ポグバ

ポグバの評価は正当か?

水曜日 27 6月 2018 11:16

ポール・ポグバは、その一挙手一投足が注目を集めるフットボーラーだ。そしてそれらは、時に非常にポジティブだ。マンチェスター・ダービーで2点をぶち込んで劣勢をひっくり返したときのように。

しかしながら、時にそれらは非常にネガティブにもなる。彼は常に、ピッチ上でなにかとんでもなく素晴らしいことをやってのけることを期待されている。そうでなければ、「全然ダメだった」とあっさり見限られてしまうのだ。

マンチェスター・ユナイテッドに史上最高額で移籍した、というステータスと莫大な金額が、批判を生み出すことと関係していることは理解できる。ネイマールが翌年、その世界最高額プレーヤーの座を奪ったが、それでもポグバについては常に疑問が投げかけられる。

W杯初戦でフランスがオーストラリアを破った試合での、フランスの先制点はペナルティキックからだった。新たに導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が、ファウルがあったことを証明した。この場面で、倒されたアントワン・グリーズマンにサイドからパスを送ったのはポグバだった。ボールに飛びついたグリーズマンに、ジョシュア・リスドンがタックルをしかけたものだ。

そして2点目は、最初はポグバの得点として記録された。軽快なワンツーから彼が放ったループシュートはGKの頭上を越えてネットに収まった。その後、相手DFアジズ・ベヒッチのオウンゴールとして公式に修正されたが、ポグバのお手柄に変わりない。ベヒッチが触れていなかったとしても、シュートは決まっていただろう。

これが決勝点となり、フランスは貴重な勝利をものにしたが、ディディエ・デシャンのチームは称賛からは程遠いところに置かれている。

グループC第2戦のペルー戦も然りだ。

試合は1-0でフランスが順当に勝利した。

ペルーが好チームであったことはともかく、重要なのは、フランスが1試合を残して次ラウンド勝ち抜けを決めたという事実のはずだ。試合後の評によれば、この試合でもポグバは「チームに何ももたらさなかった」。しかし、この試合でフランスがあげた貴重な1点の起点はポグバだった。彼が相手チームのこの試合でのベストプレーヤーだったパウロ・ゲレーロからボールを奪って素早くオリヴィエ・ジルーに展開、ジルーのシュートはブロックされたが、詰めていたキリアン・エムバペが押し込んだ。

エミレーツFAカップ準決勝のトッテナム戦でも似たようなシーンがあった。ポグバがムサ・デンベレに競り勝ってアレクシス・サンチェスのヘディングシュートをお膳立てしたのだ。これらのプレーが証明しているのは、ポグバは、高い位置で相手からボールを奪い、その後、結果を引き出せる最適なオプションを見極めて展開できるということだ。

ポグバはここまで2試合に出場し、フランスがあげた3得点すべてに絡んでいる。にもかかわらず、彼は今大会での期待はずれ選手の一人に数えられている。3戦目のデンマーク戦では(0-0)出場機会はなく、その悪評を覆すチャンスもなかった。

この試合は、今大会始まって最初のゴールレスドローとなり、その内容も酷評されているが、もしここにポグバがプレーしていたら、非難の砲火を彼が浴びていたことは容易に想像がつく。

しかしポグバ自身はすでに、ラウンド16での戦いに気持ちを切り替えていることだろう。ここからは後がない一発勝負だ。

フランスは、持てる力を発揮できていないという批判などに惑わされるべきではない。グループリーグでは着実に、必要とされる結果を出したのだから。ポグバも同様だ。

ポグバはロシア大会でさらに強烈なインパクトを残すことができる

批評家たちは、ポグバのプレーが大胆すぎる、大げさすぎると言う��りに、今大会でのように、地味ながら効率的な仕事をしていると物足りなく思うのだ。おそらく彼らは、ポグバが豪快なサイドチェンジのパスや、強烈なミドルボレーシュートを見舞ったら満足するのだろう。

決勝ラウンドではそれらが見られるかもしれないし、そうすれば彼もようやく正当な評価を受けることができる。

5年前のU20世界選手権、フランスがウルグアイを決勝戦で破って優勝した時、ゴールデン・ボール賞に輝いたのがポグバだった。過去にはディエゴ・マラドーナやリオネル・メッシも受賞した栄誉ある賞であり、世界レベルの選手であることを示す、最初のお墨付きでもある。

ポグバが世界に強烈なインパクトを与えるチャンスはまだある。それは今週末の対戦かもしれない。そのためにグループリーグ3戦目ではしっかり休息をとり、エネルギーをチャージしたのだ。

この記事は著者の個人的な見解であり、マンチェスター・ユナイテッド・フットボールクラブの意見を反映したものではありません。