ブライトン 0-0 ユナイテッド（PK戦6-7）

ブライトンのウインガー、ソリー・マーチがPKを外した後、リンデロフは完璧にスポットキックを決めて勝利。6月3日に予定されている決勝戦では、FAカップ史上初のマンチェスターダービーが実現する。

ユナイテッドはレギュレーションの間に何度も決定機を作った。その中でも前半にブルーノ・フェルナンデス、延長戦でマーカス・ラッシュフォードが絡んだプレーは決定的だったが、ゴールキーパーのロベルト・サンチェスに阻まれた。

一方のブライトンも、120分の間に何度も得点のチャンスを作った。その中でも、交代出場のデニズ・ウンダヴは、ダビド・デ・ヘアが守るゴール前に侵入するも、タッチに失敗してディオゴ・ダロトのタックルにやられた。

前半：両チームともビッグチャンス

序盤、マーカス・ラッシュフォードが左サイドを駆け上がり意思表示をしようとしたが、ブルーノ・フェルナンデスへのパスは届かず、相手ディフェンスにクリアーされた。しかし、ブライトンはアントニーが三苫薫を倒したことでフリーキックを獲得し、最初のチャンスを作った。ワールドカップ優勝者のアレクシス・マック・アリスターがユナイテッドの壁にボールを当てたが、デ・へアが手を伸ばしてボールを後ろにそらし、コーナーキックとした。

ユナイテッドは、アントニーが右サイドを駆け抜け、そのパスがピッチ中央のクリスティアン・エリクセンに通る。エリクセンは、一瞬の隙をついてフェルナンデスにスルーパスを通したが、ブルーノのシュートはサンチェスに阻まれる。

30分過ぎには、三苫が左サイドから中に入ってシュートを打とうとしたが、アーロン・ワン・ビサカのタックルで阻止。

前半終了間際、アントニーとカゼミーロのブラジル人コンビが連携し、フェルナンデスにスルーパスを送ったが、角度のない位置から放った低い弾道のシュートはポストをかすめるだけだった。

後半：準決勝は延長戦に突入

後半に入り、ユナイテッドはスピードとダイレクトなプレーでブライトンのディフェンスを突破しようとする。アントニーは、ルイス・ダンクをかわしてペナルティーエリア内に進入。しかし、このパスはシーガルズのディフェンスに読まれ、クリアーされた。

対するブライトンも試合をコントロール。ダンクのヘディングシュートはカゼミーロに阻まれ、クリアーを拾った三笘を経てエンシソが強力なシュートを放つも、デ・へアがワールドクラスのセーブでチームを救う。

ユナイテッドはフェルナンデスが左サイドバックのペルヴィス・エストゥピニャンからボールを奪い返すと、アントニーが飛び出し、ようやく前に出る機会を得た。アントニーは、ブライトンのペナルティエリア内に侵入し、得意の左足でシュートを放つが、サンチェスの好セーブに阻まれる。

ラッシュフォードがエリア手前でフリーキックを得ると、フェルナンデスが壁に当て、リバウンドもさらにシュートで終わったが、枠を大きく外れた。

ユナイテッドは、交代出場のジェイドン・サンチョがゴールに迫ったが均衡を破れず、延長戦に突入した。

延長戦 ： ラッシュフォードの決定機

ユナイテッドは、左サイドを素早く突破し、ダロトとサンチョが連携して、サンチョがエリア内にクロスを上げると、同じく交代出場したマルセル・サビツァーがヘディングで狙うが、ファーポストには届かず。

延長前半終了間際の1分間、ラッシュフォードが先制点を奪うべく、サンチョと3人で素晴らしいパスをつないでシュートをファーに叩き込もうとしたが、サンチェスがこの試合のベストセーブを見せ、得点を許さない。

延長戦の後半には、カゼミーロが絵に描いたようなパスをラッシュフォードに送る。ラッシュフォードは見事にボールをコントロールし、ヨエル・フェルトマンの背後を取り、ファーコーナーに向かってシュートを放とうとしたが、枠を捉えることができなかった。そして、試合はPK戦に突入した。

PK戦： リンデロフが勝利をもたらす

最近のPK戦の結果、そしてブライトンがファンの前で蹴る権利を獲得したことで、ユナイテッドに不利な条件が揃った。マック・アリスター、カゼミーロ、グロス、ダロトが成功しし、緊張感が増す展開に。さらにウンダヴがネットを揺らしたが、サンチョが完璧なテクニックで決めてここまで全員が成功。

その後、エストゥピニャンとラッシュフォードがネットを揺らし、ルイス・ダンク、サビツァーが続く。

アダム・ウェブスターも成功し、ヴァウト・ヴェフホルストも続いて迎えた7人目、マーチのシュートはバーの上を通過しブライトンが失敗。そして冷静沈着なリンデロフが確実に蹴り込み、激闘に終止符が打たれた。

試合詳細

ユナイテッド：デ・へア、ワン・ビサカ（101分にマラシアと交代）、リンデロフ、ショー、ダロト、カゼミーロ、エリクセン（61分にフレッジと交代）、アントニー（90分にサビツァーと交代）、フェルナンデス（c）（101分にヴェフホルストと交代）、ラッシュフォード、マルシャル（84分にサンチョと交代）

出場機会のなかったサブ：バトランド、ウィリアムズ、エランガ、ペリストリ

イエローカード：カゼミーロ、ショー、リンデロフ

ブライトン：サンチェス、グロス、ウェブスター、ダンク、エストゥピニャン、カイセド、マーチ、マック・アリスター、三笘、エンシソ（66分にヴェルトマンと交代）、ウェルベック（74分にウンダヴと交代）

出場機会のなかったサブ： スティール、コルウィル、アヤリ、ギルモア、ファンヘッケ、ブオナノッテ、オフィア

イエローカード： 三笘