ユナイテッドの8番はオールド・トラッフォードで重要なパフォーマーとして活躍し続けている。とりわけ、チームにとって重要なゴール、アシストという形で。2015年3月、アンフィールドでのリヴァプール戦で決めたオーバーヘッドキックは、未だ記憶に新しい。そしてこのような魔法のようなパフォーマンスで、マタはファンからも絶大な人気を獲得している。
マタは攻撃なポジションに影響を及ぼす存在で、リードストライカーの背後であれば、10番のポジション、或いはサイドでも効果的なプレーが出来る。創造性にかけてはワールドクラス、さらに安定した得点力も魅力の1つで、その能力をバレンシアとチェルシーでも証明してきた。
マタの魅力はゴールだけではない。その左足から繰り出されるパス、抜群のキープ力とバランス感覚に加え、広い視野から出されるキラーパス、相手にとって脅威となる精度の高いクロス、そしてセットプレー時には、ピッチ上のどの位置であっても危険な存在となる。その創造性はプレミアリーグでも抜きん出ており、チェルシーに移籍後、出場時間あたりのアシスト数でマタを上回るのはほんの数人しかいない。
チェルシーでは1年目から2年続けてクラブ内での年間最優秀選手賞を受賞。その他FAカップ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ優勝にも貢献した。
代表での実績も豊富で、2010年に南アフリカで開催されたワールドカップ代表メンバーとして優勝に貢献(途中出場で1試合のみ)した他、2012年のEURO2012ではイタリアとの決勝でゴールを記録し欧州制覇に貢献。2011年のU-21欧州選手権ではスペイン代表の主将を務め、2012年のロンドン五輪にも出場した。
その輝かしい功績を携えて2014年1月、マタはヘリコプターでAonトレーニング・コンプレックスに降り立った。2015-16シーズン最終戦となったクリスタル・パレスとのFAカップ決勝戦では、劇的な勝利につながる同点ゴールを記録。2017年に行われたサウサンプトンとのEFLカップ決勝、アヤックスとのヨーロッパリーグ決勝にも先発出場している。
パス、それから重要なゴールを奪う能力は2017-18シーズンも引き続き発揮された。2017年12月にアウェイで行われたレスター戦で決めた2ゴールは、彼にとっての昨季ハイライトになった。この活躍により、昨年12月のクラブ月間最優秀選手賞候補に選出されたものの、さらに好調だったジェシー・リンガードが受賞。
2018年の2月には、ユナイテッド史上初となるビデオ・アシスタント・レフェリーによる判定に苛立ったのもマタだった。ハダースフィールドとのFAカップ4回戦でゴール認定されるかと思われたシーンは、映像判定の結果オフサイドと判定されたが、決定づける根拠がないまま疑惑の瞬間になってしまった。
モウリーニョ監督の攻撃オプションとしてシーズン終盤も前線のローテーションとして起用され、FAカップ決勝では交代出場した。