マンチェスター・ユナイテッド 1-0 クリスタル・パレス
ラルフ・ラングニックにとってマンチェスター・ユナイテッドでの初戦は、78分にフレッジがゴールを決めて重要な勝ち点3を獲得し、満足のいく勝利に終わった。
ミッドウィークにシアター・オブ・ドリームスで行われたアーセナル戦でスリリングな勝利を収め、新監督を迎えたユナイテッドのホームサポーターは期待に胸を膨らませていた。その期待は的中し、ユナイテッドは前半だけで11本のシュートを放つなど、エキサイティングな展開となった。
前半の45分ではゴールを奪うことはできなかったものの、交代出場したメイソン・グリーンウッドの巧みなキープとフレッジの見事なフィニッシュによって、ユナイテッドは接戦をものにしている。
この勝利で、ユナイテッドはプレミアリーグ6位に浮上。ラングニック暫定監督のもと、今後さらなる上昇を目指す。
前半
ラルフ・ラングニックは試合前、チームとの練習時間が限られていることを強調していたが、オールド・トラッフォードでのエネルギッシュな前半を見れば、彼がチームに与えた影響は明らかだった。
最初のチャンスは、マーカス・ラッシュフォードがジェームス・トムキンスをかわしてシュートを放ち、コーナーを獲得した場面。続いて、アレックス・テレスが左足でシュートを放つも、これは右ポストをかすめた。それから1分もしないうちにロナウドがシュートを打とうとしたが、タックルによって阻まれる。
ユナイテッドのオフ・ザ・ボール時の激しさは頼もしさを感じるほどだった。ただ、常に積極的にプレッシャーをかけるのではなく、パレスのディフェンスに向かって緩急をつけながら激しい攻撃を仕掛けた。ロナウドとラッシュフォードを中心に、その後ろにサンチョとブルーノ・フェルナンデスを配したチームは、絶え間なく相手を苦しめた。
ロナウドはラッシュフォードがボックス左に走り込んだタイミングを見計らって速いクロスを入れたが、ジャンプの高さが足りずに合わせることができない。
パレスはスペースを見つけて何度かカウンター攻撃を仕掛けたが、ダビド・デ・へアのゴールを脅かすことはなかった。ウィルフレッド・ザハが放ったロングレンジのシュートは、スペイン人キーパーがボールに倒れ込むようにして弾き出した。
フェルナンデスからロナウドへ、あるいはその逆へと、パレス・ディフェンスの上を越える浮き球のパスも頻繁に出された。最も脅威的だったのは、ロナウドが胸トラップからシュートした場面。結果ブロックされてしまい、コーナーを獲得。その1分後には、ディオゴ・ダロトのクロスがロナウドに渡り、15ヤードの距離から放たれたヘディングシュートは大きく外れた。
さらに、サンチョの素早い足さばきがサポーターを沸かせ、フレッジがエリアの端からシュート。しかしトムキンスに頭でクリアーされてしまう。
25分になると、それまでのプレーでは不十分と感じたのかプレッシャーが強まり、ロナウドがヘッドで落としたボールにブルーノがシュートも、パレスのビセンテ・グアイタに防がれる。さらにラッシュフォードのシュートもブロックされた。フレッジがナサニエル・クラインとの競り合いで治療を受けたことでユナイテッドの勢いが削がれかけた。
前半終了までにさらに2回のチャンスがあり、シュートの数は11本にまで増加。サンチョが左サイドから侵入してシュートを放ったが、これがゴールネットの上を通過した。
前半の注目スタッツ:ユナイテッドの264本のパスのうち231本が前方へのパスだった。
後半
前半の優勢をゴールに結びつけることはできず、後半もパレスの守備をなかなかこじ開けられない。両チームともに打開できない中、パレスはポゼッションを奪い、コーナーからはクヤテがヘディング、ギャラガーも続いた。
その直後、ラングニック監督は最初の交代を行い、サンチョを外してグリーンウッドを投入。新型コロナウイルスから回復し、1ヵ月ぶりの出場だったグリーンウッドにとって最初のチャンスは、フェルナンデスがボックスの端でボールをキープした後に訪れたが、左足のシュートは右ポストをかすめた。
その少し前には、アレックス・テレスがボックス右端からフリーキックを直接狙うも、クロスバーを叩いた。
パレスは嵐を切り抜け自信を取り戻す。74分にはジョーダン・アィエウが右ポストの前に陣取り、ノーマークの状態でヘディングシュートを放つも、シュートはゴールの左端には届かず。
そしてラングニック監督はラッシュフォードに代えてアンソニー・エランガを投入し、ユナイテッドの攻撃に新たなペースとエネルギーを加えた。スウェーデン出身の若手は、グアイタを追いかけ回した。エネルギッシュなプレッシングに観客は満足しつつ、ゴールを求めて大きな声援をチームに送り続けた。
そして、思いがけないところからゴールが生まれた。エリア内でボールを受けたグリーンウッドは、即座にシュートを打とうとしたが、スペースが限られており、しかもグエヒとギャラガーが阻んだ。しかし、グリーンウッドは冷静さを失わず、フレッジが走ってきていた後方にボールを出し、フレッジは右足のインサイドでボールをとらえ、ゴール左上隅にシュートを決めた。
後半の追加タイムは5分。パレスはオリーズのクロスにデ・へアが対処し、左サイドを抜け出したザハにリンデロフがファウル覚悟で止めるなど、ユナイテッドを攻め立てた。しかし、ラングニック率いるレッズは、カウンター攻撃の危険性を残したまま試合を終え、トップ4への復帰に不可欠な勝ち点3を手にしたのだった。
試合情報
ユナイテッド:デ・へア;ダロット、マグワイア(C)、リンデロフ、テレス;マクトミネイ、フレッジ;サンチョ(62分にグリーンウッドと交代)、フェルナンデス(86分にファン・デ・べークと交代)、ラッシュフォード(75分に���ランガと交代);ロナウド
出場機械のなかったサブ:ヘンダーソン;バイリー、ジョーンズ、ワン・ビサカ、マティッチ、マタ
ゴール:フレッジ(78分)
イエローカード:マクトミネイ、リンデロフ
パレス:グアイタ;クライン、トムキンス、グエヒ、ミッチェル;シュルップ、クヤテ(84分にオリーズと交代)、ギャラガー、アイェウ(84分にエズと交代)、ベンテケ(66分にエドゥアールと交代)、ザハ
出場機会のなかったサブ:バトランド、ケリー、ヒューズ、ミリヴォイェヴィッチ、リーデヴァルト、マテタ
イエローカード:クライン、グエヒ