ラルフ・ラングニックの知見とビジョン
ラルフ・ラングニックがマンチェスター・ユナイテッドの暫定監督に就任したことで、フットボールメディアは、経験豊富なドイツ出身の監督が考えるフットボールのあり方について、想像力をかきたてられている。
今回は、ラングニックのフットボール哲学を知るきっかけになり得る過去の発言を紹介しよう。
最初の一歩
「コーチになるために生まれてきたようなものだ。6歳のときに10歳の子供たちと遊んでいたときでさえ、私はチームを組織し、試合を組み立て、どうすれば他の子供が上達できるかを教えたいと思っていた」
故郷のFCヴィクトリア・バックナンで初めてコーチを務めたことについて
「医療を勉強していた時に知識があったので、選手にテーピングを巻いていた。また、ドレッシングルームからビールを排除し、試合前2時間以内の喫煙を禁止し、ウォームダウンを導入した」
ラングニックが暫定監督に就任
Articleヨーロッパのフットボール界で最も尊敬されている指導者の一人がクラブにやって来る。
選手の指導について
「現代のリーダーシップとは、説得力があり、選手たちが毎日、試合に出て調子を上げたいと思うようなモチベーションの基盤を作ること。これは信頼と共感、そして人間関係に関わることでもある」
全体的なビジョンについて
「自分のチームを育て、教育し、指導するためには、自分がどのようなフットボールをしたいかを明確にする必要がある。これこそヨーロッパのトップコーチに共通している部分。彼らは、自分たちのフットボールがどのようなものかを理解し、頭の中で完璧な試合を映像化できている。我々の仕事は、そのアイデアを選手の頭、心、脳、血管に投入すること。それがモチベーションであり、信念の伝達なのだ」
ゲーゲンプレッシングと自分のスタイルについて
「非常に積極的なスタイル。ハイプレスを好み、非常に激しいカウンタープレッシャーをかける。ボールを保持した時には、スクエアパスやバックパスは好まない。速く、積極的で、攻撃的。カウンターアタック、カウンタープレッシングを用い、刺激的で面白い(スタイルの)フットボール」
ホッフェンハイム時代の影響について
「私たちがホッフェンハイムで行ったことは、ドイツのフットボールに大きな影響を与えた。2008年のブンデスリーガ初年度に、マインツからドルトムントに移籍してきたユルゲン・クロップ監督率いるボルシア・ドルトムントと対戦し、4-1で圧倒したことを覚えている。試合中ずっと相手にプレッシャーをかけ続けていたので、簡単に6~7点は取れていたかもしれない。翌週、��ルゲンは、これこそが将来ドルトムントでやりたいスタイルだと言った。その後の2年間で、彼はチームを見事に成長させ、2年連続のタイトルと2つのカップを獲得した」
戦術について
「ボールの保持にかかわらず、試合を支配しないといけない。守備から攻撃への速い
切り替えトランジションを使い、正しい解決策をすぐに見つける。そして、ボールを奪い返してから10秒以内にシュートを打つ」
ラングニックの功績とキャリア
Article今季終了までの暫定監督に決まったラルフ・ラングニックのキャリアを紹介。
プレーヤーについて
「選手の脳には、まだ開発されていない大きな可能性がある」
そしてまた...
「レッドブルでの選手育成は、1,000ピースのジグソーパズルに例えている。その1,000ピースをすべての選手に提供しようとトライする。それらのどういう特徴を生かすかどうかは選手次第。私たちのポートフォリオには、育成に関連するあらゆる側面が含まれるようにしている。選手を育成するための最高のサポートスタッフを求めている」
最後の言葉
「戦術、フィットネス、ルールはどれも非常に重要だが、それらは目的を達成するための手段に過ぎない。私の仕事、この仕事は、選手を向上させること。選手は、自分の成長に繋がると感じれば、監督であるあなたについていく。それが最大の、そして最も嘘偽りのないモチベーションになる」
引用元:Coaches Voice、The Guardian、The Athletic、ESPN