ユナイテッド

スールシャール監督の1年目を振り返る

オーレ・グンナー・スールシャール監督がマンチェスター・ユナイテッドの正監督に就任した2019年3月28日から、もう随分時間が経ったように感じる。

それに、スコット・マクトミネイのゴールにより、マンチェスター・シティー戦で大興奮となったオールド・トラッフォードでの直近試合からも相当な時間が経ったように感じる。だが、実際には3週間が経過しただけだ。

新型コロナウイルスの世界的大流行により、生活も一変した。フットボールは記憶に残っているものにしか過ぎず、なんども考えてしまう。

それでも、人の時間は分単位、時間帯、月単位、年単位で変化するもの。スールシャール監督のこれまでの監督としての歩みを振り返るには最適なタイミングだろう。

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2018年12月に暫定監督に就任したオーレ

ファンにとって記憶に残るのは、ここ数試合。それらの試合の結果により、監督の評価も変わってくることが多い。

ユナイテッドは、無観客試合で行われた直近のLASK戦に5-0で完勝。オーレのチームは11試合続けて無敗で、8勝3分。29ゴールに、9試合でクリーンシートを記録している。

オールド・トラッフォードでのマンチェスターダービーを見てもわかったように、選手とファンの絆により、試合終盤を乗り切れた。

しかし、スールシャール監督を評価するには、もう少し時間を戻す必要がある。

私見だが、この短期間でチームは大きく変わった。オーレと彼のスタッフは、称えられて然るべきだ。

第一に、チームを大きく変えるのは勇気のあること。そして第二に、クラブの変革期には問題は避けられないが、それでも前進し続けられている。

変換機

オーレが指揮を執った2018-19シーズン途中より以前の試合レポート、試合画像を見てもらいたい。たった15ヶ月程度で、先発が様変わりしたのがわかる。

退団した選手も少なくなく、新たに選手が加わり、アカデミーからファーストチームに昇格した選手も。

スールシャール監督は、結果は不安定な者になると認めていたが、2019-20シーズンはトップ4目前の順位につけている。そればかりか、FAカップ準々決勝に進出し、UEFAヨーロッパリーグでも勝ち進んでいる。また、カラバオカップ準決勝にも進出した。

これらの結果を、1月にマーカス・ラッシュフォードが抜け、ポール・ポグバが昨年の12月に抜け、主力のアントニー・マルシャル、マクトミネイの欠場が続いた中で残しているのだ。

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トップスコアラーのマーカス・ラッシュフォード不在で結果を残しているスールシャール監督

昔のユナイテッド

さらにスールシャール 監督は、サー・アレックス・ファーガソン元監督が引退後、ファンが待ち望んだものをチームにもたらした。

まずは、若手の重用だ。メイソン・グリーンウッド、ブランドン・ウィリアムズはファーストチームに定着し、ラッシュフォードとマクトミネイも選手として成熟している。ユナイテッドのDNAが中心にあるチームは、プレミアリーグで最も若いチームだ。

それに、サー・アレックス時代のように、素早いカウンターアタッキングフットボールにも立ち返った。まだ試合は残されているが、ユナイテッドは今シーズンの全試合で83ゴールを記録している。これは、ポスト・ファーガソン時代での年間最多ゴール(2016-17シーズンの105)を上回るペースだ。

ファンは、チームのリーダーを求めた。その役割は、ハリー・マグワイアがキャプテン就任後から担っている。1月に加入したブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード、マクトミネイも重要な存在だ。ここ何年も見られなかった団結が今のチームにはある。

ユナイテッド
ブランドン・ウィリアムズ、メイソン・グリーンウッドらアカデミー出身者が台頭

選手のレベルアップ

監督が批判されると、概ねどの選手が成長したかという批判が出る。

どこから始めれば良いだろうか? フレッジ、ルーク・ショー、ラッシュフォードは生まれ変わったかのように見える。マルシャルも加入後最高のペースでゴールを決め、ネマニャ・マティッチもベストの状態に戻った。オーレが獲得した5選手(ジェームズ、ワン・ビサカ、マグワイア、フェルナンデス、イガロ)は、皆チームに馴染んでいる。それに前述したウィリアムズとグリーンウッドも急速に成長している。

疑問を持たれた選手たちは、コーチングスタッフとの1対1の練習を評価し、スールシャール監督の下でのポジティブな環境を称えている。

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ショーとフレッジはオーレの下でベストパフォーマンスを披露

オーレは、今の時期に結果がついてこない時もあると認めるだろうが、チームに変化が必要だった時に、これ以上の結果が望めただろうか?

何よりも、ユナイテッドは強くなっている。現体制になってから良くない時期もあったが、自信を取り戻している。スールシャール監督は、強豪相手に勝利を収めているのだ。

すでにエティハドで2勝、スタンフォード・ブリッジでも3勝、アウェイでのトッテナム戦、アーセナル戦、PSG戦にも勝利。フェルナンデスの加入により、オールド・トラッフォードでも強豪に勝てるチームに戻った。

まだチームは完璧な状態ではない。それは、スールシャール監督も、マイク・フェランも認めるところだ。

だが、一ファンとして、選手の退団を容認しながら、この短期間でクラブのカルチャーを変えるのは非常に難しいことだ。

マンチェスター・ユナイテッドは、着実に成長している。このクラブに栄光をもたらしたやり方で、結果を残せるようになってきている。

それはオールド・トラッフォードが知るところでもあり、監督への支持は揺らいでいない。時間、辛抱強さ、運という要素は必要だが、スールシャール 監督は、順調にチームを率いている。

これは筆者の個人的見解であり、マンチェスター・ユナイテッド・フットボールクラブとしての見解ではありません。

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