サー・アレックスが激怒した事件とは?
かつてマンチェスター・ユナイテッドで、“キットマン”と呼ばれる用具係を務めたアルバート・モーガンが、外出制限中のイングランドで、サー・アレックス・ファーガソンがどのように日常を過ごしているかなど、彼との思い出を明かした。
マンチェスター生まれのモーガンは、1993年にユナイテッドのバックルームスタッフとして働き始め、サー・アレックスがユナイテッドを率いた期間の大半をともにして、名将と同じく2013年に引退した。
その後もサー・アレックスとは良き友人として交流を続け、28日にMUTVのグループチャットに参加してくれた際には、今でも毎日のように言葉を交わしていると語った。
「彼とはほとんど毎日話しているよ。最近はまったく外出せずに、自宅にとどまっているようだ」と明かしたモーガン。
「夫人がそうさせているんだと思うよ!
でも体調は良いようだ。毎朝エクササイズもしているらしい。ダンベルを引っ張り出してきて、ボート漕ぎマシンなんかもやっているようだね。それからウォーキングマシンで歩いたり。なので元気そうだ」。
サー・アレックスに雷を落とされた事件とは?
アルバートとサー・アレックスが友情を育んできた過程において、彼は2度だけ、ボスの逆鱗に触れたことがあるという。
そのうちのひとつについては、モーガンは語りたがらない。相当良くない思い出なのだろう。しかしもうひとつの件については、いまだに2人の間で意見が食い違っているらしい。
「雷を落とされたのは2度だけだ」とアルバート。
「一つは、たぶん当然のことだった。けれどもうひとつについてはまだお互い納得がいっていない���納得している方については話さないが、もめているほうについてはお話するよ!」
「ロンドンで試合があるときには、選手たちは電車で移動するが、私は早朝に出てバスで行くことが多かった。この日の朝もサー・アレックスに言った。『じゃあ、私はこれからバスでロンドンに向かうから、ユーストン駅で落ち合おう』と。彼は私に、彼のバッグを一緒に持っていてくれと頼んだので、私はそれを受け取って出かけた。
ところが数時間後、トレーニングを終えた彼が電話をかけてきて、バッグをオフィスに持ってきてくれと頼んだ。中に入っている本を取り出したいからってね。
私は『ガッファ(監督)!なに言っているんですか。私は今ルートン空港のそばを通過中ですよ!』と答えた。
すると彼は怒り出し、喚き散らして電話を切ったんだ!ロンドンに到着し、荷物を取り出していたら、選手たちがみんな、監督が私を探していたと言ってきた。スコールシー(ポール・スコールス)は、彼に向かって私はここにいるよ、と示したりしていた。そのあとチームバスに乗り込むときには、私は後ろのドアから乗った。サー・アレックスはいつも前の席にすわるから、できるだけ彼の近くにいかないように。でも選手たちは、私がいる場所を指してはおもしろがっていた」
「ホテルについて、私が荷物を降ろしているときも選手たちはからかい続けていた。『ガッファ、彼はここにいるよ!』と。だから私は徹底的に避けるようにして、ホテルの自室で風呂に入り、食事をとりに階下に降りた。バーでドリンクをとっているときも、ミック・フェランが、『ボス、彼はここにいますよ!』と。
それでも私は徹底して彼を避けていた。『まるで恋人同士の痴話喧嘩だな』と選手たちはおもしろがっていた。そうしたら突然、どこかからかサー・アレックスが現れ、一直線に食堂に向かって歩いてきたんだ。そして私の肩に手を回して言った。『キスしてくれ!』ってね」。
サー・アレックスが成功した秘訣とは?
「彼は周りの人に自分の仕事をまっとうさせるのがうまかった。スタッフをどう使いこなすかという術を心得ていた。その職についている限り、それぞれが持てる能力を最大限に発揮できるようにする。仕事はハードだったが、情熱があれば続けられるものだ。それを彼に邪魔されるようなことは一切なかった」。
キットマンとして、ロッカールームの主であった彼は、自分の役割についてジョーク交じりに語った。
「彼(サー・アレックス)には逐一なんでも報告していたよ(笑)!私はスタッフと選手たちの間にあるフェンスのような存在で、状況に応じてあっち側に行ったりこっち側に来たりしていた。まあ悪夢だったさ。夜中に目をさますこともあったくらいにね!」
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