ユナイテッド 1-1 ウルヴズ
サー・アレックス・ファーガソンのオールド・トラッフォード帰還という心温まる瞬間も見られたが、マンチェスター・ユナイテッドはホームでウルヴズと1-1で引き分けた。
フレッジが初ゴールをマークし先制したものの、ジョアン・モウチーニョに同点ゴールを決められ、チームの連勝は3で止まった。サー・アレックスは、いつものディレクターズボックスの席から試合を観戦。最後にユナイテッドの試合を会場で観たのは4月のアーセナル戦で、その数日後、病院に搬送され脳の緊急手術を受けた。
クラブ史上もっとも成功を収めた監督は、術後から徐々に回復し、しばらくぶりにホームに戻ってきた。その姿を見たユナイテッドファンは、試合前にサー・アレックスを温かく出迎えた。
元監督は、サポーターの大歓声に両手を挙げて応えた。そしてトレードマークである両拳を突き上げた。このポーズから、会場内には「さぁ、仕事をやり遂げよう」という雰囲気が満ちたが、より良い立ち上がりを見せたのはウルヴズの方だった。この光景には、サー・アレックスも、ユナイテッドサポーターもフラストレーションを溜めたに違いない。
サー・アレックスが獲得した選手の一人であるダビド・デ・ヘアは好調さを取り戻していた。そして、チームは彼の活躍を必要とした。7分にボックス内でラウール・ヒメネスにシュートを打たれるもデ・ヘアがセーブ。それからウィリー・ボリーの強烈なヘディングシュートにも対応し、牙城を守る。
序盤は相手の猛攻に耐える必要があったユナイテッドだったが、18分に均衡を破ることに成功する。ウルヴズのクリアーはポール・ポグバの位置までしか届かず、相手DFはポグバがシュートを打つと思い込んだ。しかし、ポグバはフレッジのシュートをお膳立てし、新加入選手は右足を振りぬいて移籍後初ゴールをあげた。
相手のカウンターに対応し続けたユナイテッドに対し、ウルヴズのチャンスも限られる展開に発展。その後はアレクシス・サンチェス、ポグバのフリーキックから追加点を奪えなかったが、前半終了間際に獲得したフリーキックをフレッジが蹴り、あわやという場面が見られた。
この時のチャンスを生かせなかったことを、ユナイテッドは後半開始から8分後に悔やむことになる。先制したユナイテッドが攻撃の手を休めて守りを重視した後半は、53分にウルヴズが見事な形で同点弾を決めた。それまでルーク・ショーに抑えられていたモウチーニョだったが、ク���スに合わせるように中央に。ヒメネスがコントロールしたボールをモウチーニョが決め、同点に追いつかれてしまう。
今シーズン魅力的なプレーをしていると称賛されているウルヴズは、ユナイテッドを相手に同点に追いつき、さらに評価を上げただろう。プレミアリーグ、それからチャンピオンズリーグで3連勝中だったユナイテッドからは徐々に自信が失われ、逆に昇格組のウルヴズが生き生きし始める。
ポグバのロングシュートでもゴールをこじ開けられないと見るや、ジョゼ・モウリーニョ監督は62分に動き、アレクシスとフレッジに代えてフアン・マタとアントニー・マルシャルを投入。すると67分にはジェシー・リンガードのシュートがわずかにバーを越し、ロメル・ルカクもヘディングシュートで続く。ルカクのシュートはオフサイドだったが、ユナイテッドからポジティブな反応が見られ始めた。だが、ウルヴズは恐れることなくルベン・ネヴェスがデ・ヘアに襲い掛かった。
試合のテンポをスローダウンさせようとするウルヴズがに対し、ユナイテッドは決勝ゴールをあげるために怒涛の攻めを見せた。追い詰めた場面もあったが、よりゴールに近かったプレーを見せたのはウルヴズだったと言わざるを得ない。特に、後半から交代出場したアダマ・トラオレからは、デ・ヘアから点をもぎ取ろうとする野心が垣間見られた。
チーム情報
ユナイテッド:デ・ヘア、バレンシア、リンデロフ、スモーリング、ショー、フェライニ、フレッジ(62分にマルシャルと交代)、ポグバ、リンガード(74分にぺレイラと交代)、ルカク、アレクシス(62分にマタと交代)
出場機会のなかったサブ:ロメロ、バイリー、ヤング、マクトミネイ
ウルヴズ:パトリシオ、ドハーティ、ベネット、ネヴェス、ヒメネス、コスタ(74分にトラオレと交代)、ボルト、コーディ、ジョッタ(86分にギブスホワイトと交代)、オットー、モウチーニョ(79分にサイスと交代)
出場機会のなかったサブ:ルディ、ヴィナグレ、ハウス、ボナチーニ
得点:ユナイテッド-フレッジ(18分)、ウルヴズ-モウチーニョ(53分)
イエローカード:ユナイテッド-ショー、ウルヴズ-ネヴェス
次戦
火曜の夜、フランク・ランパードが率いるダービー・カウンティとのカラバオカップ戦がオールド・トラッフォードで開催される。