カゼミーロが憧れていたレッズは？

レアル・マドリードでチャンピオンズリーグを5度制覇したカゼミーロは、このポジションで、間違いなく現代の偉大な選手として語り継がれる一人だ。

しかし、どんな選手にもスタート地点がある。このブラジル代表MFが母国のサンパウロでサッカーを学んでいた時代、彼がその素質に感銘を受けたのが、スコールスだった。

「たくさんいたよ......。自分の人生の中で記憶に留めている選手はね」インスピレーションを受けた選手について尋ねられると、30歳の彼はそう話しはじめた。

「このポジションで、少年時代から憧れていたのは、（ジネディーヌ）ジダンだった。でも、マンチェスター・ユナイテッドではポール・スコールスだ」

カゼミーロは、スコールズについて好きだった特徴をあげた。

「彼は小柄な選手だったけれど、存在感があって、ファイターで、ピッチの上ですべてを捧げていた」。

「50メートルから70メートルくらいもある彼のパスは信じられなかったよ。それにマンチェスター・ユナイテッドは常にあのポジションに良い選手を抱えていた」。

「（マイケル）キャリックも素晴らしい選手だった。マンチェスター・ユナイテッドは伝統的に中盤にいい選手がいるのだと思う」。

「（スコールスは）体は小さいけれど、ハードに、それでいてフェアにプレーするところが好きだったんだ」。

カゼミーロ自身も、そうしたユナイテッドの中盤の名選手の中に自分の名前を刻み込みたいと願っていることだろう。

カゼミーロのユナイテッド通は、彼の育成時代に中心選手だったレジェンドたちの名前を次々に挙��たことからもうかがえる。

「彼（スコールズ）は頼りになる存在だったけれど、あのチームにはリオ・ファーディナンドや（エドウィン・）ファン・デル・サールなど、たくさんの好プレーヤーがいた。クリスティアーノ（ロナウド）もいたしね......」。

「マンチェスター・ユナイテッドは歴史的なクラブで、これからも歴史的なクラブであり続ける。僕にとって、ここにいられることは名誉なことだ」。

月曜日の夜、カゼミーロは、宿敵リヴァプールとのプレミアリーグ戦の前に、ユナイテッドの選手として正式にお披露目された。

キックオフに先立ってピッチを去る間際、彼はユナイテッド史で最も象徴的な選手の一人に歩み寄った。その元選手とは、ロイ・キーンだ。

二人はタッチライン際でハグを交わし、スカイスポーツの解説を務めるキーンから温かい言葉をかけられた後、カゼミーロはトンネルへと入っていった。

もし、彼が名を挙げた元レッドのような成功を収めることができれば、カゼミーロはオールド・トラッフォードで、充実した時間を過ごすことになるだろう。