マクトミネイ

オピニオン:マクトミネイはフレッチャーになれる

火曜日 07 5月 2019 15:51

日曜に行われたハダースフィールド・タウン戦で、ユナイテッドの唯一のゴールを決めたのは、スコット・マクトミネイだった。しかし得点力のみならず、オールラウンダーとしての素質が、彼をオーレ・グンナー・スールシャール監督にとってのキープレイヤーたらしめている。

現在22歳のマクトミネイは、サー・アレックス・ファーガソン監督にとってのダレン・フレッチャーのような存在になれる可能性がある。

どのチームも、ダレンのような”頼れる男”の存在が必要だ。労をいとわずチームのために働く、頼もしいキャラクター。マクトミネイは2年前にファーストチームにデビューしたばかりだが、すでに同胞でスコットランド代表だったダレンの系譜をたどっている兆候を見せている。

日曜のハダースフィールド戦の1-1という結果は、チャンピオンズリーグ出場権を目指していたユナイテッドにとっては、その望みが消える残念な結果だったが、それでもマクトミネイに関しては、確実に手応えのあるパフォーマンスを披露していた。

この試合で、マクトミネイはユナイテッドの先制点をあげた。すでに残留が決まっているテリアーズは、トップリーグで最後の試合とあって、相当気合が入っていたが、その中でマクトミネイはユナイテッドの駆動力となっていた。

その戦いぶりを見ると、彼にとっての来季の挑戦の場がヨーロッパリーグでは少しもったいないような気がしてくる。

ハダースフィールド戦で先制点を決めたマクトミネイ

チームの士気が下がり気味のときに、傑出したパフォーマンスでインパクトを与えるのは非常にタフなことだ。しかしアカデミー卒業生の背番号39は、見事その役割を果たして見せた。

4月の月間MVPに選ばれたのは、ささやかな報いだといえるだろう。

スールシャール監督も、たびたび公にマクトミネイを賞賛している。2-1で敗れたウルヴァーハンプトン戦でマクトミネイがシニアチーム初ゴールを決めたあとも、「彼がプレーするとき、我々を失望することは絶対にない」と語った。

「そしてこのウルヴズ戦もそうしたスコッティーの素晴らしいパフォーマンスのひとつだ。彼が今後ユナイテッドで数多くの試合でプレーすることは想像に難くない。それだけのメンタリティを彼は備えている」

「彼は運動能力に優れ、いくつか違うポジションでプレーできる。中盤の高めの位置がベストポジションだという気はしているが、守備的中盤でも楽にプレーできる。PSG戦やリヴァプール戦のようにね。彼には非常に満足しているよ」

ハダースフィールド戦の前にも指揮官は、

「私が着任してからのスコットは本当に素晴らしい。トレーニングでもそうだが、試合でもだ」

と話していた。

加えてマクトミネイは、強豪チーム相手でも目立った活躍ができることを示した。1-0で敗れたオールド・トラッフォードでのチャンピオンズリーグ準々決勝のバルセロナ戦の後も、監督はマクトミネイを絶賛している。

「スコット・マクトミネイはファンタスティックだった。プレーするたびに向上している」

「優れたアスリート能力で、バトルに勝つことができる。足さばきも素早い。(リードされたあとは)チームを落ち着かせていた」

スールシャールの前任者ジョゼ・モウリーニョも、マクトミネイの素質を見抜いていた。

2017年5月のアーセナル戦で彼をファーストチームにデビューさせたのもこのポルトガル人監督だ。バルセロナ戦のあとモウリーニョは、こうコメントしていた。

「バルセロナがバルセロナらしくなかったのは、ユナイテッドにそれを担った一人の選手がいたからだ」

「ミッドフィールドでのスコット・マクトミネイは、私がかつてそう呼んだように、まるで『狂犬』だった。もちろん私がこの言葉を使うときは、完全にポジティブな意味でだ」

「何者も恐れず、果敢にプレスをかける。動きの幅が広いから、広範囲でプレッシングができる。高い位置でプレスをかけ、バルセロナのビルドアップを狂わせていた。そしてデュエルの場面では本当にアグレッシブだった」

バルセロナ戦で中盤を突破するマクトミネイ

パルク・デ・プランスでのパリ・サンジェルマン戦でも同様のインパクトを与えた。ユナイテッドが3-1で勝利し、準々決勝進出を決めた忘れがたい一戦である。

モウリーニョと同じように、スールシャールもマクトミネイに信頼を寄せている。12月に彼が暫定監督に着任したことも、現在アカデミーのヘッドを務める元レッズの盛り上げ隊長、ニッキー・バットがマクトミネイにチャンスを与えるきっかけを作った。

スコットはつい最近こう話していた。「バッティ(バット)がこう言ってたんだ。『オマエはなんてついてるんだ。自分の実力をクラブのレジェンドに見てもらえるんだから』ってね」

『マンチェスター・ユナイテッドのレギュラーになれるだけのプレーができるってことを見せられるなんて喜ぶべきことだ』

そしてマクトミネイは、まさにそれをやってのけた。PSGやバルセロナ戦でのパフォーマンスは、フレッチャーのような大胆不敵さだった。

ダレンも、特Aクラスの対戦では常にサー・アレックスから重用されていた。その他いくつも美味しいオプションがあるときでもだ。


アーセナル戦でフレディ・ユングベリ、トマシュ・ロシツキーと競り合うフレッチャー

かつてサー・アレックスはフレッチャーのことをこう述懐していた。

「彼は大のお気に入りだよ。素晴らしいプロ精神を持っている」

「ビッグゲームでは彼を使いたくなる。彼はそういうタイプのプレーヤーだ。たとえビッグネームが相手でも、彼は決して霞んだりしない。彼は常にそうした対戦で際立っていた。ローマでのバルセロナ戦(2009年のチャンピオンズリーグ決勝)でどうしてもいて欲しかった選手を一人挙げるなら、彼だよ」

「彼の不在は本当に惜しまれた(出場停止処分だった)。彼は我々の助けになってくれたはずだ」

まるでいまのマクトミネイのことを語っているようではないか。

ダレンは、ファンや批評家からの評価はそれほど高くはなかったかもしれないが、指揮官の言葉がすべてを語っている。これから補強を進めるユナイテッドで、マクトミネイも同じような状況に置かれることになるかもしれない。

しかし、彼は必ずや、レッズに欠かせない存在となる。

オピニオンは、著者の見解を記したもので、マンチェスター・ユナイテッドの意見を反映したものではありません。


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