フレッジはデュラセル乾電池？

カタールで開催されているワールドカップで優勝候補の一角を占めているセレソンは、グループリーグの1試合を残して決勝トーナメント進出を決めた。

フレッジは、1-0で勝利したスイス戦でイエローカードをもらったため、金曜夜のカメルーン戦ではベンチスタートとなる可能性が高い。

しかしスポーツ科学の専門家からも高く評価される身体能力を誇る彼が、今後大会が進むにつれてますます重要な役割を果たすであろうことは間違いない。

代表チームでは「フレジーニョ」と呼ばれ、その他では「小さなアリ」とも呼ばれるこのエネルギッシュなレッズ戦士は、試合中の走行距離では常にチームの上位にランクインしている。スイス戦では、最も多くの距離を走っていたのはゴールを決めたカゼミーロだったが、1分間あたりの走行距離では約1時間プレーしたフレッジが、最長だった。

「コパ・アメリカでは、フレッジが12キロ走った試合がありました」と、ブラジルのスポーツ科学者ギリェルメ・パッソスはグロボ誌に語っている。「彼は、走行距離とワークレートで、常にチームの1位か2位に入っている。つまり彼は常に、グラウンド上をハイスピード、もしくはかなりの速さで走り回っているということです」。

当然ながら代表チームはフレッジを十分ケアしているが、このようなハイオクなパフォーマンスを可能にしているフレッジのリカバリーと回復力に対する姿勢も称賛されている。

「フレッジの回復力に関しては、我々は細心の注意を払っています」とパッソスは続けた。「彼は試合中にかなり体重を落とします。それはまさに、彼の素晴らしい運動量のためです。よってフレッジは、試合後に水分を補給し、炭水化物の摂取量を増やして、次の試合に向けて回復させなければならない主要選手の一人なのです」。

「そして彼自身がこうした情報に���意を払い、回復のプロトコルにきちんと従うアスリートなので、早く回復することができるのです。他のハイレベルのアスリートと同様、遺伝的に恵まれているというのももちろんありますが、彼自身がしっかりと節制している賜物なのです」。

ブラジルは常に、スター選手たちの活躍を支えるための、地味な仕事をする選手を高く評価してきた。同紙では、『29歳のフレッジはまるで、デュラセルの乾電池で動いているようだ』といった読者の声も取り上げている。デュラセルといえば、持続力と馬力で知られる乾電池だ。そのようなプレーをしているフレッジをチームが必要とする理由は明らかだ。

日本時間の3日4:00にキックオフのカメルーン戦が終了すれば、焦点は翌週からの決勝トーナメントに移り、カタールでの栄光への道筋が見えてくる。

この南米の雄が、目前に立ちはだかる多くの難関を乗り越えていく過程で、フレッジがチッチ監督のプランの中で善戦を続けていくことを期待したい。