ラッシュフォード

この展開になってもユナイテッドから気迫のこもった反撃は見られなかった。そして6分後、ウルヴズにリードを2-0に広げられてしまう。

攻めに出たユナイテッドだったが、ウルヴズにボールを奪われ、ジョタとルーク・ショーがマッチアップ。ポルトガル出身のジョタが巧みなフットワークでショーをかわし、ロメロを相手に冷静にシュートを突き刺した。

81分には、ユナイテッドを取り巻く状況が悪化しかけた。ゴールスコアラーのジョタが右サイドを駆け上がった瞬間、3点目を阻止しようとビクトル・リンデロフが勢いよくスライディングタックル。このプレーが危険なものと判断され、主審のアトキンソンがレッドカードを提示した。

しかし、VARにより故意ではなかったと判定され、イエローカードに改められる。この判定には、モリニューのサポーターが怒りを露わにした。

ピッチにフィールドプレーヤー10人を置いたままプレー再開となったユナイテッドは、アンドレアス・ペレイラに加えて、フアン・マタとスコット・マクトミネイを投入。

後半の追加タイムには、ショーのクロスをラッシュフォードが蹴り込んで1点を返したものの、反撃に転じたタイミングが遅過ぎた。

終盤に1点を返したマーカス・ラッシュフォード

ユナイテッド:ロメロ、ダロト、リンデロフ、スモーリング、ショー、エレーラ(70分にアンドレアスと交代)、マティッチ(86分にマタと交代)、ポグバ(c)、リンガード(86分にマクトミネイと交代)、ラッシュフォード、マルシャル

出場機会のなかったサブ:デ・ヘア、ジョーンズ、ロホ、、フレッジ

イエローカード:マティッチ、ラッシュフォード、エレーラ、リンデロフ

ウルヴズ:ルーディ、ドハーティ、ネヴェス、ヒメネス(90分にコスタと交代)、ボルト、コーディ(c)、ジョタ(87分にトラオレと交代)、オット、モウチーニョ、サイス、デンドンケル

出場機会のなかったサブ:ノリス、ベネット、カヴァレイロ、ギブス・ホワイト、ヴィナグレ

得点:ヒメネス(70分)、ジョタ(76分)

イエローカード:ボリー、ネヴェス、コーディ

観衆:3万1004人