マンチェスター・ユナイテッド新加入選手のハリー・マグワイアは、ここ数年でのレスター・シティーとイングランド代表でのパフォーマンスにより、世界で最も頼れるセンターバックの一人と評価されるようになった。
しかし、26歳のマグワイアがこれまで辿ったキャリアは、平坦なものではなかった。
シェフィールド出身のマグワイアは、シェフィールド・ユナイテッドのユースシステム出身だ。エネルギーに溢れ、強烈なタックルが武器のDFマグワイアは、18歳の時にファーストチームに昇格し、2011年のカーディフ・シティー戦でデビューを果たした。
その時点で、ハリーの能力の高さは垣間見られた。後半あたまからの交代出場だったが、ブルーバーズ(カーディフの愛称)戦でクラブのマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。
残念ながらシェフィールド・ユナイテッドは同年に降格したものの、マグワイアはファーストチームでの1年目に5試合に出場し、ブラモール・レーンで強烈な印象を残した。シェフィールドにはそれから3年在籍し、166試合に出場して12ゴールを記録した。
プレミアリーグのチームもマグワイアの成長に注目し始めたのだが、ハリーを獲得したのは、ユナイテッド史上最高のセンターバックの一人だった。彼をハル・シティーに迎えたスティーヴ・ブルースだったが、経験豊富な元ユナイテッドのジェームズ・チェスターや、カーティス・デイヴィス、マイケル・ドーソンよりも重用することに関しては、慎重だった。
2014-15シーズン序盤は数試合の出場に終わると、マグワイアはウィガン・アスレティックに期限付き移籍。ハルと同様にウィガンも同年に降格したのだが、翌年、ハリーを守備の中心に据えたタイガースは、プレミアリーグ復帰を果たす。
23歳になったハリーは、プロキャリア5年で様々な困難を経験済みだった。2016-17シーズンに再び降格したハルだったが、個人としては素晴らしいパフォーマンスを見せたマグワイアは、クラブの年間最優秀選手賞に選ばれ、レスターに移籍。そして、ギャレス・サウスゲートのイングランド代表にも招集された。
最終ラインで強大な存在感を発揮した彼は、レスター時代にパスの技術を身につけ、プレミアリーグの玄人ファンからも称賛された。フォクシーズでの2年でプレミアでもトップクラスのセンターバックに成長し、ワールドカップ、それからネーションズリーグでもイングランド代表の根幹を担った。
また、攻撃面でも、2018年のワールドカップ準々決勝でヘディングにより先制点を決めて実力を証明。レスター時代には、2017年の12月に行なわれたユナイテッド戦の後半追加タイムに決めた同点ゴールを含む5ゴールをマークした。彼の得点により、レスターはユナイテッド戦を2-2のドローに持ち込んだ。
各レベルで困難を乗り越えてきたハリーは、リーダーとしても成熟し、この夏には世界の強豪が獲得を見逃せない選手に。
だが、彼の気持ちを動かしたのは、伝統と実績のあるクラブで、彼はイーストミッドランドからマンチェスターへとやって来た。