ニューカッスル戦のレッドカードを後悔?
オーレ・グンナー・スールシャールはマンチェスター・ユナイテッドで126ゴールをマークしているが、彼がレッズファンの心をつかんだ瞬間の一つは、若い読者にとってはやや意外かもしれない。
それは、オーレがマンチェスターでの11年間の選手生活の中で、ただ一度、退場処分を受けた試合だったからだ。
1998年4月、プレミアリーグの首位に立つアーセナルを追いかけていたアレックス・ファーガソン率いるユナイテッド。逆転優勝のためには勝ち点3が必要という状況で迎えたオールド・トラッフォードでのニューカッスル戦で、レッズは終盤まで1-1に抑えられていた。
残り2分のところで、マグパイズがロブ・リーを起点にカウンター攻撃を仕掛けると、サブで投入されたばかりのオーレは、勝ち越しゴールを阻止すべく彼をなぎ倒した。
そのファウルは当然のごとく退場処分となった。それまで懸命にピッチを走り回っていたスールシャールは、チームのためにその試合を続行することだけでなく、先々の試合への出場機会さえも犠牲にしたわけだが、彼のその行動は監督の怒りを買った。
ファーガソンは、彼のファウルはユナイテッドのプレースタイルに反するものだと考えていた。そしてオーレ自身も、自分の選手が同じようなことをするのは認めないだろうと語った。
「自分の選手にはそのようなことはさせないだろうね。私はあの後こっぴどく叱られたし、その理由も至極納得のいくものだった」ユナイテッド入団25周年を振り返るインタビューの中でオーレはそう明かした。
「マンチェスター・ユナイテッドは、そのような勝ち方はしちゃいけないんだ。それは我々のやり方に反する。もっともファンは嫌いじゃないみたいだけれどね!」
その犠牲もむなしく、その年はガナーズがダブル優勝を果たした。しかしもし同じ状況になったら、彼は繰り返すかもしれないとも語った。
「たぶん同じことをするだろうね。なぜなら、自分のキャリアの中で何かを変えたいとは思わないから。でなければ、今ここにこうして座ってはいないだろうからね」
「どんな小さな決断でも、次に起きることにつながっていく。それでも私は、同じことをするだろう」
「私は正しい目的のため、チームメイトとチームのことだけを考えてあの行動に及んだ」
「あのシーズンは1ポイント差でリーグタイトルを逃したが、試合終了まであと2分のあの場面では、何がなんでもボールを自分たちのものにして、攻め上がって勝利を奪う必要があったんだ」