マンチェスター・ユナイテッド 4-0 AZアルクマール
木曜の夜に行なわれたヨーロッパリーグ・グループステージ最終節は、前半こそ勢いのあるAZアルクマールの健闘が目立ったが、後半の11分間で4ゴールを決めたマンチェスター・ユナイテッドがグループLを首位で通過した。
アルクマールも前半にチャンスを作ったが、後半に入って熱量を上げたユナイテッドがゴールラッシュを見せ、反撃の糸口すら与えなかった。
先制点を決めたのはアシュリー・ヤング。その後メイソン・グリーンウッドが2ゴールを決める間にフアン・マタがPKを成功させ、グループ首位浮上を目指したAZの心を折った。
オーレ・グンナー・スールシャール監督は、先週末のマンチェスター・シティー戦から9選手を変更。グループステージ第5節のアスタナ戦のメンバーで今回も先発に起用されたのは、アクセル・トゥアンゼベ、ジェームズ・ガーナー(オールド・トラッフォードでは初先発)、グリーンウッドのみだった。
ユナイテッドの前線はダイナマイト級の選手で埋められていた。ただし、今回の試合でアントニー・マルシャルをサポートしたのは、マタとグリーンウッド。それでもAZはユナイテッドを相手にチャンスを作り続けた。特に印象的な活躍だったのは、左ウィンガーのイドリシだ。ラボーナパスを見せたかと思えな、セルヒオ・ロメロが守るゴールにシュートを放ち、立ち上がりを代表するプレーを見せた。
ユナイテッドが最初に攻撃の形を作れたのは27分だった。ヤングが空中戦を制すのを見越していたグリーンウッドがパスを回収してマタの足元にパス。しかし、マタはシュートを上手くコントロールできなかった。
その5分後、再びグリーンウッドのパスからヤングの低いクロスに繋がり、マタがシュートも、以前サウサンプトンに所属したミッドフィルダーのヨルディ・クラーシにブロックされる。
前半の中盤10分で形を作ったユナイテッドに対し、AZはイドリシを起点にプレー。同選手のクロスに前線で誰かが触れればゴールネットを揺らせていたかもしれない。前半終了間際には、右サイドのスベンソンがクロスをあげるも繋がらず、お互いに無得点のまま前半を折り返した。
後半開始早々にマルシャルがシュート。そして、ユナイテッドの攻撃に火が点く。
アンドレアスがAZの2選手にストレトフォード・エンドの左コーナーフラッグ近くに追い込まれながらも見事な技術でマタにパス。これを受けたマタが低いクロスを送るもユナイテッドの選手はゴール前に一人もいなかった。しかし、ヤングがほぼ角度のない位置から正確なシュートを蹴り込んで先制に成功する。
その数分後、ガーナーがボールを奪うと、リバウンドがグリーンウッドの足元に。すぐにシュートをリリースすると、ゴールキーパーのビゾットも反応しきれず、リードを2点に拡大。
さらに、マルシャルに代わってタヒス・チョンがピッチに入ると、すぐに3-0、4-0に。グリーンウッドがペナルティエリア内でクラシエに倒されてPKを獲得したユナイテッドは、マタが冷静にスポットキックを成功させて3-0。そしてすぐさまグリーンウッドがボックス内でこの日2点目をマークした。
前半とは打って変わった展開に、AZには成す術がなかったと言わざるを得ない。
スールシャール監督は、ハリー・マグワイアとヤングを下げて、イーサン・レアードとフィル・ジョーンズを投入。
古巣のAZを相手に失点を回避したロメロの活躍もさることながら、終盤には再びグリーンウッドが3点目を狙うシュートを放つ姿も見られた。
前半は緊張感のある攻防となったが、終わってみれば満足のいくパフォーマンスを披露し、開幕戦以来となる大量点をあげて勝利し、ラウンド32に進出。ユナイテッドは、3連勝をマークしている。
試合情報
ユナイテッド:ロメロ、ヤング(c、68分にレアードと交代)、トゥアンゼベ、マグワイア(68分にジョーンズと交代)、ウィリアムズ、ガーナー、マティッチ、アンドレアス、マタ、マルシャル(59分にチョンと交代)、グリーンウッド
出場機会のなかったサブ:グラント、フレッジ、マクトミネイ、ラッシュフォード
得点:ヤング(53分)、グリーンウッド(58、64分)、マタ(62分 PK)
イエローカード:レアード
アルクマール:ビゾット、スベンソン、クラシエ、ウィテンス、ワインダル、ミットシエ、ステングス、クープメイナーズ(キャプテン)、菅原(68分にフラールと交代)、デ���ウィット(63分にドゥルジフと交代)、イドリシ(77分にアウエヤンと交代)
出場機会のなかったサブ:デ・ボア、アブラハル、ラインデルス、クラメール
イエローカード:クラシエ、ミットシエ、クープメイナーズ
観衆:6万5773人