ヤングボーイズ 2-1 ユナイテッド
クリスチアーノ・ロナウドが2試合で3ゴールを決めたが、アーロン・ワン・ビサカの退場による影響が大きく、マンチェスター・ユナイテッドはベルンでヤング・ボーイズに2-1で敗れた。
13分にブルーノ・フェルナンデスの巧みなパスを受けたロナウドが先制点を決めたが、30分過ぎにワン・ビサカがヤングボーイズのクリストファー・マーティンスへのファウルで一発退場となり、試合の流れが変わった。
数的優位に立ったホームのヤングボーイズは、残り24分にムミ・エンガマルが同点ゴールを記録。
その後、ヤングボーイズは逆転に向けて果敢に前に出続けるも、ダビド・デ・ヘアとラファエル・ヴァランヌらがピンチを防ぎ続け、グループF初戦で勝ち点1を獲得するかと思われた。
しかし、事実上の最後のキックでジョルダン・シーバチュが飛び出し、ユナイテッドのミスを逃さず決勝点を決めた。
前半 - ロナウドが再び記録を樹立
オーレ・グンナー・スールシャール監督は、週末にニューカッスルを圧倒したメンバーから3選手を変更。ヴァランヌ、ネマニャ・マティッチ、メイソン・グリーンウッドに代えて、ビクトル・リンデロフ、フレッジ、ドニー・ファン・デ・ベークを先発に起用した。
ロナウドはスタメンで出場し、3シーズン前にイケル・カシージャスが記録した177試合出場という大会出場記録に並んだ。
試合前に話題になっていたのは、ワンクドルフ・スタジアムの人工芝のことで、ユナイテッドは慣れるまでに少し時間を必要とした。序盤、メシャック・エリアにポストをかすめるシュートを許し、ヒヤリとさせられる。
12分、スピードに優れるエリアはユナイテッドを翻弄し、ゴール前にボールを送るも、黄色と黒のユニフォームのホームチームの選手は一人もいない。
ロナウドは、2009年5月にアーセナルとの準決勝で2点を決めて以来となる、ユナイテッド でチャンピオンズリーグでのゴールを決めた。
同じポルトガル出身のフェルナンデスの足元から出された絶妙なパスに反応したロナウドは、ヤングボーイズのGKダビド・フォン・バルモースが処理できない強烈なシュートを放ち、ボールは股間をすり抜けてゴールラインを越えた。
ロナウドにとっては、これがチャンピオンズリーグでの135ゴール目。25分には、クリスティアン・ファスナハトのロングシュートをデ・ヘアが弾き、そ��からユナイテッドが一気に攻めに転じる。またしてもフェルナンデスのパスからロナウドがシュートを放ったが、これはフォン・バルモースが弾き返す。
そして、この試合最大の焦点となる瞬間が起こってしまう。ワン・ビサカはヤングボーイズのマーティンスに対して遅れてタックルをしてしまい、フランス出身の主審、フランソワ・レテキシエは迷うことなくレッドカードを提示。ワン・ビサカは、プロキャリアで2度目の退場処分を科された。
55分以上を10人で戦うことになったユナイテッドは、ジェイドン・サンチョに代えてディオゴ・ダロトを投入して守備を強化したが、ホームチームは数的有利を生かそうと前に前に出続けた。
ただ、幸いにも守りきり、前半をリードして折り返すことができた。
後半 - ホームチームが後半に逆転
後半に入ると、ヴァランヌがファン・デ・べークに代わって交代出場し、ユナイテッドは5バックに変更してホームチームの反撃に対処。
ヴァランヌは、ヤングボーイズのクロスを何度も頭で弾き返し、攻めるヤングボーイズ、守るユナイテッドというパターンが確立されたように見えた。
54分には、ロナウドが前線に出て、ペナルティエリア内でモハメド・アリ・カマラに倒されたように見えたが、レテキシエは認めなかった。
ユナイテッドは試合の流れを変えようとしていた。それに対して、ホームの観客はアドバンテージを生かせていなかったことに不満を募らせていた。
しかし、66分にエンガマルがつま先を出して当てたボールがデ・へアの逆をついてゴールとなった瞬間、ワンクドルフ・スタジアムで割れんばかりの大歓声が起こった。
オーレはロナウドとフェルナンデスを下げ、マティッチとジェシー・リンガードというフレッシュな選手を投入。
また、ハーフタイムに交代したシーバチュのコーナーキックを防ぐために、ヴァランヌが再び対応。
終盤、強いプレッシャーをかけたヤングボーイズは、エンガマルがシュートを打ったが大きく外れ、サンドロ・ラウパーの鋭いシュートもデ・へアが辛うじて触れてクロスバーを越えた。
守り続けてチャンスをうかがっていたユナイテッドだったが、後半のアディショナルタイムにリンガードのバックパスに反応したシーバチュが決勝ゴールを決め、スイスの首都が揺れた。
試合の詳細
ユナイテッド:デ・へア;ワン・ビサカ、リンデロフ、マグワイア(キャプテン)、ショー;フレッジ(89分にマルシャルと交代)、ファン・デ・べーク(46分にヴァランヌと交代);サンチョ(37分にダロトと交代)、フェルナンデス(72分にマティッチと交代)、ポグバ;ロナウド(72分にリンガードと交代)
出場機会のなかったサブ:ヒートン、コバール、バイリー、マタ、グリーンウッド、エランガ
得点: ロナウド(13分)
イエローカード:ヴァランヌ
退場:ワン・ビサカ
ヤングボーイズ:フォン・バルモース(キャプテン);ヘフティ(83分にスレイマニと交代)、カマラ、ラウパー(90分にゼシガーと交代)、ガルシア;シエロ(46分にシーバチュと交代)、マルティンス(82分にリーダーと交代);ファスナハト、アビシャー、エンガマル;エリア(90分にカンガと交代)
出場機会のなかったサブ:ズビンデン、フェーヴル、シュピールマン、ヤンケヴィッツ、バーギー、マンビンビ、マセイラス
得点:エンガマル(66分)、シーバチュ(90+5分)
イエローカード:ファスナハト、マーティンス