「あんなタックルができるのは彼しかいない」
アーロン・ワン・ビサカは、インジュリータイムに素晴らしいタックルでウィルフレッド・ザハの攻撃を阻んだ。進入を許していれば、クリスタル・パレスの勝ち越し点になりかねない、決定的な瞬間だった。
レッズは前半にブルーノ・フェルナンデスのゴールでリードを奪ったが、マイケル・オリーズが90分にフリーキックから1点を返し、セルハースト・パークでのパレス対ユナイテッドのスコアは1-1のイーブンとなった。
しかしドラマはここで終わりではなかった。ロバート・ジョーンズ主審が示した4分間のアディショナルタイム中、レッズは2度、あわやリードを奪い返す猛攻を見せた。
そして試合終了直前には、エベレチ・エゼのパスを受けたザハがユナイテッドのゴールに向かって走り出し、ダビド・デ・ヘアと一対一になる危険な場面を迎えた。
ここで2点目を決められていたら、エリック・テン・ハフ率いるレッズにとっては大打撃となるところだったが、幸運にもアーロンは見事な追走でザハをとらえると、完璧なタイミングでタックルをしかけ、元チームメイトからボールを奪い取った。
試合後のスカイスポーツとのインタビューで、元レッドのザハはアーロンのタックル能力を意識していたことを明かしている。アーロンとザハは、パレスでも2019年までともにトレーニングしていた仲だ。
「他の選手なら逃げきれていただろうね。走り抜けながら、ちょっと振り返って、『なんてこった、アーロンだ』と思ったよ」と明かしたザハ。
「あんなすくいとるみたいなタックルができるのは彼だけだ。本当に素晴らしいタックルだった」。
試合終了のホイッスルが吹かれた後、ワン・ビサカはユナイテッドファンの投票でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。ディオゴ・ダロトが不在の間にチームに復帰した彼にとっては、素晴らしい活躍の機会となった。
アーロンの守備の読みとチャレンジのタイミングの良さは前から知られているところだが、攻撃面でも能力を発揮し、土曜のマンチェスター・ダービーでも、ブルーノ・フェルナンデスの同点ゴールのシーンなどで重要な役割を果たしていた。
また、先月のカラバオカップのバーンリー戦ではアシストを献上。その後、エリック・テン・ハフ監督は、彼がリスクを恐れずに挑めば、よりゴールに絡むことができるようになると指摘していた。
「彼の守備的な資質については誰もが知っている。彼に必要なのは、自信を持って前に出ることだ。彼がそのような動きをするとき、チームにゴールチャンスが生まれるのだから」と指揮官は話している。