9番に戻り成長したマルシャル
アントニー・マルシャルにとって、背番号が9に戻ったのは大きかった。
オーレ・グンナー・スールシャール監督は、マルシャルとマーカス・ラッシュフォードが中心のフロントライン形成を考え、2019-20シーズンは大半の試合でラッシュフォードを左サイドでのインサイドフォワード、マルシャルを中央で起用している。
マルシャルは、今シーズン飛躍を遂げている。プレミアリーグ、エミレーツFAカップ、ヨーロッパリーグの試合で平均115分ごとにゴールを決めているのだ。
スールシャール監督の4-2-3-1フォーメーションでセンターフォワードとして力を発揮しているマルシャルは、ペナルティキック以外の形で過去最高レベルで点を決めている。90分あたりのスタッツを比べればわかるが、今シーズンのプレミアリーグでのマルシャルは、2.9本のシュートを放っている。しかもボックス内でのシュートを見ても、過去最多となる1.9本のシュートを放っているのだ。
このスタッツが示すように、彼は以前よりもボックス内でシュートを放っていることがわかる。また、ボックス内でのタッチ数も減少。昨シーズンは7.6回のタッチごとにシュートを放ったのに対して、今シーズンはそれが4.7回に減った。
しかも、予想スタッツより効率良くゴールを決めている。効率を維持しつつ、シュートの本数が増えているのは、大きな成長だ。そして、今後に期待が持てる数字でもある。
今シーズンは、ペナルティエリア内で枠を外した回数(8)より、ゴールをマークした回数(11)の方が上回っている。
我々は、ゴールスコアラーとしてはもちろん、フットボーラーとしても進化しているマルシャルを目の当たりにしている。今シーズンのプレミアリーグで、マルシャルが1対1を仕掛けているパーセンテージは63%。ハイプレスを受けるエリアでの数字としては、非常に高い。
ちなみに、2018-19シーズンの成功率は54%だったのだが、今シーズンの彼が1対1を仕掛けている回数は、90分あたり、昨シーズンの3.17から3.59にまで上昇。相手を抜いてからシュートまで持っていった回数も上がり、2017-18シーズンが8回、2018-19シーズンが7回だったのに対して、今シーズンは9回も記録している。
また、オフ・ザ・ボール時のスタッツを見ても、以前より進化したことがわかる。スールシャール監督が好むアグレッシブで、ハイプレスのスタイルに、マルシャルは見事に適応している。
昨シーズンのマルシャルは、プレミアリーグでの試合でポゼッションを奪った相手に対して、90分あたり4回プレッシャーをかけている。
それが今シーズンは約9回にまで上昇しているのだ。それだけ守備にも力を入れている証拠であり、プレッシャー仕掛けてボールを奪い返す成功率も、昨シーズンの25%から29%に改善された。つまり、より効率良くボールを奪っていると言える。
2019-20シーズンのマルシャルは、スールシャール監督のスタイルに適応しつつ、シュートの効率性も高めているということだ。
そして、現在のフォワードラインが素晴らしい理由は、全員が若いということ。今でも結果を残している彼らには、まだ成長の余地が残されている。
その中でも24歳と年長者のマルシャルは、最前線を引っ張る理想的なストライカーに成長している。
筆者のスタットマン・デイブは、MUTVのレギュラーゲストで、ユナイテッドの試合の詳細データをもとに、頻繁に分析している。
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