今シーズンのリンデロフに期待!
ワールドカップはフランスの優勝で幕を閉じ、ポール・ポグバが話題をさらったが、ロシアで活躍したユナイテッドは彼一人ではない。
ベルギーとイングランドは準決勝に進み、アルゼンチン代表のマルコス・ロホは、必勝がかかったナイジェリア戦で試合終了間際に決勝点を決め、自国をグループリーグ敗退から救った。
そしてビクトル・リンデロフも、欠くことのできない重要な戦力として、スウェーデン代表のベスト8入りに貢献、この大会のベスト・ディフェンダーの一角を占めるにふさわしいパフォーマンスを披露した。
この大会での活躍は、リンデロフがユナイテッドのディフェンスラインでも定位置を確保することにつながるだろうか?
ベンフィカ時代には、その冷静なプレーから「アイスマン」の異名をとったリンデロフは、今日(17日)24歳の誕生日を迎えた。
ワールドカップ初戦の韓国戦は体調不良により欠場したが(スウェーデンが1-0で勝利)、その後の4試合は、元ウィガン・アスレティックのアンドレアス・グランクヴィストとコンビを組んでセンターバックの主力として奮闘、ラウンド16のスイス戦では、BBCの視聴者投票でこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出された。
「傑出したプレーをしていたのはビクトルだ」とコメントしたのは、元ユナイテッドのMFボジャン・ジョルジッチだ。
「みなはグランクヴィストを話題にする。彼はキャプテンだし、ズラタン(イブラヒモヴィッチ)の引退後は彼がヒーロー役を受け継いでいる。しかしビクトルの活躍ぶりは素晴らしい」
33歳のグランクヴィストとは、リンデロフはイタリアを破ってロシア行きを決めた、昨年11月のプレーオフでもコンビを組んでいる。
そしてベンフィカでは、やはりベテラン、37歳のブラジル人DFルイソンと組んでいた。ちなみにルイソンはジョゼ・モウリーニョ監督が長年敬愛している選手だ。
どちらもコンスタントなパフォーマンスが最大の特徴だ。そしてそれは、ユナイテッドのバックラインに欠けている要素でもある。その際たる要因は、負傷によりメンバーが揃わないことではあるが、18-19シーズン、リンデロフが盤石なセンターバック・コンビの一角を形成できる可能性は十分にある。
昨シーズンすでに、10月のハダースフィールド・タウン戦や、翌月のブライトン戦、ワトフォード戦などで彼は恐れ知らずの強心臓ぶりを発揮した。
「イングランドのメディアはリンデロフにかなり厳しいようだが、彼が素晴らしいパフォーマンスをした試合を私は見ているし、その試合を見たサポーターも、彼にポジティブな閃きを感じていたはずだ」
アンソニー・ノックハートへの鋭いタックルは、オールド・トラッフォードの観衆の心をつかんだ。このプレーをきっかけに先制点をあげたユナイテッドは、その1点を守ってこの試合に勝利することができた。
3日後のワトフォード戦では、カウンター攻撃の起点となり、中盤や攻撃陣に精度の高いパスを送り込んだ。ユナイテッドはその試合に4-2で勝利をおさめた。
「彼は左右両足とも、素晴らしいテクニックをもっている」とジェシー・リンガードも称賛している。「彼はいつも、前へ展開する機会をうかがって、前へとパスを出してくれる。アタッカーにとってものすごくありがたいことだ」
シーズン後半のチェルシー戦とアーセナル戦でのパフォーマンスも印象深い。イングランドリーグのトップクラブ特有の直感的なプレーにも臨機応変に対応してみせたのは、シーズン前半戦からチャンピオンズリーグ戦でプレーした経験が役立っていたのかもしれない。
ユナイテッドでの2年目となる今シーズン、ワールドカップでの経験を、週ごとの試合でコンスタントに発揮できるようになれたら理想的だ。
ビッグな国際トーナメントは、その後のパフォーマンスに大きく弾みをつけることがよくある。98年のフランス大会の後のデヴィッド・ベッカムや、2006年のドイツ大会のあとのクリスティアーノ・ロナウドがそうであったように。
はたしてリンデロフも続けるか?
それは見てのお楽しみだ。
この記事に書かれた意見は著者の個人的な見解であり、マンチェスター・ユナイテッドの意見を反映させたものではありません。